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異世界転生‐男の娘/僕はこの世界でどう生きるか 64-67

 64 破魔矢


「つまり、僕が生贄になっても生き残るために、強い魔導士たちの精をお尻に受けていたってわけで、別にエッチな気持ちでやってたんじゃないんですからね」
 あきれ顔のリリーに必死で説明する僕を、タバサやリズはニヤニヤ見ている。

「……とりあえず魔氷の術で紅の触手は動けなくなっているわけですか。でも魔氷を砕く虫が召喚されてしまうと」先の方を見ると五蔵が腕を組んでいた。

 僕とリリーから離れた場所で、五蔵と九戒、カル‐エルたちが魔導師たちと話し合っているのだった。
 最初ここに着陸した時、カル‐エルは魔封の袋をかぶっていたのだけど、此処の魔導師たちが敵じゃないとわかって、その袋は脱いでいた。
 変になった髪の毛を手で直している。

「まったく、お前のこと心配して心焦りながら飛んできたのに、見つけたら、敵の魔導師にお尻差し出してアヘ顔してるんだもんなあ。わかったわかった、もういいよ」
 リリーはそう言って、魔導師たちの話し合いの方に向いた。
 僕もそっちに行きたかったが、なんとなく行きづらい。
 無意識に戦力外通告されたみたいに感じるのだ。
 どうせ僕はエッチな事しかできないサキュバスですよ、といじけ気分になってしまった。
 五蔵達が来るまでは、二つの世界の救世主になると、気分高揚していたのになあ。

 うつむく僕の頭を、大きな手が撫でてきた。
 見上げると、毛皮鎧を着た戦士、九戒だった。
「なんとなく憶えてるんだが、君のお尻最高だったぞ」
 イノシシ顔の優しい眼がそう言った。
 僕は鼻水を一つすすり上げて、五蔵達の話を聞くことにした。

「紅の触手は破魔矢という術で破ることができると思います。でも、今の状況、魔氷の術で覆われている状況では矢の魔力が届かない恐れがあります」
 五蔵が説明していた。
「では、いったん魔氷の術を解く方が良いのか?」
 ロイナース師が聞いた。
 どうなのだろう。
 せっかく僕も協力して四人の魔導師の力で敵の動きを押さえられているのに、それを解くのは危ない気もする。ガイルズ師らも不安な表情だった。

「どっちみち待ってたら魔氷は砕かれるんだろ。それならさっさとその破魔矢で倒した方が良いじゃないか」
 リリーが言った。単純に考えるとそうなるんだけど、もし五蔵の術が効かなかったらと考えてしまうのだ。
 その時は結局僕の出番なのかな。
 それならそれでいい気もするのだけれど。

「もし破魔矢がダメだったら、ジュンの出番ですよね。その時のためにまた超人の精をもらっておいたら?」
 僕の前にカオルが来て胸をチョンとつついた。
 ちょっとカオルの雰囲気が変わっていた。なんだか色気が漂っているのだ。
 やはり僕らの居ない間に眠っているカル‐エルにちょっかいだしたに違いない。

「カル‐エルのアレ、すごかったでしょ」
 カオルの耳元に小声で言うと、いやんと言って横を向いた。
 やはりだ、耳たぶが赤くなってる。

 でも、確かに破魔矢の術がダメだった時のことも考えておかないといけない。
 何といっても紅の触手はロイナース師が相手した時よりも何十倍も大きく増殖していたし、今度魔氷の術を解いたら、その途端にまた大きくなるかもしれないから。

 だとしたら、此処の魔導師三人はすんだし、ロイナース師のはまだだいぶん残ってるから、あとはカル‐エルにもう一回頼んで、それから五蔵と九戒かな。
 今の状態でもかなり強くなっている気がするし、この上さらにパワーアップしたらあの触手に取り込まれても逆に圧倒できる気がする。
 きっとそれで僕は元の世界に戻れるのだ。
 なんだかこの冒険のラストシーンが見えてきた気がした。

