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小説5

ぐるぐると思い悩んでいた日々から抜け出すためにとりあえずの一歩を踏み出してから約一年が経った。

外から見たら、きっと何も変わっていないと思う。

同じ部屋に住み、仕事に行き、恋人ができるわけでもなく、新たな出会いがあったわけでもない。

ただ貯金が少しと、片付いた部屋と、心が軽くなっている。

同じ条件で暮らしていても気持ちの持ち方で全然違う。

誰かに<気持ちの持ち方、考え方を変えるだけで人生変わりますよ>って言われたら<胡散臭い話>って思う。

<気持ちの持ちようで全てが解決するならそんな簡単な話じゃないよね。>ってちょっとバカにしていたかもしれない。

でも料理をするのも、部屋を片付けるのも、節約するのも、仕事に行くのも、いやいやだったりなんとなくやっていた頃と今では全く気持ちが違う。

自分のために料理をする。節約にもなるし、健康にもいいし、写真を撮ってSNSにあげて自分の気持ちも満足する。

片付けも、節約も、仕事も、もちろん面倒なことも我慢しなければいけないこともあるけど、全部自分で決めたことで、結果も全て自分に返ってくるのだと思えば、気持ちが全然違う。

義務で生活の諸々をこなしていた時は、作業だけに目が向いて、目的とか結果が出た時の喜びにまで全く思いが至らなかった。

限られた条件の中で、自分で決めて、自分で動いて毎日をまわすしかないんだ。

与えられた条件は確かに人によって違うけど、そこからどうするのかは自分次第。

いじけても投げやりでも何も考えなくても、時間は過ぎていく。

生き方って実はどこかで勉強するわけでもないから、みんなぶっつけ本番で乗り越えていっている。

うまくいく人もいれば、どうしたらいいいかわからない人も、何も考えない人もいて当たり前。

YouTubeやInstagramやTwitterがあってよかった。

いろんな人の生き方を見せてもらえて、考え方のヒントをもらえたから。

身近な人でお手本がいる人はラッキーだけど、そうじゃなくても大丈夫なのが今の時代だと思う。

なんとなくのやり方がつかめてきて、これからも自分の望む方向に向かってゆるゆるやっていこうと思える今が好き。

誰かのせいにしたり、社会のせいにしたりして、文句を言って過ごしても時はすぎて行く。

自分のために自分で動く。

一度しかない人生、自分でいいと思った方を選んでいく。

大袈裟に聞こえるかもしれないけど、パンじゃなくてご飯、オレンジジュースじゃなくてアイスコーヒーと好きなものを選ぶ延長線上に自分の選んだ人生があると思う。

間違えたと思ったらその時にやり直せばいい。

最初からうまくいかなくても腐らない。

一瞬で変身できなくても、奇跡が起きなくても、自分で作っていく毎日はなかなかいい。

誰かの好みや意図に左右されたくないから、全自動のルートからはあえて外れて、味のある私の毎日を楽しんでいく。

good day!

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