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人が紡いだ歌詞に、自分の感情が映っている


……と、お昼にツイートしようとした。下書きに入れたまま仕事をしていたら思考が140字を超えたから、noteを開いている。全然違うとっ散らかった内容を3つ。日記のようなもの。

リアクションザブッタのメジャーデビュー、おめでとうございます!! 明日のレコメン楽しみだな〜。




歌詞に映る推し

リアクション ザ ブッタというバンドはラジオ番組「M!LK 吉田仁人のレコメン!」で知った。昨年5月に仁人くんが『ドラマのあとで』をおすすめで流してくれたのがきっかけ。後に番組ゲストとしても出演された。ファンと大きく名乗れるほどではないけれど、大好きになった『ドラマのあとで』のほかにも数曲と、11月に出たEP『酸いも甘いも、好きも嫌いも』をよく聴いている。

3月、Twitterでメジャーリリース決定を知る。彼らの歴史を知らないなりにじんわりと顔が綻んだ。

メジャーデビューそのものも喜ばしい。加えてラジオでバンドを知った身としては、新しい音楽を好きになれて、嬉しいニュースで感情を共有させてもらえて、バンドを知った丸1年後(しかもメジャーデビュー翌日!)に再び同じ番組でトークと曲を聴ける、この、仁人くんを好きでいなければ巡り会えなかった嬉しさの連鎖に、幸せだなぁと思う。


前置きが長くなったけれど、今日がそのメジャーデビュー日だから彼らの曲を流していた。運転中の約3時間。そこで、『彗星』という曲に吸い込まれる。

心無い声にさらされても
自分を愛そうとする君に
照らされたのは僕のほうだよ
きっと何にも 負けない

リアクション ザ ブッタ『彗星』

歌詞の一節に脳を突き刺されるような感覚に陥るとき、「流していた曲」が「大切な曲」になる。文字が実像で浮かんで見える(これは今日自覚した)。今日の場合は〈自分を愛そうとする君に〉だった。音が文字になって言葉で認識して、仁人くんやん、って思った。

心臓が跳ねるのを実感しながら急いでリピートする。運転中だからハンドルを握り、流れゆく音を脳内で一字一句変換する。上記の引用箇所は2番で、1番では〈孤独の宇宙にさらされても 大事なもの離さない君に〉と歌われていた。これも仁人くんやん。てか、こっちの方がそうかも。


〈負けない光〉とあるけれど、普段「光」と聞いて思い浮かぶのは別の人だった。「光」でM!LKの推しを連想することはなくて、強いて喩えるならば、夜に一瞬で咲く、そして消える、花火の光が一番自分の描く人物像に合うと思っていた。

君は彗星 いつも消えそうで
暗がりを1人で彷徨って
迷った分周り照らす
から
僕は君に気づけたんだ

リアクション ザ ブッタ『彗星』

しかし、〈君は彗星〉というサビから、星か……!と新発見をもらった。いつも消えそうとはあまり思わない。〈迷った分周り照らす〉の2番は〈悩んだ分強く光る〉。数年しか知らない他人の分際で彼の過去を語るのは避けたいけれど、昔は何もかもを背負いすぎていたという話を聴く限り、「暗がり」「1人で彷徨う」「迷い/悩み」というフレーズにも重なる部分があると感じた。だからこそ、〈僕は君に気づけたんだ〉、本当に、本当にな〜(泣)


そして、ラストで頭を抱えた。

"綺麗事"と誰かが言う生き方を
必死で貫いてる君がいる
その姿が眩しかった
ゆがんで曲がっているこの世界に
真っ直ぐな美しさを君は
教えてくれた

リアクション ザ ブッタ『彗星』


オギャー(泣)


この箇所で「君」の言葉に、私から見る仁人くんがありありと映った。綺麗事と言われる生き方を必死で貫いている人。その姿に「眩しい」と思わされる人。真っ直ぐな美しさを教えてくれる人。まっすぐ、が漢字表記なのにも大きく頷ける。

ちょうど先週のラジオでご家族や生い立ちの話をたくさん聴けたこともあり、それから何だかぐるぐると考えるモードが止まらない。そんなタイミングで飛び込んできたこの歌詞がとても大きく響いて、心臓を締めつけられた。



私の感情を歌っている……!と思うことについて

私はこのように、それぞれの推しを歌の言葉に当てはめる節がある。各推しのプレイリストまである。しかし私は、私の感情を歌が代弁してくれている!と思うとき、少しだけ複雑になる。ここまで書いておきながら、今もそう。