「そうだ。リリーたちを町まで連れて行ったもう一人の魔導師は一緒じゃなかったの?」
 僕はカオルに聞いてみた。確かキース師と呼ばれていたはずだ。
「いや。居なかったですよ。ちょうど五蔵さんたちと僕らでカル‐エルの丸太に乗って飛び立とうとしているところに、リリーさんたちがやって来たんですよ」
 そうか。だとしたら、町の入り口辺りで別れた後だったのだろう。

「では魔氷の術を解いてください。私の準備はできましたから」
 五蔵がそう言うと同時に左手を大きく突き上げる。
 その腕の中に、半透明の光る弓が現れた。その弓にこれも半透明の矢をつがえて、大きく引き絞る。
 あれが破魔矢か。そのオーラに輝く五蔵の姿は眩く、見詰めていると目が疲れるくらいだった。

「じゃあ俺らもはみ出てくる奴がいるかもしれないから戦闘準備するぞ」
 リリーが言って、リズ、タバサ、カル‐エル、九戒ら戦士が剣などを抜いて散開した。
 

 65 死闘


 四人の魔導師が魔法陣を作って、ひとつの光る球になる。
 その表面からオレンジ色の光の帯が放射されて、巨大な魔氷の塊を覆った。
 じわじわと不透明だった氷が解けていくうちに、その中に封じられていた紅の触手が姿を現していく。

 見るからにさっきよりも増殖していた。
 檻から数メートルも触手が飛び出している。
 近くに構えていたリリーにその触手が襲い掛かった。
 その瞬間、破魔矢が放たれたのだろう。触手に光の矢が当たった途端、その触手は黒い霧になって消え去った。

 本当だ。破魔矢は紅の触手に効くようだ。
 次に、象の足みたいな太い触手に矢が当たり、その触手も音もなく黒い煙になって消え去る。
 しかし消えた触手の後から、すぐに別の物がにょろりと出てくるのだった。
 本体の方まで効果が行かないのか?

 よく見ていると、矢が当たった触手は、瞬間的に本体から切り離されるようだった。まるでトカゲのしっぽきりだ。

「よし、俺らも加勢するぞ」
 リリーが叫んで、檻からはみ出ている触手に攻撃を加えだした。
 カオルも、離れた位置から氷雪魔法で触手の動きを抑える。
 
 九戒の曲刀が太い腕のような触手をバッサリと切り落とす。
 切り落とされたそれは、やはり黒い煙になって消えていった。

 よし、僕も手伝うぞ、そう思って氷の剣を引き抜く。
 僕だって役に立つのだ。はやる心で走りだしたところで躓いてしまった。
 あ、痛たたた。
 僕の手から離れた氷の剣を、カル‐エルが拾った。
「これ、貸りるよ」
 そう言って戦闘に加わっていく。
 
 僕の中に蓄えられた魔導士の魔力は、最後の手段のために取ってかないといけないし、となると、今僕にできるのは怪我人の介護か。
 怪我した人におしっこかけて回るしかないみたいだ。

 うわあ、と悲鳴が聞こえた。
 タバサが手足を触手に捕らわれて宙づりになっている。
 リズとリリーが助けようとするが、剣が届かない。
 奥の方からデカい口を開けた蛇のような触手が現れて、タバサの頭を飲み込もうとしてる。
 タバサの頭が食いちぎられる、そんなぞっとする未来は、五蔵の破魔矢で何とか回避された。
 蛇の口ような触手と、タバサの右腕に巻き付いた紅いタコ足が胡散霧消した。
 自由になった右手の剣をふるい、タバサは地面に落ちてきた。
 そのタバサをカル‐エルが受け止める。

