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保健師の転職【小さな村→大企業】

 こんにちは、保健師のたむらです。
 私は7月まで人口千人の小さな田舎村で行政保健師をしていました。そして、先月から従業員数千人の大企業の産業保健師になりました。
今日は短いながらも行政保健師として勤務した経験や、保健師の転職について、産業保健師として働き始めた所感などについてお話したいと思います。

新卒で過疎地域の保健師に

 私は大学を卒業してすぐに保健師になりました。看護系大学で保健師資格を取得するためには、保健師コースを専攻し(私の大学では1学年あたり2割が定員でした)、看護師の国家試験とともに保健師国家試験に合格する必要があります。保健師資格を取得したからといっても看護学生の多くは新卒で保健師になる人はほとんどいなくて、まずは看護師を経験してから保健師になるという人がほとんどです。私が卒業した時も保健師になったのは私ひとりだけでした。私は当初から自分には看護師はできないと諦めており、のんびりと仕事をしたいという理由で過疎地域で働くことを決めました。以下は保健師に憧れるけど、まずは看護師になった方が良いのかな?と悩む看護学生さん向けに書いた記事です。

”へき地”の保健師活動

 新米保健師の私が就職したのは県内最小の自治体です。それも”へき地”で、高齢化率も50%弱と、限界集落一歩手前の小さな村です。コンビニやスーパーはなく、医療機関や福祉サービスすら限られた環境です。こうした自治体で保健師に求められるのは幅広い知識とスキルです。大きな自治体では地区担当制、業務分担制を採用していますが、小さな自治体では業務や地区の分担は関係なく、幅広い保健活動を行います。
 へき地での保健活動についてまとめた記事もありますのでご覧ください。 

 事例件数自体は少ないものの、マンパワーもソーシャルキャピタルも限られた環境の中では、苦労が多く、プライベートも多々犠牲にしてきました。一方で、5年目の夏に退職をするまで経験年数から考えられないような裁量権を与えてもらい、保健師の幅にとらわれない様々な経験ができました。結果的にはへき地の行政保健師を経験しておいてよかったと思っています。

保健師の転職活動


 転職を決意したのは退職をする1年前でした。しかし、そこから半年間は何をしたいのかをただ模索していました。独立を目指していましたが、経験の浅い自分には何ができるのか、何から始めたら良いのかまったく分からず、かといって行政保健師にはなりたくなかったので、学生時代に少し興味をひかれた産業保健師になることに決めました。
 それからは産業保健総合支援センターに相談しましたが求人情報はありませんでした。産業保健師はポストが少なかったり、派遣会社にだけ求人を出すケースも多いため求人がありませんでした。
 そこで(友達に言うとかなり驚かれるのですが)県内の企業をリストアップし、採用担当窓口に保健師を募集していないか片っ端からメールをしていきました。こうして運良く産業保健体制を新たに築いていくという企業とのマッチングに成功しました。

大企業の保健師になって1か月の所感

 私が勤務する企業は産業保健体制の構築段階ということで、筋書きができていないこともあり何もかも手探り状態です。
 行政保健師との違いとして痛感するのはサポート体制の薄さです。自治体に勤務していたころは都道府県が研修会を開催してくれたり、近隣自治体との交流がありサポートをしてもらっていましたが、企業では能動的に動かないと有益な情報にたどり着けないことが多いです。また、健診結果データに関しても、まだシステムが導入されていないためエクセルを使って自分で分析をしないといけません。自治体の国保データベースシステムがかなり使いやすかったなあと思います。
 一方で、従業員向けの情報発信は自由度が高く、テーマだけでなく、メルマガや、講義形式、動画などの媒体の選択肢も広くなりました。自分なりの保健師活動を行っていけることにワクワクします。

はやく一人前の保健師になれるよう頑張ります!

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