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Audiostock収益解析(2021年6月〜8月)

暑さもようやく少し和らぎ、ほぼ秋ですね。再び、過ごしやすい季節の到来です。コロナも少し落ち着きを見せているようですが、第5波が12月あたりに来そうな予感がする今日この頃です。

こんにちは、作編曲家wannabeのharryfaokiです。ご機嫌いかがでしょうか?(wannabeはワナビーと読みます。この場合は作編曲家になりたがってる人という意味になります。)ワンポイント英語レッスンでした〜

さて、今回はAudiostockに参戦している音楽クリエイター向けのテキストとなります。3ヶ月ごとにAudiostockの僕の収益を解析している内容となります。興味があれば読んで見てください。

今年も暑い夏でした。僕はといえば、7月の後半から8月11日まで神戸の新居で過ごしておりました。家具も何もない場所に布団と電気釜とテーブルだけ持っていって家族で過ごしておりました。この間は全く音楽作業なし、Macもなし、あるのは携帯だけという状況で過ごしました。やったのは草刈りとか、新居に家電を買って入れたりとか、ピアノを見たりとかでした。その内容はこちらに書きましたので、興味があれば読んでね。

ほんでもって、この3ヶ月に何があったかといえば、そう、オリンピック・パラリンピックでした。Audiostockの方でも、オリンピックネタの楽曲がさかんに投稿されていましたが、皆さん売れ行きはいかがだったでしょうか?

小山田圭吾さんの問題でオリンピックの音楽もてんわやんわして、一時期はAudiostockで買えば〜と思いましたが、そんな簡単なもんじゃない。ゲーム音楽になって良かったのか悪かったのか。どうなんすかね〜。

僕もオリンピックでは絶対使われることは無いですけど、東京でオリンピックなんて、もう生きている間には絶対ないですから、この際だから記念にオリンピックという楽曲を作ってAudiostockにして投稿してみました(笑)あ、ちなみにこの曲でした。

お陰様でこの曲は、自分のAudiostockの楽曲の中でベスト10に入る好成績を残してくれています。約2年前に投下して単品購入数59、お気に入り数163です。オリンピックに乗じて作った曲なので、社会のトレンドの波に少しだけ乗れたのかもしれません。

さてさてさてさて、そろそろ本題に入りますよ。

雑感

この期間(6〜8月)の売れ行きはそれまでと比べる総じて良い感じではありませんでした。毎年の月ごとの売り上げを比較してみると、4〜6月が比較的あまり売れない傾向にありますね。ちなみに、前回の収益解析(3〜5月)はこちらです。

今回も恒例のグラフを作って見たので見ていきたいと思います。以下のグラフは僕がAudiostockを始めた2011年からのグラフです。(クリックすると大きくなるよ)

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以下のグラフは、2019年からのものです。(クリックすると大きくなるよ)

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このグラフをみると、最近大きな分岐点に来ていると感じています。それは、ついに
単品購入と定額制の報酬の額の差が完全に入れ替わったであろう

ということです!

単品購入 < 定額制報酬

どういうことか、よくわからないと思いますので、これまでの経緯を説明いたします。

Audiostockは基本的に単品と定額制の2本柱で楽曲の売上の4割から5割をクリエイターに還元してくれています。定額制は2019年12月から始まり、それまでは単品販売のみでした。単品のみの場合は、顧客は単品を購入すれば、未来永劫ず〜っとその楽曲をそれぞれの映像プロジェクトなどに使えていました。そして、一曲の値段は比較的高く、BGMの場合だと最高で3,300円(税込)で、そこからクリエイターに還元される額は、クリエイターが50%の報酬率の場合、1,650円貰えます。

これが、2011年から2019年12月までのクリエイターの報酬でした。(初期は、値段はもっと安く、消費税分も取っていませんでした。)上記のグラフを見ていただければと思いますが、2011年から2018年8月頃までの7年間は、Audiostockの助走部分であったと思います。

2018年8月以降、Audiostockは本腰を入れ始め(もちろん最初から本腰なのですが)、様々な企業との販売促進に力を注いでいき、また登録楽曲も、販売ルートも広がっていったのでした。それにつれて、クリエイターへの報酬も後押しされ、単品購入が大きくなっていったのです。

そんな矢先、2019年後半から、Audiostockはさらに売上を別次元に移行させるためには、定額制(サブスク)プランを導入する必要がどうしてもありました。なぜなら、時代はあらゆるサービスがサブスクに移行しているからです。音楽や映像の使用権を販売する会社は、ことごとく定額制サービスに移行していた時だったと思います。Spotify, Apple Music, Amazon Musicなどの配信サービスは、欧米からCDショップを一掃しました。日本は、まだCDに売上の多くを頼っている部分がありましたが、もう流石に終わりでしょう。