「それな〜!」とか、「あまりにも〇〇くんすぎる」のような短い共感を示す表現で、自分の感情の言語化が終わってしまうからだ。上述の文章がいい例。

歌詞はあくまで、突き放した表現をすれば他人が紡いだ言葉だ。他人の経験や価値観や哲学から生み出された言葉(厳密に言えば言葉の組み合わせ)に「その通りだ!」と思うことで、他人の産物を乗っ取ってしまったような気持ちになる。そして、自分の感覚で言葉にしていれば含まれたかもしれない微細な粒や複雑な色味が、消えてしまう可能性があることにも、歯痒さを感じる。

言葉にする行為とは、クッキーのように型を取る行為だと考えている。大学の教授の受け売り。星型のクッキーは、型抜きで星型にくり抜かれて初めて「星のクッキー」になるのだ。周りに残された部分は「クッキーの生地」でしかなく星にはなれない。他者の言葉にわかる〜!と乗っかることによって、自分の型で抜けたはずの自分だけの感情を星だと思い込み、本当は周りに存在している生地を見落としてしまうのは勿体ない。

とはいえ逆に、人が言葉にしてくれて初めて自覚できる感情も間違いなくあるから、共感がダメとも思わない。ただ、私の感情を代弁してくれている!と思うだけで終わらせずに、自力で言葉を組み立てて感情を認識する努力も怠らずにいたい。という、何だか熱が入ってしまった自戒でした。


+++


仁人くんは過去の推しに類を見ない「考えさせられる人」だ。自分の中で築かれた「こういう人なのだろうな」という想像(妄想ともいう)が、後の発言であっという間にひっくり返ることが頻繁に起こる。わからなくて、だから興味深くておもしろくて、少し、いやかなり苦しくて、抜け出せない。

以前の配信や、「言葉だと、僕の場合は色々意味を考え込んでしまうこともある」というインタビュー記事も読んだばかりで、この文章を公開していいものか書きながら迷っている。ごめんね。

でも、仁人くんがそういう人だからこそ、抱いている感情を表す言葉を探す、その過程を怠らず、知りうる言葉を尽くしたいといつも思う。ただただ、嘘がない姿が好き。器用に取り繕えない心から目が離せない。人生を決めた場所で命を燃やすように光を浴びる様が眩しい。曲がることを許せない故に被った泥まみれな生き様の美しさに、どうしようもなく憧れる。もうしばらく、夢中でいさせてください。


変わらないで
君がいるだけで居場所をもらった人がいる

リアクション ザ ブッタ『彗星』




リアクション ザ ブッタの新譜を聴いた

最後に、『ドラマのあとで』のアンサーソング、『恋を脱ぎ捨てて』がしんどい!痺れる!最高です!という話をしたい。



『ドラマのあとで』はずっと聴いていたから、『恋を脱ぎ捨てて』がアンサーソングだと知って意気揚々とMVを観た。別れた彼氏の目線の『ドラマのあとで』と、彼女目線の『恋を脱ぎ捨てて』。

イントロが鳴った瞬間ゾゾゾと鳥肌が立った。うわ〜〜〜、音楽に関する知識が無くて正しいのかわからないけど、『ドラマのあとで』が明るい曲調だったのに対して『恋を脱ぎ捨てて』が暗く、しかしリズムは一緒。ミックスできる、同時に歌えるようになっている。『ドラマのあとで』の旋律の間を縫うようにして、同じ場所を『恋を脱ぎ捨てて』が走る。

階段を横から見た図が浮かんだ。一方が階段を下っているとしたら、もう一方は頭と足を逆さまにして、その階段の裏側を進む。どちらも下り。足の裏同士はピッタリとくっついていたのに。MVのサムネイルからもわかる光と影の対比。

歌詞も対になる箇所が多い。「その言葉が嘘だってことは彼も気付いてたんだよ〜(泣)」とか教えてあげるお節介友人になりたい。『恋を脱ぎ捨てて』の冒頭、〈登場シーン減ったスタンプが右側に追いやられていくね〉の情景があまりに鮮明に見えて喉が苦しくなった。そのシーンを描くセンスに痺れる。

明日流れるかな〜!書いているうちに今日になったけど。仁人くんの曲の感想も聞きたい。リアクション ザ ブッタのレコメン出演、楽しみ!



目次一つずつ別々の記事でもよかったくらい、とっ散らかりました。読んでくれた方ありがとう。おやすみ!

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