筋肉が痙攣していた頃の話。

丁度今月で二年が経過したので、そろそろ書いても大丈夫かなと思い、この記事を書いています。
わたしは医師ではなく、ただの体調不良持ちです。実際と異なる描写などがあるかと思いますが、大目に見ていただけると幸いです。
タイトルを筋肉が痙攣していた頃の話、としましたが、今もたまに痙攣します。この痙攣というのは医学用語でいうと線維束収縮と言う、筋肉がぴくぴくと動く現象です。ALSや多発性硬化症といった難病に多く見られるため、当時のわたしは絶望の真っただ中でした。インターネットで調べれば調べる程悪いことしか出てこず、メンタルが落ち込んでしまう悪循環に陥っていたと思います。その頃、わたしは同じ症状を持つ方のブログを読んだり、掲示板の書き込みを見たりしていました。そこにいる方々の、大丈夫でした!という報告が見たかったからです。
すべての方がわたしと同じように大丈夫だとは限りませんが、こんなにぴくついて大丈夫かな!?という状態だったわたしは、今大きな所見なく生きております。少しでも安心材料になれば幸いです。

症状が出始めたのは丁度二年前、最初は顔の痙攣から始まりました。ストレスフルな職場だったこともあり、コロナで世間がピリついていた時期でもあり、よくわからない感染症に陥って死んでしまったらどうしよう!という不安も重なっていたと思います。一日に一度、左側の頬が数分間ぴくぴくすることが一週間続きました。瞼の痙攣などはどなたでも経験があると思いますが、それが頬に起こったのです。おかしいな、と思い調べて辿り着いたのがALSという単語でした。どんな病気なのかを調べていくうちに、症状のひとつに全身の筋肉のぴくつきと言うものがあり、それを認知した途端に腰のあたりがぴくぴくしたことを憶えています。それからはあっと言う間に、その日のうちに全身(特に両足が多かったように思います)に広がりました。それはもうひっきりなしに、5分と開けずにどこかがぴくついている。最初の頃はぴくつきが酷過ぎて眠れず、息苦しくて死んでしまうのではないかと怖くなりました。寝不足になり睡眠薬を処方してもらいましたが、向精神薬だったために怖くて飲めませんでした。
わたしはストレスによる体調不良者であり、不安神経症でした。そもそも大きな病気なのでは?という不安が、その症状として身体に出ていたのだと今では思いますが、当時はとにかく不安でたまりませんでした。とにかく信頼するお医者さんに診てもらおうと思い、月に一度通っている主治医に症状を相談しました。ALSが心配なのですが、とお伝えしたところ、本当にその病気なのであれば、ここへ来た時点で見た目でわかるとのことでした。つまり、見た目的にはその所見が見られないということです。
主治医は総合内科医であり、神経内科医ではありませんでした。内科的な原因としてはマグネシウム不足の可能性はある、とのことで血液検査をしましたが、原因となりうる数値は出ませんでした。念のため頭のCTも撮りましたが異常なし。痙攣を抑える漢方薬を処方してもらいましたが、特に効き目はなし。他の病院から心療内科を勧められましたが予約が取れず、睡眠薬を出してくれたのも主治医です。
その後、脳神経内科が専門の病院を見つけ、すぐに相談しに行きました。ぴくつきが気になることをお伝えしたところ、力が衰えた感じはあるかと訊かれました。ペットボトルが開けにくい、雑巾が搾りにくいなどです。腱反射などは診ず、先生の手を握っただけで今のところALSの所見はないとのこと(のちに総合病院の先生より、この方はALSを専門的に研究している医師だと知らされます)。ビタミン剤で二週間様子を見て、収まらないようであれば大きな病院で検査をしましょうとのことでしたが、一週間で耐えられなくなり再び訪問。すぐに総合病院への紹介状を書いてもらいました。
その日のうちに総合病院へ行き、脳神経内科の女医に診てもらいました。とても丁寧にお話を聴いてくださり、腱反射のテストをしましたが異常なし。紹介元の医師(のちの主治医)はしっかりと検査をしてもらって安心してきてね、との意向だったのですが、女医曰く、ALSを否定できる検査はないし、今のところ検査をする必要すら感じない、実際そうだったとしても治療方法がないとの理由で検査は一切してくれませんでした。色々なブログや掲示板を拝見して、こういう検査をして大丈夫だった、筋電図をして所見がなかったから安心した、という情報を持っていただけに、そうなの!?という気持ちでした。たしかに、筋電図はALSを確定する唯一の検査方法だと聴いたことがあります。けれどそれで所見が出なかったと言って、絶対に違うということにはならないのです。確定診断に至るには経過観察しかない、と言われ、普通は筋肉の衰えから始まり、そこがぴくつくそうです。半年間経過観察して、所見が出てから検査しても遅くはない。どうせ治らないのだから、気にせず過ごした方がいいと言われました。
そのうちに舌までぴくつき出したのでビビり倒し、一か月後くらいに女医の診療を受けに行きました。女医の前で舌はぴくつきませんでした。そもそも全身のぴくつきも、あれだけぴくついているくせに医師の前では一切出なかったということもあります。それでぴくついているところを動画に撮って見せました。女医にはたしかにぴくついているけれど、これは(ALSのぴくつきとは)違う気がする、と言われました。
主治医の元へ返されたので受診すると、たしかに舌はぴくついている、舌がぴくつくのはALSの特徴でもある。それだけでは断言できないんだけどねとのこと。二週間に一回通院し、ビタミン剤とセルシン投薬にて半年間様子を見ることになりました。女医が違うと言ったぴくつきは、主治医曰く繊維束収縮で間違いないとのことでした。そのうち唾液が口に溜まり始めたり、滑舌が悪くなったような気がしたりして、もしやALSの球麻痺型なのでは!?と戦々恐々ともしました。
その後ALS以外の原因を探しました。例えば線維筋痛症なのでは?とか、腰や首に原因があるのでは?といったことです。リハビリに通いましたが、ぴくつきが収まることはありませんでした。それでもちゃんと動けているし、力が入っているし、筋トレができている、という自身には繋がりました。つまりぴくつきが出ているのにも関わらず筋肉は全く衰えていないということです。
半年で筋肉の衰えが確認できなかったので、とりあえずの通院は終了となりました。主治医曰く、人は誰でもぴくつくけれど、気にしてしまうとそれが大きなことのように感じる。病気とは心配したところでなる人はなるし、ならない人はならない。症状があっても同じこと。たしかにそうだな、と思い、今現在も主治医の元へ通わずに済んでいます。

