岸本華果

広島大学大学院人間社会科学研究科マネジメントプログラムの博士課程で文化人類学を学びつつ…

岸本華果

広島大学大学院人間社会科学研究科マネジメントプログラムの博士課程で文化人類学を学びつつ、食と農の地域自給・循環の研究←雨風太陽(ポケマル)←農学修士←東大農学部←静岡・京都|玉野井芳郎の生命系の経済・地域主義|広島市と熊本市の二拠点生活

マガジン

  • 旅の記録

    いろんな場所に行って人と出会って考えたことの記録

  • 読書の記録

    読んだ本の感想を投稿していきます。

  • フェロー岸本華果のnote_foodskole

    • 11本

    東京大学農学生命科学研究科農学国際専攻修士1年の岸本華果さん。「農業を通して消費スタイルや暮らしを良いものにしたい」と考えつづける岸本さんがいろいろとnoteに書いています。

最近の記事

  • 固定された記事

修論の振り返り|食と農から「生命系の経済」を志向する取り組みに関する事例研究

先々週に発表会と先週に最終稿提出があって、修論が無事に終わった。私が大学と大学院の6年間で学んで考えてきたことと、これからどこに向かおうとしているのかを形にしたものになった気がする。 下に修論の内容とか考えたことをざっくり書いたけど、もし興味持ってくださった方いれば、本文お送りできるので、ご連絡くださいませ! 私の問題意識私は途上国の貧困問題をなんとかできたらいいなと思って大学に入って、どうして問題が生じるのか、どうしたら解決できるのかにずっと興味があった。 最初は途上

    • 【開催レポート】倒れた稲を起こし🌾山できのこを探した🍄伊那の里山暮らし体験ツアー

      2024年9月7日〜8日で、「地域自給を考える 里山暮らし体験ツアーin長野県伊那市」を開催しました。東京から20〜40代の男女5名が参加してくださり、宇野俊輔さんが立ち上げた食べる人・つくる人が共に作物を育てる会員制自給グループ「LURA(Linkage of Urban and Rural lives by Agriculture)の会*1」や里山の暮らしについて、知って感じてもらいました。 高遠のまちを散策、名物の高遠そばを堪能🌸1日目は茅野駅(新宿から特急あずさで2

      • 10月から広島大学大学院の博士課程へ進学します!👩‍🎓

        10月から広島大学大学院人間社会科学研究科マネジメントプログラムの博士課程に進学することになりました!文化人類学が専門の松嶋健先生のもとで、食と農の地域自給・循環をテーマに研究予定です。 5月末に雨風太陽を退職してから4ヶ月(有休消化も含めると約半年!)のながーいお休み期間を経て、やっと、次のステップに進みます。 お休み期間中していたこと出願が6月,7月で、試験が8月だったから、大半の時間を研究計画書の作成、試験勉強、研究支援金の申請書類に費やした気がする。あとは会いたい人

        • 海苔ができるまで🍙|邦美丸さん訪問レポート

          少し前だけど、5/23に岡山県玉野市の胸上という地区で漁師をされている富永さんご夫婦にお会いしてきた!注文を受けてから漁に行く「受注漁」という取り組みをされていてすごく話題の方なのだけど、海苔漁師でもあって、海苔の作業がない時期に漁をしている。海苔の生産現場を見るのは今回初めてで、海苔ってこんな風にできるのか!とめちゃくちゃおもしろかったので、以下そのレポート✍️ 海苔の成長1. 網に種をつける まず、海苔は胞子で繁殖するらしい。ここですでに驚きだった…!海苔の網をつくっ

        • 固定された記事

        修論の振り返り|食と農から「生命系の経済」を志向する取り組みに関する事例研究

        マガジン

        • 旅の記録
          20本
        • 読書の記録
          5本
        • フェロー岸本華果のnote_foodskole
          11本

