補聴器もメガネのように
難聴に関する世間の人のイメージって、どんな感じでしょうか。
いつもお世話になっている補聴器屋さんに掲げてある旗には
『目立たない補聴器、あります!』の文字。
私はこの言葉がすごく嫌いです。
なんで目立ったらいけないんだろう。
なんで目立たないことを売りにしているんだろう。
かく言う私も、目立たない小さな耳穴式の補聴器をしているので、
その売り文句に乗せられた当事者なのですが。
以前、パラリンピック陸上女子走り幅跳びの中西選手へのインタビュー記事を読みました。
中西選手は2012年に、自身の義足を写した、セミヌードのカレンダーを出版されています。
そのことに関するインタビューの中でこのような発言をされていました。
『当時はまだ、障害の部位や義足を隠すのが普通でした。
当事者がネガティブな思いを抱いていたんです。
なぜ胸を張って生きられないのか。
一石を投じたかった。』
この発言は、私にも通ずるところがあるので、とても印象に残りました。
補聴器をしていることを、誰かに悪く言われたわけでもない。
それでも、補聴器をしていることは恥ずかしいことだと自分で思い込み、隠そうとしている。
他人に、ありのままの自分を受け入れてもらおうと努力もせず、
ありのままの自分は受け入れてもらえないと、思い込んでいる。
もっと自分の耳の事情をオープンにしていきたい、と思う。
しかしながら、これまでの人生で形成された思考というのはなかなか頑固で、
補聴器をしている耳を見られることに対して、どうしても抵抗感がある。
補聴器もメガネのように、
どの世代にも身近な道具である世界になってほしいです。
いや、、していきたい、です。
※2022年4月30日に執筆しました。
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