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遊びの制作 : カードを合わせてキメラを作るゲーム 『キメキメラ』


長い間制作を続けていた『キメキメラ』という遊びが完成した。
今回は、その完成した遊びについて紹介させていただきたいと思う。


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□ 概 要

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『キメキメラ』は、2枚のカードで一対となり、そのカードの組み合わせで様々なキメラをつくることができるカードゲームである。

カードには対となるカードが存在し、そのカードを接続面で合わせると、現存する動物の絵が浮かび上がる。(犬とか、マグロとか)

しかし、組み合わせは対となるカードでなくとも、全てのカードでも合わせることができる。
その時に生まれる奇怪な生き物、つまり異質同体の「キメラ」である。

このカードゲームでは、対になっていない、まったく別のカードと組み合わせたとき、それが不自然だったり、逆に妙にしっくりきたり、そうやって偶然的に出来上がるキメラを楽しむというのが、このゲームの醍醐味だろう。

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□ 制作物

IMG_9961のコピー

・カード_54枚
・プレマット

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□ カードの構成

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『キメキメラ』の構成は、トランプとよく似ている。
似ているというか、トランプを参考にして構成した。

1から13までの数列が4つ、そこにジョーカーが2枚と、合計54枚のカード。
これとほとんど同じである。

違うところは、数列のグループ分けをマークではなく、赤、青、黄、緑という色で行っているところ。
そして、グループ内の数列は1から12までであり、13は『キメキメラ』では別枠の特殊なカードとして扱っている。

1グループ内の12枚のカードは、そのグループ内で対となるカードがあり、つまり1グループ内に6体の現存する動物が存在する。
グループは4つあるわけだから、キメキメラで作れる現存する動物は合計で24体である。

グループからはぶられた4枚の13のカードは、レインボーという特殊なグループとして扱っている。
ここでもカードが対がなっており、2体の生き物を作れる。

また、トランプにおけるジョーカーのカード2枚は、『キメキメラ』ではロボットというカードになっている。
こちらも同様、2枚で1体となるが、他のグループのカードとは違い、生き物ではなく人工物のロボットとなる。

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□ 遊び方

色々なカードの組み合わせを試して、キメラを作るだけでもなかなか楽しめるが、これらのカードの特徴を使った、よりキメラづくりを楽しめるゲームルールもちゃんとある。

ゲームルールは大雑把に説明すると「キメラ同士を配合して、テーマに合ったキメラを作る」という、なかなかにマッドサイエンティストなものとなっている。

プレイ人数 :2〜4人(一応1人でも可)
プレイ時間 :15~20分程度


● 準 備「マイキメラとフリーキメラとテーマキメラ」

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まず、プレイヤーごとに山札からカードを2枚ずつ、つまり1体のキメラを配布する。
これが自分の持つキメラ、通称マイキメラである。

次に、マイキメラたちの交配相手となる、誰のものでもないキメラ、通称フリーキメラを4体(カード8枚)、場に出す。

最後に、テーマとなるキメラを1体(カード2枚)を設置し、準備は完了である。

つまり、プレイヤーは自分のマイキメラと、場にあるフリーキメラとを交配させて、テーマキメラに合ったキメラを作り合う。
これを繰り返していき、スコアを競い合うというゲームになっている。


● キメラの交配の仕方「遺伝子をシャッフルする」

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キメラの交配のさせ方はとてもシンプルだ。

まず、場からフリーキメラを1体選び、その選んだキメラと自分のマイキメラ1体、つまり合計4枚のカードを裏面にしてシャッフルする。
シャッフルしたカードを裏返しのまま、そこから2枚のカードを選べば交配は完了。
つまりその選んだ2枚のカードでできるキメラが、新しいマイキメラだ。

これをプレイヤーごと、順番に行っていく。
また、選ばれて減ったフリーキメラは、そのつど山札から補充する。

● ゲームのスコアについて「カードの数字と色」

カードには1つの数字が当てはめられている。
キメラ1体は2枚のカードで構成されるので、つまりキメラは2つの数字を持っていることになる。
この数字の合計値がキメキメラでは重要になる。

つまり、「テーマキメラに合わせてマイキメラを交配させる」とは、
「テーマキメラの数字の合計値と、交配によって生まれるマイキメラの数字の合計値が近くなるようにする
」ということだ。

