テクニックを追いすぎない。伝えたい想いはあるか
「努力すれば夢って叶うのかな?」
ボクは「その質問は、ナポリタンを作れるか?と一緒だと思う」と返信をし、地下鉄に乗り込む。
燃え殻さんの「ボクたちはみんな大人になれなかった」を読みながら、今年は自分なりにナポリタンを作ってみた1年だったなと思った。
あまり美味しくはできなかった。お店に出せるクオリティには程遠い。食卓に出し、家族から「茹ですぎ」「しょっぱい」なんて文句を言われながらも、「まぁ初めてにしてはいいんじゃないの」と慰められるような出来だ。
そんな出来でも、レシピを集める日々から卒業し、実際に作ってみた記念すべき1年だったことに変わりはない。今後のために振り返りつつ、「ライターになりたいと漠然と思っていた過去の私」に向けて書いていきたい。
※この記事は「書く」を学び合うコミュニティ、sentenceのアドベントカレンダーに参加しています。
30歳、夢を追う
小学生の頃から日記を書き続け、大学生になったらmixiで痛い自分語りをし、社会人になったらblogで趣味の読書ログをつける。書くことが好きな私が「ライターになろう」と思ったのは30歳を過ぎた頃。
第1子の育休終了を間近に控え、仕事と子育てについて考え直したとき、子どもを預けてまで仕事をするなら自分の好きなことをやろうと考えたからだ。
まずはできることからやってみようと、職場復帰後、クラウドソーシングでアフィリエイト記事やハウツー記事を書いた。誰かに添削してもらえるもなく、自分の名前が出るのでもない。そんな日々を送りながら、文章をうまく書くための黄金のレシピを探し続けていた。
その後、運良く小山さんのアシスタントとなり、はじめて文章を添削してもらったのが2018年1月。9割、赤だった。ナポリタンのレシピを渡されているのに、できたのはそうめん。同じ麺だけど、パスタですらない。そんな私の文章に赤を入れてくれた師匠には感謝しかない。
書いてみるまで、なにを書きたいかわからなかった
「どういう記事を書きたいですか」
そう聞かれて、なにも答えられなかった。どんな料理を作りたいか聞かれて、「とりあえず食べ物で」としか言えない。和食かイタリアンか中華かすら答えられない状態だった。
小説かノウハウ本か雑誌かWeb記事か。それくらいしか、ジャンル分けができていなかったんだと思う。(小学生みたいなこと言っているけど30超えてます)
2018年、小山さんのお仕事や、UNLEASHでの記事執筆、sentenceでの交流note2か月連続更新などを通して、どういう領域に興味があるのか、何を書きたいのかおぼろげながら形が見えてきたように感じている。
相手に届くかどうかのカギは、文章テクニックではなく熱量
アシスタントの面接時、小山さんは「うちはデザインやビジネス領域の案件が多いけど大丈夫?」と聞いてくれたけど、「わからないことはググります」と答えていた自分を殴りたい。
噛み合っていない、と今ようやくわかる。(マジでごめんなさい)
興味がないライターが書いた記事ほどつまらないものはないし、そういう記事は添削ではどうしようもなくて、書き直すことになる。私はずっと、文章がうまければそれでいいと思っていて、黄金のレシピを探し続けていた。この通りに作れば絶対にうまくできる、というテクニックみたいなものを。
でもそうじゃなくて、ライター自身が心底伝えたいと思っているサービス記事は、文章が粗くても読者の興味を引くだろうし、記事を通して世の中を少しでもよくしたいという熱量があれば、同じ想いを持っている人に届くのだ。
わかりやすく書くのは最低限、そこにプラスして「どれくらいその領域に対して思考できるか」が大事なんだと思う。そういう意味での「デザイン領域が多いけど大丈夫ですか」という質問だったのに、ググりますと答えていた私、薄っぺらい…。
書くではなく、伝える
2018年は恥を晒し、多くの方に支えられた1年だった。2019年、書くこととどう向き合っていくか改めて考えてみると、書くのではなく、伝えていきたいなと思っている。
テクニックとしての文章ではなく、相手に誤解なく伝わるように思考を練りこんで言語化する。熱量と勢いが伝わるよう、偏愛できる領域を絞る。それが2019年の課題だ。
現在、第2子の育休中であり、あと4か月で職場復帰を迎える。新卒で人材紹介会社の営業として働き始め、社会人10年目の今、派遣コーディネーターとして働く。偏愛できる領域に、「働き方」というキーワードが入る日は近いかもしれない。
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