「駄目だ、きりがない。いったん引くぞ」
 リリーが叫んで、戦士たちが戻ってくる。

 紅い触手は弱るどころかますます増殖していた。
 太い鉄の檻を曲げるように霊廟からせり出してきているのだった。

「破魔矢で本体を攻撃するには、あの触手を一部分でも焼き払うしかない。我らが一体となってあいつに穴をあける。その時を狙って射るがよい」
 ガイルズ師が五蔵に言った。そしてロイナース師に向かう。
「ロイナースよ。後を頼む。どうせ我らはすでに死んだ身だ」
 言われたロイナース師は一瞬目を見張るが、ガイルズ師の言葉に納得したようにうなずいた。
「生命魔力変換術か。わかった後のことは私が何とかする」
 
 ロイナース師の言葉の後、ガイルズ、クボタ、アーノルド師らはひと塊になり、その姿が光球で覆われだした。
 生命魔力変換術とは、魔力がなくなったときに、残りの生命力をすべて魔力に変えることだ。要するに自爆攻撃の事で、その攻撃の後は確実な死が待っている。

「では、私も残りの法力をすべてかけて放ちます」五蔵の声だ。
 五蔵を見ると、彼は三本の矢を束ねてぐっと弓を引き絞っていた。
 固く結んだ口元がりりしいなあ。でも額には汗もかいているし、五蔵にとっても苦しい戦いの様だった。
 彼でも、ここまで手こずるとは思ってなかったのだろう。

 ガイルズ、クボタ、アーノルド師の光球がゆっくり浮かび上がり、加速して紅の触手に激突した。青白い光が燃えて、紅の触手に穴が開いた。
 今だ! 僕の心の中の声に呼応するように、五蔵の破魔矢がその黒い穴に吸い込まれるように放たれた。

 ずずんと全身を揺さぶるような地響きがして、紅の触手が黒い煙になって空間の奥に消えていく。
 やったか、ロイナース師の叫びが聞こえた。

 霊廟からせり出して、そこを囲う檻を捻じ曲げていた触手の群れは消えていた。


 66 時空封印


 終わった。
 紅の触手は封印され、ダイナロスの中に戻ったのだ。
 五蔵を見ると、法力を限界まで放出してへたばっていた。
 僕はリリーたちとともに、霊廟の中を覗きに行ってみた。

 薄暗い霊廟の奥の祠に、縦に長く時空の裂け目が見えた。
 後はこの裂け目を閉ざせばいいのか。
 魔晶石を使ったその術は、五蔵から受け継いで僕の中にある。
 五蔵は法力を使い果たしているから、最後の仕上げは僕の役割だ。
 
「魔晶石はありますか? 時空封印します」
 そばのロイナース師に言うと、すぐに取り寄せてくれた。
 水晶のような透き通った、少し青みがかったピンポン球くらいの球体だった。
 
 僕はそれを持って時空の亀裂の前に立つ。
 後ろでは仲間みんなが僕の一挙手一投足に注目している。
 いいなあ。なんだかこの冒険物語の主役になった気分だ。
 ちょっとリリーに悪いなって思った。

 僕は魔晶石を左手で頭上に掲げて、呪文を唱える。
 そして右手で大げさに印を切る。
 本当はこんな仕草は不要なんだけど、やっぱり見た目も大事なのだ。

 パシッと電気がショートするみたいな音がして、時空の裂け目が光りだした。
 三メートルくらいあった裂け目の両側が、少しずつ縮まっていく。
 じわじわと裂け目が小さくなる。
 残り1メートル。

 そして残り30センチになった。
 いよいよ最後だ。
 これで、犠牲になって死んでいったガイルズ師たちも浮かばれるだろう。

 しかし、事はそう都合よくいかなかった。
 縮小していた裂け目が、ピタリと止まったのだ。

 紅い指ががっしりと向こうから裂け目を掴み、引き開けようとしている。
 今度は逆に向こうから裂け目が開かれようとしていた。
 僕はもう一度呪文を唱える。しかし、向こうの力のほうが強いようだった。

「だめです。向こうから開かれる」
 僕は言いながら一歩退いた。
 グイグイと裂け目が拡がり、その隙間は徐々に大きくなっていく。
 そして、皆が恐れ注目するうちに、その隙間から紅い大男が現れた。
 燃えるような炎をまとう男は、があっと呻くと、我はサタノス、と叫んだ。