定額制は、当然ながらダウンロードされる曲ごとの単価は安いです。初めは1ダウンロードで60円とかそのくらいかもしれません。しかしながら定額制に契約する顧客が多くなれば多くなるほど、少しづつダウンロードされたクリエイターの末端に至るまで利益が還元されます。そのダウンロード回数が多ければ多いほどクリエイターには旨味がきます。

売る側からすれば、毎月顧客から確証を持って一定の額が支払われるわけですから、こんなに良いサービスはないでしょう。しかも、デジタルコンテンツですから、複製が可能です。どんなに販売しても、現物は無くなることがありません。売る側としたら、こんなに良いサービスは他にないでしょう。バナナの叩き売りでも、バナナ売ったら仕入れなきゃもう売れませんが、デジタルコンテンツは複製自由で無くなることがないというんですから、良く考えたら凄い。

定額制が導入された2019年12月から2021年3月まで、定額制は着実に売り上げを伸ばしていきました。これはAudiostockの営業チームが、それまで単品購入主体だった会社へのアプローチを定額制にするようにしていったためでしょう。定額制の方が断然お得!という営業方針で、どんどん映像制作者、会社、を囲い込んでいったわけです。ご苦労様です!坂本営業部長

さらに、去年から、定額制個人プランをAudiostockは始めました。それまでは、ビジネスプラン(月2万円)と高額だったのを、個人層にアプローチするために、月1,980円という値段で打ち出しました。これが、かなり幅を広げたと思われます。

それで、定額制顧客の裾野を広げ、少しづつクリエイターの方にも報酬が還元されて来たのだと思われます。

そして、定額制がついにAudiostockの販売のメインストリームとなったのが、今年になってからだと推察します。なぜかって?上のグラフを見ていただきたいのですが、今年の4月以降、定額制が5ヶ月連続で単品販売の報酬を上回っています。さらに、単品購入は少しづつその販売実績を下げ、下り曲線を描いています。これは、明らかに定額制がBullの状態です!

このトレンドは続くのか?

個人的には続くと見ています。Audiostock側からすれば、定額制が増えれば増えるほど、売上も伸び安心材料となりますし、ウホウホです。定額制参加クリエイターともWINWINの関係になります。クリエイター側からすれば、このままAudiostockに楽曲を投下し続ければ、必ず報酬は上がってゆくのでしょうか?それとも、人任せでそのままほっぽり出して、勝手に稼いで振り込んでくれる不労所得になっていくのでしょうか?

そこがポイントだと思っています。今回、6〜8月に定額制でダウンロードされた僕の楽曲の音源数は、975音源(SEも含む)でした。そして、ダウンロードされた楽曲を見てみると最近作ったものが圧倒的に多いのです。言い換えれば、古い曲でかつて単品でよく売れた曲は、もはやあまりダウンロードされていないでのす。もちろんダウンロードされているものもありますが、少なくなって来ているのです。

それはどういうことかといえば、顧客はすでに単品で古い曲は購入済みということが一つ。もう一つは、楽曲のトレンドが古いので、今の時代にあっていない、というのが一つ。新規で定額制プランに加入してくる顧客数の鈍化、が考えられるでしょう。

クリエイターにできることは何?

単品があまり売れなくなって来ているのであれば、できることは一つしかありません。さらに良曲を作ることです。そして、その数を増やすこと。さらに、楽曲制作のスピードを上げることです。

定額制では、顧客はいくらでも期間内にダウンロードすることができるので、ダウンロードしていただければラッキーなわけです。そして、その数が多ければ多いほどいいのです。一つが100円だったとしても、1000個ダウンロードされれば、10万円です。

これは統計を取ったわけではないので、正確にはいえませんが、登録曲の1/3の割合でダウンロードされている感じがしています。どういうことかといえば、Audiostockに登録曲が例えば、900曲あれば、そのうち300曲は定額制でダウンロードされるだろうということです。僕の場合は、登録曲(SEも含め)2,600個ぐらいありますが、毎月定額制でダウンロードされる音源数は、800前後です。この数は実は毎月そんなに変わらない印象です。変わらないというのは、ある月は300、ある月は1,200とかそのぐらい大きな差で変わるということはないという意味です。

なので、ある程度の楽曲の「質」が担保されれば、あとは数を入れていくことが定額制には非常に重要なポイントだと思います。

過去のボスの言葉が身にしみる

さてさて、僕が、アメリカ時代(1997〜2008)に僕の音楽制作のボスに毎日のように口を酸っぱくして言われたことがあります。

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「Hey, Harry. It's very important that you make music with "Quality" "Quantity" "Speed". And compete with others and win.」

