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トランプの遊び構造

遊びと聞くとどうしても不真面目な要素を強く感じてしまう。
そのことは間違ってはいないんだろうけど、その一言でまとめられるほど単純なものではないと思う。
むしろ遊びの構造というのはものすごく「真面目」である。
遊びが真面目でなければ、遊び手は不真面目になることはできない。
遊ぶ人と遊ぶを作る人の考え方は全くもって違う。

トランプの構造を見てみるとよくわかる。
まず1から13の並んだ数字の列がある。
これは一本の線と言えよう。
カード1枚は点だ。
これだけだと一方向しか線は伸びていない構造だが、その線を4本置いてみる。
いわゆる1から13の数字の列を4つ置き、ハート、ダイヤ、スペード、クラブと分ける。
こうなると4つの線が生まれるだけでなく、同じ数字という交差する別の線が生まれる。
例えば3と言えば4つのカードが当てはまり、それは数字の列を横軸とすると縦軸に当てはまるわけです。
そしてハートの3といったカード一枚を指す意味が、線上の点から平面上の点に変わるわけです。
そしてこの真面目な数字の関係性からできた構造に対して、全く関係のない異質のカードが加わります。
それがジョーカーです。
ジョーカーはトランプにおける不真面目な要素であり、この異質な要素によってトランプの遊び構造の循環を加速させます。
しかし、それは52枚の真面目な数字の構造があるからこそ成り立つのです。
トランプというとなんとなくジョーカーが主役っぽい立ち回りをしていますが、真の主役は52枚の数字群なんじゃないかと思うのです。
真面目な52枚のカードと不真面目な1枚カードで構成されたトランプ。
これこそ遊戯構造とは何かを物語っているのではないかと思うのです。

遊び作りにおいてこの真面目な部分と不真面目な部分を正しく捉えること、そして構造内の動きをイメージしてバランスよく構成することが大事たと思います。

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