 その怪物の胸を狙った矢が、パンとはらわれた。
 リズが放った矢だった。
 九戒が曲刀を叩きこむも、刃を握られて投げ飛ばされる。
 巨体の九戒が風船みたいに投げ飛ばされた。
 へたばっていた五蔵も駆けつけてきてくれたが、彼にもどうすることもできないようだった。
 もうこうなったら最後の手段しかない。
 そうしないとこのままでは皆が犠牲になってしまう。

「みんな、手を出さないで。ぼくに任せてください」
 僕はそう言うと、紅い巨人の前に飛び出る。
 そして後ろ向きになってローブをまくった。
 魅了の術が効くような相手ではないと思ったけど、最初にガイルズ師がそうしろと言っていたのだ。
 
 ぐふっと唸った怪物の太い腕が僕の腰をつかむ。
 心配そうに見守る仲間たちの前で、僕はその怪物にお尻を犯されていく。
 怪物の肉棒がぬるりと僕の中に入ってきた。
 同時にそいつの身体から出た触手が僕のペニスを包み込む。

「ジュン、駄目だ。もっとエネルギー充填しなきゃ」
 カオルが悲痛な声を上げた。
 
 超人カル-エルと九戒の精を貰いたかったのだけど、すでに遅い。
 今はさすがにそんな余裕はないのだ。
 
 くくう、とたんにペニスからとお尻からの快感が持ち上がってくる。
 ゴリゴリの肉棒が僕を犯しているが、これは僕を速やかに射精させるためのもので、僕を本当の意味で犯すつもりはないのだ。
 なんとなくわかった。
 この怪物は僕の精を限界まで絞りとって、さらに命まで吸い取るつもりなのだ。

 あ、あ、あ、いく。いってしまう。最初の一回目を怪物の触手の中に放つ。

「あ、怪物の色が変わってるぞ」
 リリーが言うのが聞こえた。
 見ると僕を束縛している怪物の腕が、真紅から赤が明るくなってピンクに近づいているのだった。
 エクスタシーを無理やり感じさせられているうちに、僕の意識は夢見心地になっていく。
 
 目の前で見守っていた仲間たちの姿は消えて、僕は宙に浮いているようだった。
 光はないのに闇でもない。全くの無の空間だ。
 そして何かの意識に触れた。恐怖、そして悲哀。

 支配から脱却する渇望、恐怖心は自身の意識が吸い込まれることから来るようだった。
 これはサタノスの心なのか。
 ガイルズ師は紅の触手をダイナロスの中に出来た癌細胞だと語ったが、その癌細胞には意識があったのだ。


 67 男の娘サキュバスの石像


 僕は何もない空間で、紅の怪物、サタノスと抱き合っていた。
 僕の精を吸収したせいか、サタノスの紅色は薄くなり、人間と変わらないくらいになっている。
 僕のペニスに吸い付いていた触手も今はなくなり、普通の人間と抱き合っているようだった。

 ややつり目が印象的だけど、クールなイケメンのマッチョな男だ。
 その彼のものが僕のお尻の中で荒れ狂う。
 あ、あ、とその快感に僕は声を抑えることができなかった。

 両足を思い切り持ち上げられて、彼のものが深くまで入ってくる。
 彼が顔を近づけてキスをしてきた。舌を絡めて、頭がしびれるようなキスをする。
 
 ダイナロスのしもべたちか。我はまだ負けない。いったんは眠るが再びこの世界に現れようぞ。それまで、お前の中で眠ることにしよう。
 ダイナロスの目を逃れるためにはそれが一番いいようだからな。

 声にならない言葉が僕の頭に響いた。
 僕の中で眠る?
 それはいったいどういう事だろう。

 その疑問はすぐに解けることになった。
 彼の動きが早くなり、腰がづんづんと僕のお尻を貫くように動く。
 そして、彼の精が僕の中に思い切りドクンドクンと発射されたのだった。

 僕の精も生命もすべてを吸い取って、正常なダイナロスに治癒するはずだったのに、最後にサタノスの知性は、生き残る方法を見つけたのだ。

 僕の中に新しい光、黒い光が灯る。
 その光はお尻から始まり、下腹部から心臓に、両手足にとゆっくり染み渡っていく。
 それを止めることは僕には不可能だった。

 
 光を感じて眠りから覚める。
 すぐに頬の痛みも感じ始めた。
 元の世界なのか?