        記事

          【9/7,8開催】地域自給を考える 里山暮らし体験ツアーin長野県伊那市

          私が修論でも取り上げた、長野県伊那市の宇野俊輔さんを訪れるツアーを企画しました!有機農業を営みながら、会員制自給グループ「LURA(Linkage of Urban and Rural lives by Agriculture)の会」を立ち上げ、食べる人・つくる人が共に作物を育て、自分ごととして支える仕組みづくりをされています。 伊那の里山の暮らしを体験しつつ、地域・コミュニティで自給すること、すなわち、自分たちの食べものや暮らしを自分たち自身でつくっていくということについ

          【9/7,8開催】地域自給を考える 里山暮らし体験ツアーin長野県伊那市

          "施設化"のロジックから飛び出す|旅する大学5@智頭

          5/25-27に「旅する大学」で鳥取県の智頭町へ。企画運営の中心となってくださった加藤翼さんは、雨風太陽の前身でもある東北食べる通信でのインターンをきっかけに一次産業に関心を持ち、京大を卒業して新卒で智頭町、そして林業の世界に飛び込んだ方。文化人類学者の松村圭一郎さん、松嶋健さん、歴史学者の藤原辰史さん、トビムシの竹本吉輝さんと共に、智頭のまちや山をめぐった。プログラムとしてはこんな感じ。 今回の旅する大学は、新卒から2年間働いた会社を退職することを決めて有休消化中、間もな

          "施設化"のロジックから飛び出す|旅する大学5@智頭

          環境社会学会@京都 に参加してきた

          この週末は京都教育大で開催の環境社会学会へ。 ・地域社会における軍事化の浸透と抗いの可能性 ・脱炭素に関わるドミナントストーリーと環境社会学―洋上風力発電を事例に― というセッションに参加した。 軍事化の方は沖縄の普天間・辺野、馬毛島、京丹後の宇川の話とかが出てきた。聞いてて苦しかった。国防については国と地方の権限に差があるし、意思決定に住民が参加できない。急に外から話がやってきて、反対しないと賛成していると解釈されてしまうので、抗ったところでとめられるかはわからないけれ

          環境社会学会@京都 に参加してきた

          日本文化人類学会@北大に参加してきた

          この週末は北大で開催の日本文化人類学会へ。めっちゃ勉強になった。無職な中でなかなかの出費だったけど笑、行ってよかった。 発表テーマが本当にいろいろで、聴けた発表だけでも(何個も並行してやってる)、アイヌ、原爆、ハンセン病、水俣、ホロコースト、葬送行為、仮埋葬・震災、パプアニューギニア・月経処理、江戸時代・遊廓、東祖谷・給水システム、モザンビーク・結婚観、フィリピン・気候アクティビズム・・・とかとか、扱っている対象や地域、事象がこんなにも多様。 あとはこれまで学んできた理系

          日本文化人類学会@北大に参加してきた

          糸島でフィールドワーク🚶‍♀️

          4/27,28でソフトな人類学〜裏・糸島フィールドワーク編〜 に参加してきた。 1日目はペアで糸島を歩きまわって、出会った人たちに話を聞き、2日目は見たものや聞いたことををみんなでシェアした。 人類学に興味があって、同じような興味の人たちと出会いたいなと思って参加したけれど、事前にレクチャーとかもあまりなくぽーんと放り出されるような感じだし、私は知らない人に声をかけるのがあまり得意じゃない(というか知ってる人でも迷惑じゃないかなーとかいちいち躊躇う…)ので、楽しめるかなー

          糸島でフィールドワーク🚶‍♀️

          雨風太陽を卒業します🌸

          5月末をもって雨風太陽を退職します。先週金曜日が最終出社日でした。 広報インターンとして約1年、企画推進部の自治体案件担当として約2年、本当にいろんな方にお世話になりました。ありがとうございました!! 生産と消費をつなぐことで社会は良くなっていくのでは?と考えていた大学生の頃、博之さんの講演でポケマルを知って、私の目指したい社会をこんなにも熱く目指している会社があるのかと、わくわくしたのをすごく覚えている。その後、ご縁があってインターン→新卒と、上場までの貴重な期間を一緒に

