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入学祝いの記憶

 大寒が過ぎ、まだ冷えるとはいえ季節はゆっくり春へと向かっている。今年の4月には従姉のところと友人のところの子が小学校に上がるということで、入学祝いは何が喜んでくれるか考えているところである。今の男の子たちは何が好きなのか、さっぱり見当がつかない。

 自分のときはどうだったかなあ、ともはや遠い記憶を思い返してみる。今でも手元に残って現役(30年選手!)なのは伯父から貰った、リカちゃんの電動鉛筆削り機である(実はわたしはお人形はリカちゃんじゃなくてジェニーちゃん派だったけれど、ジェニーちゃんのグッズってリカちゃんほどは取り扱いされてなかったような気がする。そういえば、遊ぶお友達もみんなリカちゃん派だった。なんで初めにジェニーちゃんがうちに来てくれたのだろう?しかもうちにはその後ティモテもやってきて、この子もほかのお友達が持っているところを見たことがない。この頃からマイナーの道を歩んでいたらしい)。これは実家で現在母がクロスワードパズルや数独を解く時に愛用されている。
 もうひとつ記憶しているのが、伯母から貰った青い目覚まし時計だ。いわゆるレトロなベルが鳴るタイプで、文字盤の柄はトトロ。これがまた大音量で、特に朝の集合住宅ではとても鳴らせないという母の判断で結局一度も目覚ましとしての機能は果たさなかった。ただ、子供心に強烈に、小学校に上がると自分ひとりで起きるんだ!オトナ!!と無性にテンションが上がったのを今でも憶えている。アナログ式の時計の読み方を母に教わったのも、確かこの時だ。


 入学祝い、伯父や伯母がくれたようなほんのちょっと背伸びした気分が味わえるものがいいなあと悩んでいるだが、いいものがなかなか思い浮かばず苦戦している。

 こんな時期だからこそ、春に彼らが楽しく登校できる一助となるような、なにか。朝が楽しみになるような、なにか。
 
 そんななにかをここのところずっと考えている。

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