結果的に、闇雲に調べて不安になるよりも、専門医を受信し経過観察してもらい、不安なことがあれば対応してもらうことが解決の第一歩だったと思います。気にしていると気になるのですが、気にしないように生活をしていくうちにぴくつきは段々と収まりました。今もたまにぴくつきますが、またぴくぴくしてるなぁストレスヤバいもんなぁと思っています。書いている今もくるぶしあたりや瞼や掌がぴくついています。
世界には良性筋線維束性攣縮症という病気を持つ人たちが多数いらっしゃいます。つまり筋肉のぴくつきだけでは難病だと判断できないということです。
わたしはここがぴくついたら難病確定!と言われていた場所がすべてぴくつきました。例えば舌、肩甲骨の間辺り、親指と人差し指の間、そして唇と顎の間。それでも今筋肉の衰えは感じていませんし、ちゃんとご飯も食べられますし、滑舌も良好です。すべての人がわたしと同じように大丈夫とは限りませんが、それでもこういう人間もいるんだと覚えていてください。
その後色々と調べた結果、コロナの後遺症でも筋肉のぴくつきがあると判明していおりました。わたしはコロナに罹患した結果はありませんが、コロナなのでは?という症状に見舞われたことがあります。症状が出る四か月くらい前です。もしかしたら後遺症だったのかもしれませんが、真相は闇の中です。アミノ酸がよいらしいので、試してみる価値はあるかもしれません。

もし本当に難病であったのなら、そのときはそのときです。日々研究は進化しています。進行を止める治療法が確立する日が近い将来くるかもしれません。怖い病気が治せる病気に、絶望の中に希望の光が見える日が一刻も早くくることを願っています。

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