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キメラを交配させる時、4枚のカードから2枚のカードを選ぶ、この選んだカード、つまり交配によって生まれる新しいマイキメラのパターンは6つ。

これを踏まえた上で、テーマキメラの合計値に近いマイキメラが生まれるよう、交配相手を吟味しなければならない。

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テーマキメラとマイキメラの数字の合計値の誤差がスコアとなり、プレイヤー全員のスコアの計算ができたら、新しいテーマキメラを山札から出し、また交配と繰り返していく。

これを5回繰り返し終わった時、ラウンドごとのスコアの合計が一番低かったプレイヤーが勝利となる。

また、ここに色の要素をが加えると、より奥深いキメラ交配を楽しむことができる。

前述の通り、テーマキメラは2枚のカードで構成され、つまり2つの色を持っている。
数字の合計値だけでなく、この色も合わせることができればボーナスがつくというわけだ。

テーマキメラと、マイキメラの色が1色合っていたら3ポイント。
2色合っていたら7ポイント、スコアを引くことができる。

数字の合計値を合わせにいくのが難しい状況だったら、色を合わせることを優先したりと、作戦の幅が広げることができる。

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● 特殊なカードについて「レインボーとグレー」

カード構成の説明で少し触れたが、特殊なカードとしてレインボーとグレーがある。

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レインボーのカードは4枚あり、通常のカードと違い、対となってできる生き物が現存ではなく、古代を生きた動物となっている。

このカードはどの色の要素も持っている。
つまり、交配でマイキメラにレインボーを組み込むことができれば、色合わせボーナスが必ず1つは獲得することができる。

また、レインボーカードに当てはめられた数字は、4枚とも13である。

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グレーのカードは2枚で、この対となる2枚を合わせると、もはや生き物ではない、人工物のロボットとなる。

グレーはレインボーより強力で、このカードはどんな数字になることもできる。
つまり、マイキメラに組み込むことに成功すれば、合わさったカードがどんな数字でも、テーマキメラと同じ合計値になることができる。

しかし、注意点として、グレーカードは色ボーナスを得ることができないこと。
そして、これは交配ではなく、もはや改造であるため、今後そのグレーカードが組み込まれたキメラで交配することはできない。
よって、一度マイキメラにグレーカードを組み込んだら、次の配合ではそのマイキメラは処分し、山札から新しくマイキメラを補充することになっている。

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以上が『キメキメラ』の遊び方である。
キメラを交配させ、それによって生まれる子供が、狙った通りの遺伝子の組み合わせになっているかは運次第。
そういった、本当の交配による遺伝子の動きを再現したような、そんなゲームルールになっている。

また、ゲームの内容には影響はないが、そのゲームの中で偶然的に生まれるキメラの姿は、更にゲームを盛り上げてくれるだろう。

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□ アレンジ

『キメキメラ』はカード構成がトランプと同じなので、紹介したキメラを交配する遊び方以外にも、トランプの代用としてトランプ遊びをすることができる。

また、そのトランプ遊びを、『キメキメラ』ならではのアレンジをするのも面白い。
例えば、神経衰弱やババ抜きを数字でなく、絵柄でやったりなど、少し変えるだけでまた違った感覚の遊びになる。

他にもキメラを交配させる遊び自体も、グレーカードやレインボーカードを抜いたり、色合わせボーナスのスコアを変えたりと、色々な調整やアレンジを加えることも可能だ。

そういう意味で、『キメキメラ』はトランプに追加要素を加えたことで、新しい遊びの可能性を得たカードゲームとも言えるのかもしれない。

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以上が制作した遊び『キメキメラ』についてだ。

『キメキメラ』について語りたいことは山ほどあるが、ここではやめておく。
また、別の機会にまとめて投稿しようと思う。

また、『キメキメラ』に関しては販売も考えているが、そこら辺に関しては全くの無知であるし、状況も整っていないのですぐにはできない。
ですが、ゆっくりでもそっちにもチャレンジしていきたいと思う。

何がともあれ形にできて本当によかった。
公に発表できた遊びの制作物はこれで3つ目となり、これは自分の活動の一つの切り目になると思う。
切り目と言っても、今後も本質的には変わらず、遊びの研究と制作は何かしらの形で続けていくつもりだ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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