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  僕は凡ゆる精神的、身体的不安定も愛によってのみ解決できると確信している。キルケゴールは死へと至らしめる病が絶望であると云う。絶望は確かに死へと誘う。それ程のものが絶望なる表現には蔵している。絶望には薬なんか効かない!絶望には金銭なんて効かない。金は覚醒剤に過ぎぬ。絶望は愛によってのみ救われる。それは形而上であれ形而下であれ、恋人であれ、家族であれ、自然であれ。そこに愛すべきものが見出される時、絶望は雲散霧消し、希望の曙光が私達を照らす。
 愛の欠如はアーレントが警鐘した孤立の苦悩である。孤立された自我は肥大し破裂する。自我が愛によって超克されることがないからだ。
マダム・ボヴァリーも、オフィーリアもそれが為に自害したであろう。
 ああもしかしたら、僕の苦悩なんて本当はそれだけなのかもしれない。
だから、若さに、見た目に拘る。ラスコーリニコフがソーニャの愛を掴んだように。僕には年相応の地位も、責任も、家族もないのだから。愛も綺麗事では無い。
山崎富栄はいっていた。私ばかり幸せになってごめんなさい、と。

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