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複雑なまま描く|松村圭一郎・中川理・石井美保 編『文化人類学の思考法』#読書記録2023

今週はこれ。

前に読んだ松村さんの『くらしのアナキズム』がおもしろかったから同じ著者つながりで。あと、私が修士の研究しているときに「岸本さんの研究方法は文化人類学っぽい感じだよね」って先生に言われたのが頭に残ってて、文化人類学のこともっと知りたいなと思って読んでみた。

はじめにで、文化人類学は「要素を限定して枠組みを狭めて考えようとする」のではなく、「どんどん要素を増やして複雑さに満ちた世界そのものを描き出そうとする」「フィールドの人びとも私たちも、・・・いろんなことを簡単には切り分けられない、ひとつの生をいきているのだから」とあって、あーまさに私がやりたかったこと・やろうとがんばってたことじゃん、と思った。

各章は貨幣、国家、科学とかいろんな切り口で、あたりまえに思っていることが決してそうではないことを思考していく感じだった。玉野井先生の本読んでからそのへんは個人的に当たり前でなくなってたから新鮮さはあまりなかったけど、うんうんそうだよねって思いながら読んでた。

「呪術と科学」の章がおもしろくて、「科学的事実は、より長いネットワークによって支えられ、そこにより短いネットワークに支えられた柔らかい事実が入り込むと、『擬似科学』や『非合理』や『呪術』といったレッテルを貼って排除しようとする動きが生じる」っていうのが、有機農業もそういう側面あるかもなぁと思って読んでいた。

文化人類学の本、引き続きいくつか読みたい。ポランニーかなぁ。

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