【雑記】秋野ハルと朝日記

きっかけ


私は趣味で小説を描いてるのですが、一時期めちゃくちゃスランプでなに書いてもおもろくない時期が年単位で続いていました。

そんな中、2021年の初秋くらいだったかな? 『ずっとやりたかったことを、やりなさい』という本と出会いまして。

ざっくり説明すると、創作意欲がなくなった(あるいは持てなかった)人に向けて『自分の過去を掘り下げて→創作意欲の根源を探って→創作に前向きな人生を送ろう』みたいな創作者向け自己啓発本です。

10週間分くらいのカリキュラムを組んで創作意欲を取り戻そうみたいな本で、そのカリキュラムを……私はたしか2,3週間くらいで止めちゃったわけですね。3日坊主ならぬ3週間坊主!

まー単純に面倒だったとか掘り下げる過去がないとか色々理由があったと思うけど、一番の理由はすでに創作意欲が戻ってきていたから。カリキュラムやるくらいならその時間でなんか書くわって感じだったよーな。

さてはてそんなおサボりによって本棚の肥やしとなったこの本ですが、そこに書かれていた中で唯一今でも続けているものがありまして。

それがモーニングノートっちゅーやつです。

要は『朝の15分くらいを使って、今思っていることをそのまま書こう』という試みで、そいつが今回の主題なんですが、個人的な好き好みによりここからは朝日記と呼ばせてもらいます。タイトル回収であります。

そんで今回はその朝日記を続けてみて、自分の中で変わったものを書き起こしてみようというお話です。

秋野ハルと忘れがちな思い出

突然だけど、私には過去が少ない。
……というとえらい意味深な言い方だけど、飾らない言い方をすれば単にめちゃくちゃ忘れっぽい人間なんですよね自分って。
例えば昔馴染みや家族なんかと思い出話に花を咲かせていても、そんなことあった! と共感することよりも、そんなことあったっけ!? と驚くことの方が多い気がします。いやー、まじでよくみんな担任の名前とか覚えてるよね。

そんな薄情な人間なので、過去の話を明瞭に語れる人を見ると「過去のある人はうらやましいなぁ」などと、自分でもとんちんかんだと思う羨望を覚えたりもするのです。

そして振り返るような過去がないゆえに、『過去を振り返る』ことを自己啓発の根幹とする例の本にあまり意味を感じなかった……ような気がします(すでにおぼろげな記憶)。

そして、だからこそ。日記という形で、それも朝起きた直後に過去を書き残すという行いがこれまでになく新鮮で、面白く、続ける意味を感じられたのかもしれません。

朝に日記を書く理由

たぶん大半の人が『日記とは夜に書くものである』というイメージを持っているのではないでしょうか。実際、振り返るなら早ければ早いほうが鮮度の良い日記になるのが道理と言うものです。

しかしこの日記の効能は、むしろ「昨日なにがあったっけ?」と鮮度の落ちた記憶を振り返ることにあるのだと思います。(ちゅーか例の本にもそこらへん書いてあった気がするんだけど、読み返すのめんどいし主題ともズレるので私の体感だけで語るのであーる)

人は反復することで記憶をより強固にする……みたいな話をどこかで聞いたことある気がします。それが嘘か真か知らないけれど、あえて記憶が鮮明なうちに日記を書かないことが、一晩経ってからあーだこーだと思い出しながら書く労力が、そのときの思い出を深く記憶する手助けになっている。そんな実感がひとつあります。

それに、一晩経つと人間わりと冷静になりますね。当時がどれだけ浮かれていても、逆に凹んでいても、寝て起きればいくらか客観視ができるようになります。そうすれば新しい物の見方ができるかもしれないし、そのときの閃きだって目の前の日記帳に書けばいいわけです。

なんならべつに、昨日を振り返らなくてもいいのです。寝る前の妄想。夢に見たこと。あるいは「今日やるべきことってなんだっけ?」を纏めてもいい。そういうのだって言ってしまえば過去の思考を反芻して、記憶する行為となります。

とにかく直近の大事な過去を思い出して、形にしておく。それが肝要。一晩かけて頭の中に溜まったそれをアウトプットすると、なんだかスッキリするのです。今度は未来に考えが向いて、今日も一日やったろうって気分になるのです。しかし吐き出すことで記憶に残すってなんだか不思議ですね、人体。

とにもかくにも昨日こういうことを思った。だから今日はこうやって生きよう。そうして一つずつ刻んでいくには、どうも朝の起き抜けに書くのがちょうど良いみたいなのです。

半年くらい続けて、思うこと

さて。先述した通り例の本のカリキュラム自体はすぐに止めてしまったけれど、朝日記は2021年9月26日から(ほぼほぼ)毎日欠かさず続けています。
だからといって、傍から見れば私はなにも変わっていないのだと思います。億万長者になったわけでもないし、モテモテになったわけでもないです。

でも私の中では色んなことが変わりました。この半年の間に初めての1人暮らしを始めたし、もっと小説を描きたいと思える出来事に巡り会えたし、初めてのキャンプもしたし、noteを始めたし、他にも色々振り返れることがあって、それらは全部日記という確かな形で残っています。
べつに朝日記を始めたから運気が向いてきたとかそういう怪しげなことを言うつもりはありません。
ただ、今まで見送るばかりだった過去をちゃんと書き残すようになってから、自分はきっと前よりも欲が出てきたのだと思います。
こんな楽しいことがあったんだと日記に残すようになって、どんな楽しいことがあったっけ? と振り返るようになって、もっと楽しく生きたい。そう願うようになってきた自覚があります。

それに、細かいことに目を向けるようにもなりました。今日はこんな料理を作ったとか、お風呂が気持ちよかったとか、毎日のささやかな楽しみも書き残すようになって、そういったことが今度は友人との話題の種にもなるのです。

なにもない人間だから、話せることがなにもない。そう思っていたけれど。どうやら案外そうでもないらしい。分かってからは、人と話すのが前よりも楽しくなってきました。

そんなわけでこの習慣は、ひとまず明日からも続けていこうと思います。こうして日記帳のページを1枚ずつ埋めていったその先に、また新しい”楽しい”が待っていると信じて。

追記:なにかを書き残すということを

noteを始めた理由はとあるゲームの感想を書くためだったけど、その根源を辿れば『自分が良いと思ったことを残しておきたい』『文字を書くことを習慣づけたい』ということだったはず。
でも結局ちょろっと数本書いて以来なにかと忙しくnoteの方はすっかりおサボりになってしまったわけで、こりゃあ良くない。
なので当初の目的を果たすべく、そして自分の気分転換のために、これからはこういうちょっとした雑記(※)を『秋野ハルと○○』と題して不定期に書いていこうと思うのです。
そもそもこの記事を誰が見てるかも謎だけど、誰のためでもなく自分のために書き残しておきましょう。まぁこれもほぼほぼ日記みたいなもんだしな、うむ!

※『雑記』ってなんかこう、実はその意味を知ってるようで知らない単語ベスト10くらいには入る気がする。少なくとも私はそうだったんだけど、使い方あってるかな?
雑記(ざっき)の意味 - goo国語辞書


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