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【開催レポート】倒れた稲を起こし🌾山できのこを探した🍄伊那の里山暮らし体験ツアー

2024年9月7日〜8日で、「地域自給を考える 里山暮らし体験ツアーin長野県伊那市」を開催しました。東京から20〜40代の男女5名が参加してくださり、宇野俊輔さんが立ち上げた食べる人・つくる人が共に作物を育てる会員制自給グループ「LURA(Linkage of Urban and Rural lives by Agriculture)の会*1」や里山の暮らしについて、知って感じてもらいました。

高遠のまちを散策、名物の高遠そばを堪能🌸

1日目は茅野駅(新宿から特急あずさで2時間半程度)に集合し、宇野さんの集落がある伊那市高遠町(たかとお)へ向かいました。

旧城下町である高遠町の雰囲気を感じながら、酒屋さんで夜の懇親会のお酒を選び、桜で有名な高遠城址公園を散策。

その後、蕎麦 きし野 にて高遠そばをいただきました。高遠そばは、焼き味噌と辛味大根で食べるという珍しいスタイル。みなさん初めてで驚いていました。でも、醤油が普及する前は、大根おろしのつゆに味噌を溶かして食べるのが一般的だったそう。

塩で食べるのもおすすめ。蕎麦の味をしっかり感じられます。

裸足で田んぼに入り、稲を起こす🌾

腹ごしらえをしたあとは田んぼへ。本当は畑で野菜の収穫を…と考えていましたが、数日前にサルが田んぼを荒らしてしまったそうで、急遽倒れた稲を起こす作業をLURAの会員さんとともにやることになりました。田んぼの両端から紐を張り、稲を1株ずつ立てかけていきました。裸足で入って、どろどろになりつつ、2時間ほどで完了!収穫よりもかえってリアルに農業や里山について感じてもらえたようでした。

before
after

その後はLURAの会の畑をご案内。どの圃場も「こんなところで農業しているの?!」というくらい山の中にあるのですが、山道やあちこちにある獣害対策の柵・ネットなどから、山間地での農業について感じてもらえたのではないかと思います。

温泉につかり♨️、夜ごはん🍺🍶

農作業で汗を流したあとは、信州高遠温泉さくらの湯へ。ここの温泉はめちゃくちゃとろっとろで気持ちいいです。

温泉の後は宇野さん宅に戻って夜ごはん。俊輔さんの奥さん順子さんが、LURAの会の畑で採れたお野菜でいろいろ用意してくださいました。宇野さん夫婦とLURAの会員さんたちと、おいしいごはんとおいしいお酒をいただきつつ、それぞれの自己紹介や参加動機、LURAの会や農業のことなど、日付が変わる頃までいろいろな話をしました。個人的には宇野さん夫婦の素敵な人柄がみなさんに伝わったことが嬉しかったです笑

宿泊は、宇野さんのお家のすぐ裏にある古民家です。今年に入って譲り受けて改修したばかり。囲炉裏やかまどがあって、めちゃくちゃ立派で素敵なところです。

きのこを探しに山へ🍄

2日目はLURAの会の会員さんたちときのこ狩り。宇野さんのご近所のきのこ名人、赤羽さんの案内で山に入りました。9月上旬だとまだ出始めであまり見つからないかもということでしたが、舗装されていないガタガタ道を車でぐんぐん進み(舗装ってありがたい…)、食べられるきのこが赤羽さんの目に留まると車を停めて(すごい)、周辺も探しました。

赤羽さん曰く、

  • きのこというくらいなので、木を見て探す

  • きのこの種類は時期や海抜によって違う

  • 厳しい環境になって、子孫を残そうとするときのこになる。ぬるい環境だと菌糸をのばすのみで胞子を飛ばそうとはしない。

  • 毒きのこは1つで生えてて、食べられるきのこは群で生えていることが多い

とのこと。他にも山の植物についてもいろいろ教えていただきました。

トリカブトについて教わっています

もうなさそうだしそろそろ帰るかな?という頃に道端に発見!そこから続々と見つかりました。

いい笑顔!

自然のパワーをいただいて、解散🚃

お昼は赤羽さんが去年採ったきのこできのこ汁と、みんなでにぎった大量のおにぎり(笑)、そして採ったきのこは蒸し焼きに。山に自生しているものってなんかパワーを感じるね、と話しつついただきました。

最後にこの2日間の感想を一言ずつ話してもらって、茅野駅で解散しました。

まとめ

参加者のみなさんからは、「生きることや日々の暮らしのことを考えた」「食と自分の距離感を見つめる時間になった」「また来たくなる素敵な空間と時間だった」などの感想をいただきました。私自身もそうでしたが、日々目の前の仕事に追われていると、どうしても「食」や「暮らし」は疎かになってしまいがちです。。でも、この2日間はじっくりと向き合う機会になったようでした。

そして、なんと、ツアー終了後には参加者5人のうち2人がLURAの会に入会してくださいました!ツアーの目的として入会してもらうことを設定していたわけではなかったのですが、LURAの会や宇野さんの目指す世界についてもっと知りたい、自分がどう貢献できるかか探りたい、今後も関わりたいと思っていただいたようです。こんなに嬉しいことはないです。

ツアー中はずっと動きっぱなしだったので、もう少しゆっくり対話の時間を設けてもよかったかな、というのが反省ではありますが、宇野さん夫婦やLURAの会の会員さんたちと充実した時間を過ごしていただけたようでよかったです。私がすてきだなと思う場を、みなさんと共有できたこともすごく嬉しかったです。またこうした機会をぜひつくりたいなと思います。


*1 LURAの会について
LURA(Linkage of Urban and Rural lives by Agriculture)の会は、2011年に宇野俊輔さんが設立した、生産者と消費者が共に農作物を自給する会員制グループです。農業という食べ物をつくる営みを通して、生きていく中で根本となる食べ物や人と人との関係性がある場を、「暮らしのベース」としてつくることを目指しています。仕組みとしてはCSA(Community Suppored Agriculture)に近く、会費を支払って、農作業に参加したり、収穫物を分け合います。現在会員数は約50世帯、伊那近郊・長野県内・首都圏の方で構成されています。小さなお子さんがいる会員も多く、農作業は子どもたちにとっても楽しい時間となっているようです。
私が初めてLURAの会を訪れた時のnoteにもう少し詳しく書いているので、興味がある方はぜひ↓

LURAの会HP


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岸本華果
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