          雨風太陽を卒業します🌸

          分解者|旅する大学番外編?@広島

          出雲旅する大学で出会ったトビムシの竹本さん、文化人類学者の松嶋さんのお話を聞きに広島へ。 竹本さんとプライスレスという話をしていたけれど、絶対おもしろいってわかってるものがあったら、もう費用がどうこうとかじゃなくて。まさにプライスレス。旅する大学の友人たちとも思わぬ再会でうれしかった。 トビムシは分解者という一言目でもうビビッときた。 藤原辰史さんの『分解の哲学』の中で、経済学的には生産者と消費者に分けられるけど、生態学的には分解者もいて、今の社会には分解者が必要だよね、

          分解者|旅する大学番外編?@広島

          建築と農業がつながった|旅する大学4@小豆島

          9/13-14で旅する大学第4回@小豆島 に参加してきた。人類学者の松嶋健さん、歴史学者の藤原辰史さん、建築家の家成俊勝さんと共に小豆島を巡る学びの旅。第3回の出雲に続いて2回目の参加だった。 岡崎造船 小豆島はかつて海の交通の要所で、造船業が盛んだったそう。島に唯一残る造船所でヨット製造の様子を見学。 船を作るところなんて初めて見たけれど、型にFRP(繊維強化プラスチック)を貼ったり、船内の構造をつくるのに木材を加工したり、全部手作業なのがびっくりだった。 Umak

          建築と農業がつながった|旅する大学4@小豆島

          水俣から社会を、自分を、見つめ直す

          6,7,8月と3回、ずっと前から行きたかった水俣に行ってきた。 6月は資料館を見て、水俣食べる通信の諸橋賢一さんに水俣を案内してもらった。 7月は雨風太陽(ポケマル)の髙橋博之さんが車座に来て、水俣や周辺地域の人たちと交流した。私が水俣に強く関心をもつきっかけになった、緒方正人さんにお会いすることもできた。 8月は車座で出会った水俣impactの方々が主催するツアーにお邪魔してきた。 水俣については、ずっと4大公害病の一つ「水俣病」としてしか認識していなかったけど、数年前に

          水俣から社会を、自分を、見つめ直す

          日本のアマルフィ・雑賀崎

          4/11-14で和歌山県の雑賀崎へ。渚泊をやっている漁師の池田さんのところに、ポケマルスタッフでワーケーションに行ってきた! 雑賀崎の街並み 雑賀崎は「日本のアマルフィ」って呼ばれている特徴的な街。家と家が密集していて道も狭くて、坂というか崖に立っているから階段と坂道だらけで、街全体が迷路みたい。 空き地がちょこちょこあって、これは一度壊してしまうともう家は建てられないかららしい(現代の法律だとひっかかる)。これって、リノベとかではもうどうしようもないくらい建物の寿命が

          日本のアマルフィ・雑賀崎

          農民=百姓?|網野善彦『日本の歴史をよみなおす』#読書記録2023

          網野善彦の『日本の歴史を読み直す』をやっと読み終えた。歴史になじみがないから全体的に難しかったけど、貨幣・女性・農業あたりの話は多少知識もあったので理解しやすくておもしろかった。主に3つ。 1つ目は「百姓=農民」ではないという話が、ちょっと違う意味でなるほどだった。一般的には百姓=農民という認識だけど、実は海や山を生かして交易していたような人たちも含まれているという話だった。 私はなぜか逆に農民=百姓のイメージを持っていた。私の「農民」は消費者ではなく生産者な感じ。生きるた

          農民=百姓?|網野善彦『日本の歴史をよみなおす』#読書記録2023

          怒るの禁止|萩原紀行『野菜もひとも畑で育つ』#読書記録2023

          今週も引き続き網野善彦を読みつつ、のらくら農場の萩原さんの本を読んだ。おもしろくてすぐ読み終えちゃった。 全体を通して農業の奥深さを感じられるんだけど、農業にとどまらずあらゆる仕事に言える話も多くて(チーム作りとか仕事に取り組む姿勢とか)、自分の仕事のことを考えながら読んだ。 社会人になってからもうすぐ1年になるけど、受験勉強でも研究でも仕事でも、ある目的に向かってやるべきことを考えて日々のやることに落とし込んだり、仮説を持ってやってみて結果を振り返って修正してまたやって

          怒るの禁止|萩原紀行『野菜もひとも畑で育つ』#読書記録2023