「起きろ、ジュン、起きろ」
 目を開けると、リリーだった。リリーの膝の上で目をあけたようだ。
 元の世界に戻ることはできなかったか。

「良かった。ジュン、生きてるぞ」
 リリーが振り返って仲間に告げている。
 わあっと歓声が上がった。

 僕は、なにか夢を見ていたような変な感じがしていた。
 怪物になにか話しかけられた気がするけど、思い出せないのだ。
 上体を起こすと、仲間たち皆の嬉しそうな顔が僕の周りを囲んでいた。
 
「紅の触手はどうなりました?」
 僕は近くの五蔵に聞いた。

「ダイナロスのもとに戻ったみたいです。時空の裂け目も綺麗さっぱりなくなりましたよ。ジュンのお手柄です」
 五蔵の指差す祠を見ると、そこにはこの寺院の神の石像が、厳かな顔をして静かに立っているだけだった。

 起き上がり、僕は霊廟を出て中庭に立ってみた。
 冷たい空気を胸いっぱい吸い込んでみる。
 意識がスッキリ冴えていくようだった。
 生死の境をさまよったような感じはどこにもなかった。
 すでに西の空が赤くなって一日の終わりを示している。

「感謝するぞ、ジュン。もちろん皆にも感謝してるがな。ここにジュンの石像をたてることにしよう。お前のことは、この寺院でこれから永久に語り継がれるだろう」
 ロイナース師が僕の横に立って言った。

「石像、いいね。どんなポーズがいいかな」
 リズが好奇心からそんなことを言ってる。

 ポーズか。魔導師の杖を左手に持って、右手を宙に向けて少し上を見上げた感じかな。
 僕がなんとなくポーズをとっていると、リリーが笑いながら言った。

「そんなの決まってるだろ。後ろ向いてお尻つきだしてローブめくってるポーズだ。タイトルは、淫乱ケツマン波で世界を救った淫乱男の娘サキュバス-ジュンっての」
 リリーの言葉に周りの皆が笑う。

 そういえば、カル-エルとカオルの姿が見えなかった。
 それを聞くと、
「二人はサタノスが消えるときに一緒に消えていったよ。別れを言う時間はあったから、お前によろしくって言ってた」
 リリーが教えてくれた。

 そこは予想通りか。だとしたら、桃太郎やこの世界に召喚されていた他の者達も、それぞれ自分の世界に戻っていったのだろう。

 でも、どうして僕はここに残ったのだろうか。
 それを聞くと、五蔵は言った。
「多分、サタノスの力よりも大きなパワーをジュンが蓄えていたからでしょう。ジュンの方が弱かったら完全に消滅したでしょうから、元の世界に戻るのは最初から難しかったかもしれませんね」
 
 この時僕は知らなかったのだけど、僕がこの世界に残ったのはサタノスの力だったのだ。
 僕の身体奥深くに浸透してしまったサタノスの能力だ。
 でも、僕の中のサタノスが目覚めるのは、まだずっと先の話になる。

 僕らは並んで、暮れゆく西の空を見ていた。
 そういえば、五蔵の話では僕とリリーのこの冒険も、どこか別の世界ではアニメや小説になってるかもしれないんだった。

 どこか別の世界で、僕と仲間たちを見守っていた誰か、縁があったらまた会おう。


 異世界転生-男の娘/僕はこの世界でどう生きるか  おわり

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