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小説 これは私の夢のはなし

🐑#002  博物館

「ここは何の博物館ですか?」
わたしはまた夢の中にいた。
わたしの問いに夢の人は答えた。
「色々ある博物館だよ。
    ここは花のコーナーだね。」
そこには沢山の花が咲いている。
蝶々が飛んでいて本当の花畑みたいだ。

「あっこれは胡蝶蘭ですね。」
わたしが指を指した先には沢山の胡蝶蘭がある。
白、ピンク、黄色、色鮮やかな花たちが綺麗だ。

「あっちは恐竜だね。行ってみましょう。」
夢の人はハスキーな声で言う。
彼が指を指す方向には恐竜の模型がある。
「本物みたいですね。食べられそうでこわい。」
わたしが言うと夢の人は楽しいそうにあははと声を上げて笑った。

あっちへこっちへ廻って楽しい気分だった。
「あれ?ここで行き止まり?
   あっ。でも何か書いてありますよ。」

そこだけ真っ暗で先が見えない真っ直ぐな部屋がある。
わたしがその部屋へ行こうとすると夢の人はわたしの腕を掴んで引き戻した。
「ここはまだ建設中なんだ。…。」

少し間があって、夢の人が低い声で言った。
「ここはこれから起きることが飾られるんだ。
    だからきみはこの先を見られない。
    さて。そろそろ戻りましょう。」


夢の人はわたしの背中に手をまわすと逆方向に向きを変えた。
夢の人とわたしは何も言わずに並んで歩いた。
エントランスまで戻ると来客と観覧が終わった客で溢れいた。

夢の人が口を開いた。
「ここから先は一緒には行けないんだ。
    一人で帰れますか?」
そう言うと夢の人はスッとわたしから離れた。
後ろを振り向くと夢の人はいなくなっていた。

わたしはトボトボと家に帰ろうと駐車場に出た。
すると、恰幅の良いご婦人がわたしに言った。
「あなた!そっちに道は無いわよ。あなたも早くバスに乗って。もうすぐ出発するわよ!」

「わたしは歩いて帰ります。」わたしは答えた。
「その先の道は無いのよ。」品の良い老婆が優しく言った。わたしはその場を走って逃げた。
暫く走って後ろ振り返るとそこにあった博物館は跡形も無くただの公園だった。
わたしはトボトボと歩いて歩いて歩いて、、、。

目が覚めた。わたしはあの博物館の看板を思い出した。看板にはこう書かれていた。

  //これからはじまる滅亡博物館//

わたしは背筋が急に寒くなった。
「あのバスに乗る人達はどうなったんだろう。
    このはなしに続きがあるなら、...。」

起き上がると足元には愛犬がぐっすり寝ている。
ここには現実がある。ほっと一息ついた。

(あの人って誰?)心の中で呟く。
夢の人は誰なんだろう。
あの人の顔。思い出せないな。
わたしは夢の人の名前も顔も知らない。


      これはわたしの夢のはなし



読んでいただき誠に有り難うございます。
乱筆乱文をお許しください。
どなたかの目にとまりますように。
また夢の中でお会いできれば幸いございます🍀


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