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デジタルツールをみんなに使ってもらうために

大学生活を通じて授業、プライベートを問わず、様々な場面でグループでの共同作業を体験してきた。その中で、情報伝達をスムーズに行うべく、アナログな現場にデジタルの共有ツールを導入しようと試みたことが何度かあった。「便利だから使ってみようぜ!」程度のノリで導入しようとしたは良いものの、そうした方面にあまり興味がない人たちにとってはとても敷居が高かったりするらしく、なかなか思い通りに使ってもらえないことも多かった。というわけで、以下にこうした経験を通じて学んだいくつかのレッスンを書き出してみた。

アカウントを新規に作る必要がないものを優先的に

新規にサービスを使うとなった場合、大体のケースでアカウント登録が求められる。この作業を面倒だと思う人は多いし、切迫した導入の必要性がない場合は上手くいかないことが多い。そういうわけで、大体の人がアカウントをすでに所持しているAppleやGoogle、Microsoftなどのツールを使うことが無難であると思われる。使い方を一から伝える手間もある程度省けるし、有名企業のサービスということである程度の安心感も与えられる。

セキュリティ面の説明をしっかり行う

この点は意外と大切。以前にiOSの「写真」に備わっているアルバム共有機能を友人と使用した際、自分のカメラロールの写真が全部公開されるのは困る!と言われたことがある。もちろん、選択した任意の写真以外が共有されることは絶対にないのだが、前情報が何もない人にとってはそうした点も不安材料になってしまう。そういった類の疑問は使い始める前にきちんと解消しておくのが良いだろう。逆に、セキュリティについて何も考えずに使ってしまう人もごくたまにいるのでそちらに関しても注意が必要だ。少し前にタスク管理ツール「Trello」を公開設定で使ってしまっていたことでweb上にヤバめの情報が流出し、大問題になった事例をTwitterで見かけたことがある。自分「から」漏れるだけではなく、自分「が」情報を漏らしてしまう危険性があることも、並行してちゃんと伝えておくのがベストだろう。

メリットが十分であることを確認する

自分が「この部分をデジタル化したい!」と思っていても、その規模があまりにも小さすぎると他人の理解は得られない。現状維持で問題無いのに、なぜわざわざ新しいものを使い始める必要があるのか、と問われることは思っている以上に多い。個人で使うものならまだしも、複数人で共有する場合はその理由が単に「便利そうだから」だけでは済まされない。本当に全員に対してメリットがあるのかを検討し、そうでもなさそうなら最初から使わないことも一つの手だと思う。ツールを導入すること自体が自己目的化してしまわないように気を付けたいところだ。

自分が率先して使えるものを

いったん取り入れてみたは良いものの、気づいたら誰にも使われないまま放置されていた、、なんてこともよくあるケースだ。まずは提案者自身が率先して使い、その使い方やメリットを身を持って伝えていく必要がある。ある程度やってみて周囲がのってこないのであれば、再検討もしくは使用中止を考えるべきなのかもしれない。とにかく、「どれほど便利なのか」を最大限に伝えることを念頭に置きつつ自らデモンストレーションを行っていくことは非常に重要であり、導入したからといって自分の仕事が終わるわけではない。



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