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保護猫犬の永年預かりについて

突然ですが、保護猫犬の永年預かり制度を知っていますか?
これはシニアの方が安心して保護猫犬を迎えられるように、
北海道のNPO法人ツキネコさんが発案された制度となります。


この制度の説明の前に、現状起きている問題について。
現在、シニアと保護猫犬の間では2つの大きな問題が生じています。
1つは、シニアの育児放棄。
もう1つは、年齢や病気による団体側からの譲渡拒否。

シニアの育児放棄に関しては、私がインタビューをさせていただいた団体さんはみなさん問題として取り上げていらっしゃいました。
飼い主様が亡くなられてその家族も引き取れず猫や犬は路頭に迷う、
病院や施設に入られなければならなくなり、飼い切れず捨ててしまう、
などなど理由は様々ですが、飼育放棄のほとんどはシニアの方から起きているのです。

そういった理由があり、団体側はシニアに気軽に譲渡することができなくなっています。
60歳以上には譲渡しない、など明確に決められている団体もあります。
しかし今後ますます高齢化社会が進んでいくにあたり、シニアへの譲渡を
拒否し続けると貰い手の数はどんどん減っていきます。
そうするとずっと同じ猫や犬が施設にとどまり続け、新しい保護猫犬を救えなくなるのです。
無理に新しい猫犬を迎えてしまい、世話しきれなくなり保護団体が飼育崩壊するという悲惨な状況にも陥っています。


このような背景で生まれたのが「永年預かり制度」です。
これは猫犬の所有権を団体側に残したままにしておき、
「預かってもらう」という形態をとるものです。
基本的には通常の譲渡と変わらず、貰い手は終生飼育を前提として
ペットが亡くなるその日まで面倒を見切ってもらいます。
しかし、やむを得ない理由で面倒を見切れない状況に陥った時には
所有権を持っている団体側が再度引き取ることができるのです。
今までは飼いきれなくなった際にどうしていいかわからず捨ててしまうことが保護猫犬の数を増やす原因の一つでした。
そこを団体側が再度引き取れる形態をとることで、猫犬の身元は安全が確保されるのです。


画期的でとても素晴らしい仕組みだと思います。
私もこの仕組みを広めていき、今まで猫犬を飼いたいけど年齢や病気で諦めていた方に利用していただきたいです。

ただ懸念ポイントも多くあるのも事実です。
そもそもこの制度は団体が数年後、数十年後も存続していることが前提。
現状だとある程度大きな組織でないとなかなか取り入れることができないという問題があり、団体側もなかなか広がっていません。
そのほかにも、預かってもらった後どれくらいフォローに入るか?負担金額はどうするか?などなど・・。

シニアに動物を預けるなんて無謀だ、無責任だ。
そう思われる方がいらっしゃるのも分かりますし、
私もそのお気持ちには共感する部分もあります。

しかし、それを理由にシニアには保護犬猫を渡さないことを決めてしまうと、10年後・20年後はどうなるでしょうか。
なにかを妥協し、最善策を探しながら一歩前に進むべきこともあると思います。


私は、この永年預かりをすでにされている団体様とシニアの方のマッチングを増やす取り組みをしていきたいと思っています。
そのためにシニアへの認知を高めていく必要があります。
そして、まだ永年預かりを知らない・もしくはやっていない団体様がスムーズに取り入れられるような仕組みも作っていきたいです。
そして全国の団体がこの仕組みを使い、シニアが安心して保護犬猫を迎えられる世界を実現したいです。



ここまでお読みいただきありがとうございました!
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