優しそうという誉め言葉
優しそう。
良く言ってもらえるお言葉です。
優しそうな彼氏さん。
優しそうな旦那さん。
優しそうなパパ
この言葉に
鼓膜が快感を覚えたことは
一度もありませんでした。
🍀
私の姉は超絶美人です。
謙遜の余地がないほどに。
私の姉と同じ高校に行った
小中一緒やったやつが
お前の姉ちゃん、俺の学年でも有名やで
というくらい。
幼稚園のとき、電車の中で
知らんおばちゃんが
姉を見るやいなや
後先考えずに
きゃー、えらいべっぴんさんやねー
という。
嫌な予感。。
その後、私の顔をみて
、、あ~、、優しそうな子やね~
「優しそう」の価値が暴落した瞬間でした。
🍀
卒業文集のコーナーに
みんなの長所ベスト3
的なものがあって
「優しい」よりも
「スポーツ万能」「面白い」
の方が羨ましかったな。
あいのりの
告白の返事シーンで
「~~君はとっても優しくて、~~」
から話し始めたら
大体フラれてたし。
そして何より
実際のところ、
優しかったり
優しくなかったりするし。
その日の気分によるし
相手によるし。。(ウジウジ)
🍀
優しそう
っていうのは、
とどのつまり
特筆すべき長所が見当たらない
をオブラートに
包みに包んだ表現なのよ。
ずっとそう思って
生きてきました。
初めてプレイルームに行くまでは。
🍀
土日に出勤して
振替休日を
平日にとったとき
ハル嫁とよく
プレイルームに行きます。
5~8組いて
ほぼママばっかり。
その中にパパひとり。
初プレイルームへ
向かう最中、
頭の中はずっとシミュレーションでした。
(合コンの前日とかにするアレのこと)
話しかけるのが正解なのか。
瞬発的には繰出せる社交性を出すべきなのか。
気さくにいきすぎたら、それはそれでキモいのか。
そういう場で
上手に立ち回れるやつは
そもそも
そんなシミュレーションはしない。
そして経験上、
シミュレーションすればするほど
自然を装おうと不自然になり
余計むっつり感が出て
失敗に終わる。
でも
そんな初回の心配はどこへやら。
今ではプレイルームで
余裕の立ち回りを見せている。
その原因は何だったのか。
🍀
初対面の赤ちゃんが
自分にめっちゃ近寄ってくるのです。
毎回。少なくとも一人は。
マスクして眼鏡かけた
中年男性って
子どもの頃
まあまあ怖かったけどな~。
本能的に
こいつは大丈夫、チョロい
って思ってるんやろなー
よくも悪くも。
図書館に行ったときも
知らん子が本持ってきて
よんでー💖
って頼まれて
15分程相手をしたことがある。
不審者やと思われたら
どうしようと
そわそわしながら。
優しそう、
っていう言葉は
意外と文字通り
受け取ってもいいのかも。
そういえば、
中学のとき
ハミってるやつ(A君)がいて
先生から「A君係」
みたいな任命をよくされてました。
当時は、
え~嫌やしー
って愚痴ってたけど、今ならわかる。
俺が当時の担任やったら
確かにあのメンツの中なら
俺を指名するわ!!
🍀
なんで、今まで
優しそうを
素直に受け取ることが
できなかったのか?
それは、きっと
大人は社交辞令を使えるから。
もちろん自分も
本音を胸の奥にしまい
建前を行使したことが
何度もあるから。
だからこそ、
赤ちゃんのリアクションは
信頼せざるを得ない。
正真正銘、優しそうなんだ
自分って。
唯一、人前で誇れることかもしれない。
やっと、優しそうを肯定できた。
🍀
1歳になった私の息子は
愛想笑いをまだ知らない。
そんな息子が笑っている。
きっと本当に腹の底から
面白いんだろう。
その笑顔につられて
自分も笑う。
その笑顔には
一点の曇りもないのだ。
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