(ヘイ、ハリー。音楽を作るときは「質」「量」「速さ」が重要なポイントだ。それで他の奴らと競争して勝て。)

ちなみに、このボスは2008年に多臓器不全でお亡くなりになりました。

この言葉が、そのまま当てはまるのです。クリエイターはこの3点を意識して、さらに継続させることが重要に思います。なぜなら、Audiostockは、誰か一人の人が判断しているわけではなく、音楽使用権の販売を行うシステムであって、そのシステムの中では感情論は通用しないからです。さらに、自分の音楽を聴かせる場ではなく、映像制作者などに使っていただくために販売する場なので、音楽は映像などに使いやすいものであったりすることが非常に重要なわけです。そういう意味で、それが得意な方は自然とトップクリエイターになりますね。トップクリエイターというのは、報酬が多いということです。

僕の場合は、映像向きの音楽があまり得意でないので、色々と試行錯誤が必要ですが、ストレスになる場合はやらないほうがいいですね。

2021年6月から8月までの収入解析

6月、単品:140,998円(79個 定額:192,581円(695アイテム)Pixta : 26,840円  StoreMusic : 955円 
= 総額:361,374円

7月、単品:198,770円(107個)定額:218,812円(824アイテム)Pixta : 28,380円  StoreMusic : 854円 TikTok:30,735円 $(海外)=3,432円 総額:480,983円

8月、単品:140,712円(78個)定額:248,693円(975アイテム)Pixta : 13,420円  StoreMusic : 805円 音楽配信:63,162円 著作権使用料=70,486円 中国:4,093円 $(海外)=5,148円 総額:546,519円

単品と定額制の他に、報酬がいくつかありました。Store Musicは店舗でかかる有線みたいなサービスですね。ただ今はコロナで店舗自体がやってなかったりです。いつも通り3桁いただきました。

7月は,めちゃくちゃ久しぶりにTikTokの音楽報酬を頂きました。3万円強でした。前回もらったのが、去年の12月だから7ヶ月ぶり。7ヶ月で3万だとちょっと少ないなあ。ちなみに、下のは僕の一番使われているやつこれなんですけど。27.4k使われてます。報酬の半分はAudiostockに入っちゃいますからね〜。こんなものか。

https://vt.tiktok.com/ZSJEexsW8/

8月に、音楽配信が入りました。これがなかなか頑張ってくれました。Audiostockから出ている僕の楽曲が入ったコンピレーションアルバム数が400を超えました。現在401+自分のアルバム3つが配信されていることになります。その報酬(3ヶ月分)が63,162円。まあまあです。今後も追加していければ、もっと伸びそうな雰囲気があります。

定額ではどんな曲が人気?

今回も定額制で人気のあったベスト5を書いて行きます。

第5位 報酬額:2,323円 「遠い故郷の香り」
この楽曲はAudiostock生楽器コンペ通過曲です。山田路子さんの篠笛が収録されました。

第4位 報酬額:2,811円「Back to Yokohama」
この楽曲は、横浜開港祭という花火大会のために作ったものです。

第3位 報酬額:2,884円 「Opening Fanfare」
なぜかこのファンファーレが人気です。以前にミュージカルのお仕事で作ったものです。イントロだけ書き出したものがこのファンファーレ。

第2位 報酬額:2,957円「Brilliant Days」
この楽曲はAudiostock生楽器コンペ通過曲です。フルートの山本葵さんの演奏を収録しています。

そして堂々の第一位は

第一位 報酬額:3,661円「Olympic」
冒頭で紹介したオリンピックの曲でした!やっぱりオリンピックの曲はたくさんダウンロードされたのですね〜。作って良かった良かった。


まとめ

というわけで、今月もお送りいたしました、harryfaokiのAudiostock収益解析(6月〜8月)の3ヶ月分でした。Audiostockで不労所得できるかな〜とか、Audiostock始めた方でまだあんまり曲が登録できてない方など、参考になりましたでしょうか?

もちろん、そんなの知ってるぜって方もおられるのは重々承知でございます。そして、収益を見せびらかしているわけでもございません。Audiostockを初めてまだそんなに立っていない方は、何かの参考にしていただけたらと思う所存でございます。

今月お届けした内容の要点です。

・ついに単品購入と定額制がクロスオーバーして逆転した

・定額制時代の波に乗るには、「質」「量」「速さ」

やはりトレンドものは強かった

それでは、皆様、また会う日まで。ご機嫌よう!

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