ギリシャ神話の話1 神々の系譜

前文

前回の記事で「次回はいよいよクロノスについて、ちぇけらー」とか言いましたが、クロノスについての記事をまとめていくうちに「あれ?これギリシャ神話の神様の予備知識として世代が分からないと、何も分からないんじゃ・・・?」と思い、急遽当記事を書くことにする。

今回はギリシャ神話の神様って大きく分けて第一世代、第二世代、第三世代(+α)がそれぞれどうやって生まれたのか、それぞれにどういった繋がりがあるのか、を簡単にざらざらーっと説明する。

また神話の世界の記事でも述べたが神話は書いた人、書かれた時代、書かれた地域によって神様の性格が違ってたりしますし、エピソードひとつとっても解釈が無限大にあります。
それどころか神様の名前も違ってたりする。「ヘファイストス」だったり「ヘパーイストス」だったり「ブサ面界の星」だったり。統一は特にされてません。
前提としてあくまで「私が知るギリシャ神話の世界」の話であり、他の方や偉い先生はまた違った解釈での話をされるかもしれませんが、神話の世界を直接見た人がいない以上絶対の正解が無い話ということを頭の片隅に置いて読んでくれるとハッピーです。

前置きが長くなりましたがまずは三世代について。

ギリシャ神話の三世代

ここを長く解説すると次以降の節がいらなくなりそうなので、かいつまんで短くなるたけ冗長にならずに説明します。
第一世代はカオスから始まり、大地や空、夜なんかの事象自体をつかさどる神様。
第二世代は第一世代のウラノス・ガイアから生まれた世代。まとめてティタン神族と呼ばれたりする。
第三世代は第二世代のクロノス・レアーから生まれた世代。みんなも知ってるオリュンポス十二神もここ。

第一世代 原初の神

原初神たちは人格(神格?)がある人型っぽい感じもすれば、空間・事象そのものを指していたりで、人型だったり環境だったり場面によって立ち位置が変わる。
最初期はカオスから神が生まれていったが、カオスから産まれたエロス神のエロスパワーでなんやかんやあって、神と神同士でも子が成せるようになった。
その結果大地の神ガイアと天空の神ウラノスによってクロノス率いるティタン12柱が産まれた。

この世代全員強そうなのに後にクロノス率いる子供世代にボコられる悲劇が待ってる。

第二世代 ティタン神族

巨躯でありとても力強くその武を持って父王ウラノスから王位を簒奪したクロノス神を筆頭にした世代。
中心となった神をティタン12柱と呼んだ。またそれ以外にも彼らの子ども達をティタン神族と呼ぶこともある。
後にクロノスとレアーの子供(と孫)たち『オリュンポス十二神』と王の座を賭けて世界中を巻き込んだ戦争を起こす。
現在は地底奥深くのタルタロスに封じ込められていて、彼らが暴れると地震が起きると考えられている。

第三世代 オリュンポス十二神

ギリシャ神話界のオールスター軍団。ウラノス知らなくてもゼウスはみんな知っている。

  • ゼウス

  • ヘラ

  • アテナ

  • アポロン

  • アプロディテ

  • アレス

  • アルテミス

  • デメテル

  • ヘファイストス

  • ヘルメス

  • ポセイドン

  • ヘスティア

が十二神にあたる。
諸説は一応あるらしい。ヘスティアじゃなくてディオニュソスが入ってたり。
ゼウスやポセイドンと同じ兄弟のハデスは入ってない

ギリシャ神話の数々にほぼ十二神の誰かしらが登場する。
神々同士の話では人間臭く茶目っ気があり、神と人の話では人側から見たら横暴で我儘、そんな物語にし甲斐のある魅力溢れる面々。

封神された半神半人

他にも上記神族には入らないが、人界で活躍した半神半人の英雄は星座として掲げられ名を残すことがある。

  • 赤ちゃんの頃から最強の男『ヘラクレス』

  • 円盤投げたら父王に刺さった『ペルセウス』

  • シスコンアポロン妹神を心配した兄神に嫉妬され恋人の妹神にうっかり射殺された『オリオン』

などなど
こちらも各神様に負けず劣らずのおもしろ話がたくさんあるのでいつか個別で紹介する予定です。


「蛇などこの最強の男ヘラクレスには朝飯も同然よ」
と言わんばかりのヘラクレス

時間軸はよく分からない

どういった世界線で話が進んでるのかがよく分からなくなるのがギリシャ神話の世界。
ついこないだまで修業中だったはずのヘラクレスが何故か地獄に遊びに行ってたり、天界で戦争に参加してたりとヤードラット聖人に瞬間移動でも習ったんかってくらい転々としてる。
なので時間軸に関してはTV版と並行してやってる劇場版くらいで考えれば「あーきっとあれとあれの間でやってたのね」くらいの曖昧さで楽しめる。

「なんせ作者が多数過ぎるからか整合性が・・・」とか言い出すと楽しみが薄れるので非常にもったいない。
なんとなくこの辺であったんだろうなと思って、古代ギリシャ人くらいのんびりした思考で曖昧な世界を曖昧に楽しみましょう。

次回はギリシャ神話界で二大戦争の『ティタノマキア』と『ギガントマキア』で会いましょう。

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