【関西のオバハンの最たるもの】

神戸児童殺傷事件が起こってから23年経過したそうで

親御さんの気持ちを想像すると胸の奥がぐぐぐっと苦しくなる、子を持つ親の皆さんはきっとそういう方が多いのではないでしょうか

まだ独身だった私は犯人逮捕の当日、当時お付き合いしていた彼とお泊りすべくホテルに入ろうとしておりました

当時のホテルは部屋をパネルで選んでおきながらフロントで宿泊代を支払うという結局【中の人】と対面する謎システムで（今もあるのだろうか）、お泊りといえばそこをよく利用していたのですが、なんだか気恥ずかしいものでした

その日もパネルをポチり、フロントに支払いに行こうとすると、謎の気遣いの象徴というか顔は見えませんよ、みたいなあのお金だけをやり取りする隙間から

『あんたら早よ部屋入ってテレビつけ！！後でお金部屋まで取りに行ったるから！！サカキバラマサト（うろ覚え）捕まったで！！！犯人子どもやで！！！』

急かされるまま部屋に入ってテレビをつけて報道を見てたけど全然頭に入ってこなかった

犯人逮捕で少年とかそらびっくりするけどオバハン興奮しすぎやろ
そしてその興奮をなぜ我々と共有するねん
それはサービスの一環なのか
いや見るけどな、テレビ
声張り上げすぎやし
ほんであと何組にその興奮を分け与えたんやろ

30分後くらいにチャイムが鳴って、テレビに夢中の彼を尻目に宿泊代取りに来はったんかな？とドアに向かうとルームサービスとかを受け渡しする小窓みたいなとこでやり取りするのかと思ったらドアを開けろと要求、さっきのオバハン

ドアを開けると『テレビ見た？びっくりするわなぁ、まだ子どもやで、怖いなぁ〜、あんたらも気ぃつけなあかんで』言われた

宿泊代を払い、お釣りを受け取り、ドアを閉めようとすると『あ、ちょっと待っといて、もっかい来るわ』と言い残してパタパタと走っていった

そしてまたチャイムが鳴りドアを開けると、『これサービスしたげるわ〜』とビールを2本とするめ的なやつ3種類が乗ったおつまみセットをくれた

『ほんまびっくりするなぁ〜、まだ中学生やで〜、あんたらも気ぃつけやぁ〜』と言って去っていった

ちょっと待てオバハンよ

小窓からやり取り拒否してドアを開けさせてまで犯人逮捕の衝撃を伝えたかったのかオバハンよ

そして何を思ったのかビールセットをくれたオバハンよ

全部屋にこのサービスをしているのかオバハンよ

いや、よく利用している我々の顔を覚えていて馴染みの顔やおもてサービスしているのかオバハンよ

残念ながらオバハン側からは我々は見えたとて我々からオバハンの顔は見えたことがないので全く初対面と同じなんやぞオバハンよ

ほんで気ぃつけや〜ゆーたらなんでもええとおもてるのかオバハンよ

あぁ、そうか、よく見る我々を子どものように思っているのか←
いやそれはどうやろ、でもその【あんたら気ぃつけや〜】な気もする
※威嚇とか注意とか嫌味とかの気ぃつけや〜ではなく

事件の衝撃も去ることながらオバハンで頭がいっぱいになりました

どことなく既視感のあるオバハンだなと思ったら順番とか度外視して回覧板を自ら持って回し歩く自治会の班長のオバハンのあの感じに似ている

わしゃ実家におるんか

テレビ等で関西のオバハンのコミュ力の豊かさというか豪快さは取り上げられる事がありますが、関西の人間だとてびっくりするくらいです

デリカシーに欠けるというか、サービス精神が旺盛というか、情が深いというか

関西のオバハンの最たるものを見た気がしました

オバハン元気かなぁ