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それ半導体のおかげです:入門前0-01体温計

#半導体
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 みなさんは、体温を測ったことがありますよね。COVID-19(コロナウイルス)が猛威を奮っていたころ、登校、出勤前には、毎日体温を測ったのではないでしょうか?。街に出ると建物の入り口では、自分の姿と体温が表示されているTVモニタを見たこともあるでしょう。体温計だって、半導体が大活躍しています。次の表にまとめてみました。他にも比較できることがありますが、半導体のすごいところを中心にしています。
 その昔、熱が出たというと、お母さんが子供のおでこに手をあてたり、おでこ同士を触れたりして「大丈夫よ」というのが定番でした。TVドラマや映画でもよくあった昭和の良き頃の暖かい光景だったのかもしれません。現代では、触れることなく一瞬で体温がほぼ正確に測れてしまいます。技術の進歩は、すごいですが、親子のぬくもりは、どうなんでしょうね。

 
図1.いろいろな体温計(和希所有)


 表は、体温を測る方法の比較です。
 保護者は、おとうさん、おかあさんなどのことです。人それぞれ経験によるものなので、みなさん思い出したり、知っていそうな人に聞いてみてください。たまたま、家の救急箱に保護者以外の3種類の体温計があったので写真を撮ってみました(図1)。
 棒状温度計は、水銀や赤い液体が温まると膨張して管の中を液で満たして、先端が到達したところが温度になります。時間はかかりますが、材料の物理的な性質を利用していますので、今回紹介した道具の中でもっとも正確なのだそうです。
 電子体温計は、測定部にサーミスタ(抵抗変化)や熱電対(電圧変化)を用いて、温度を電気信号に変換して表示をするものです。
 棒状温度計も電子体温計も、わきなどにはさんで、「測定部を体温と同じ温度にする」という測り方をしますので、測定部に熱が伝わって温度が安定するまで時間がかかります。
 ここで注目したいのは、非接触体温計です。非接触体温計は、その名前の通り「測りたいものに触れません」。そう、半導体を使えば、触れなくても温度が測れるのです。使っている半導体の名前は、「赤外線センサ」です。赤外線は、人を含めて熱をもつ物質が基本的に放出しています。この赤外線の強さを電気信号に変換して表示をするものです。赤外線は、人の目に見えないので普段気にすることはありませんが、光の一種なのでとても速いです。空間を飛んでくる赤外線を直接受光して、温度を測定するので、一瞬にして温度を測ることができるのです。

 みなさんは、COVID-19(コロナウイルス)が猛威を奮うようになり、突然、非接触体温計が発明されて街中にあふれたように感じていませんか?。いいえ、非接触の温度計は、もっと昔からありました。ただ、高額だったので、普段使いになっていなかったのです。いつごろから、電子体温計と非接触体温計が開発されていたのか、特許件数の視点でまとめてみました。

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