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あのひかりの中

映画「怪物」を観ました

わからないのだけどでも足にちからがはいらない 全身が脱力しきっている 
覚えていてもいなくてもいいけれど自分は今ここにいて、規則正しすぎるマンションの照明やそのとなりのマンションのまばらで濃淡のある照明やもう何を照らしてるのかわからない人気のないなんとかセンターの街灯や車や自転車の往来をみている 動けるけど動きたくないけどやっぱりいまの暗闇に心地よさを感じているのかもわからなくて
ああそうだ懐かしかったんだな 私はあの音楽に泣いたのかもしれない 一音一音が水滴が落ちた水面みたいに広がる広がる光とかやっぱりうそとかを覚えているなああそうだ、トロンボーンと、ホルンの音 その音だったのだな だから そういう響きをもっていたのだね 声がからから もうわからない
盛大に酔いしれてる 自分はこれでいいのかもわからない 何を見たって確かな、確信を得ることができないただ ただふわりと動きたくなったり動きたくなくなったりしている 動きたくない


ひとことでいうならば、出発の映画だった
大人たちに見つけられずあのひかりの中へ行けたこと わたしはこの話を肯定したい

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