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人気爆発中カリン・スローターインタビュー!!


今年は梅雨が長く、7月なのに肌寒い日も多いですね。梅雨が明けたら猛暑が待っているとか…。みなさま体調には十分お気を付けくださいね。 

さて、今回カリン・スローターファンもちろん、知らない方にも是非読んでいただきたいカリンのインタビューをご紹介します!

カリン・スローターとは?

37カ国語で出版され、世界中で3500万部以上を売り上げているミステリー小説家。彼女が出版した19の小説には、〈グラント郡〉シリーズや〈ウィル・トレント〉シリーズ、エドガー賞にノミネートされた『警官の街』(マグノリアブックス)、ニューヨーク・タイムズでベストセラーとなった『プリティ・ガールズ』や『The Good Daughter』などがあります! ジョージア州出身で、現在はアトランタ在住。『警官の街』(マグノリアブックス)、『The Good Daughter』(未邦訳)、『彼女のかけら』は映画化やテレビドラマ化が決定&始動しています。

ハーパーコリンズ・ジャパンから刊行したカリン・スローター作品をご紹介

〈ウィル・トレント〉シリーズ
ウィル・トレントシリーズは、アトランタを舞台に、GBI特別捜査官のウィル・トレントが主人公として登場するシリーズ。ハーパーコリンズ・ジャパンから刊行したのは以下の7作品!「どこから読んでもハマる!」というのが本シリーズの特徴です。

『ハンティング 上・下』
『サイレント 上・下』
『血のペナルティ』
『罪人のカルマ』
『ブラック&ホワイト』
『贖いのリミット』
『破滅のループ』(6月刊行、最新刊)

〈グラント郡〉シリーズ
ジョージア州ハーツデールという架空の町(架空のグラント郡)を舞台に、3人の主人公の視点から物語が展開します。小児科医で非常勤の検死官であるサラ・リントン、彼女の元夫で警察署長のジェフリー・トリバー、そして彼の部下である刑事のレナ・アダムス。シリーズには、『開かれた瞳孔(Blindsighted)』、『Kisscut』、『A Faint Cold Fear』、『Indelible』、『Faithless』、『Beyond Reach』があります。

本シリーズ1作目であり、カリン・スローターのデビュー作でもある『開かれた瞳孔』をハーパーコリンズ・ジャパンから2020年2月に復刊しています。

『破滅のループ』刊行時に次作『Kisscut』の刊行決定もお知らせしました!今後見逃せないシリーズですのでぜひご注目を。

『開かれた瞳孔』

〈ノンシリーズ〉

『プリティーガールズ』上・下
『彼女のかけら』上・下

カリン・スローターへインタビュー

さて、ここからはいよいよインタビュー!カリンの魅力がとっても伝わる内容になっていますので初めて知ったという方も是非最後までご覧ください。

Q:執筆以外では、何をするのが好きですか?

猫と遊んで、ルームランナーで8キロ以上走って、ゆっくりお昼寝をして、おもしろい本を読むのが理想の一日ね。

Q:もっとも大きな影響を受けた犯罪小説作家は誰でしょうか?

わたしはアメリカ南部で育ったんだけど、どこかおかしいって言われてた。人生の暗い面に興味を持っていたから。
それからフラナリー・オコナーの作品を読み始めたの。オコナーは暗いテーマを描くことで世界的に有名な作家で、彼女の本を読んで、世の中にはわたしのような人がほかにもいると気づいた。
フラナリー・オコナーは、いわゆる「犯罪小説家」ではないかもしれないけど、わたしの小説の世界観を構築できたのは彼女のおかげだと思う。彼女の作品にはすばらしい犯罪小説の要素がすべて詰まっている――貧困や独特なキャラクター、小さな町、仕事に悩む人々……。
女にはいい本は書けないと言われたこともある。今でも、女の書いた本は読まないとわざわざ言ってくる男性読者もいる。

フラナリー・オコナーやマーガレット・ミッチェル、パトリシア・ハイスミス、ダフネ・デュ・モーリア、アガサ・クリスティー、アニヤ・シートンのような作家の作品を読んで、ずっと昔から真の才能を持つ女性たちがいたことを学んだの。
女性が被害者になる暗く恐ろしい出来事について、女性が話してもいいんだと気づけたのは、彼女たちのおかげよ。

Q:人を引きつける犯罪小説を作りだすうえで、登場人物はどれくらい重要だと考えていますか?

犯罪小説において、登場人物は間違いなく重要だと思う。プロットと同じくらい注意を払うべきだわ。登場人物は魅力的だけど筋の通らない犯罪小説も、プロットはすばらしいけど登場人物が素通りするような犯罪小説も山ほど読んだ。どちらのタイプもある種の読者を引きつけるけど、わたしは自分の読みたい本を書くことに挑戦しているの。

登場人物もプロットもわたしにとっては同じくらい大切だから、どちらも一生懸命取り組んでいるわ。

Q:結末に期待することはなんですか?

犯罪小説を読んでいるとき、意外な展開や衝撃的な展開、お決まりの解決があるかどうかは気にならない。でも、納得のいく結末である必要がある。そうでなければ、関係のなかったことまですべてまとめられてしまって、裏切られた気分になる。物語の結末は、始まりと同じくらい大切だと思う。

作家は、物語を通じて断片をつなぎ合わせる方法を学ぶ必要がある。そうすれば結末を迎えたとき、すべてがどうつながったのかを読者が振り返ることができるから。

『破滅のループ』のような結末――大きな疑問がうやむやのままになる――を書くにはたいへんな自制心が必要なの。
昔の本では同じことはできなかったかもしれない。だって、自分の読者と自分の書く能力を心の底から信頼しないとできないことだから。そしてその信頼は、時間をかけないと身につかない。

Q:犯罪小説を読んでいて、特に嫌いなことはありますか?

がっかりする結末を除けば、わたしがいちばん嫌いなのは著者がおなじみの設定に頼りきりのときね――孤独でお酒が好きで、サックスを吹き、フェドーラ帽を被っている登場人物みたいな……。

それから、救出されたり、利用されたりするためだけに女性が登場するのも大嫌い。男性をよく見せるために、女性がばかげているとしか思えない決断をすることがよくあるの。男性をよく見せるためのもっと挑戦的でやりがいのある方法は、賢い女性を登場させること。男性も賢いっていうことを伝える方法を見つける必要があるから。

ウィルとサラはそれぞれの強さと弱さを持っていて、違う見方で物事をとらえている。その目的は、お互いを補い合い、現実の立体的な存在、実在の人間として感じられるような生き生きとした人物を登場させることよ。そうでなければただの怠慢だと思う。

Q:ウィルとサラを主人公とする作品のほかに、ノンシリーズのサイコスリラーも書いていますね。シリーズものと、ノンシリーズのものと、執筆するうえでもっとも大きな違いはなんですか?

プロセスがまったく違うわ。
登場人物のことをわかっているから、シリーズ作品を書くほうが簡単だと思っているかもしれないけど、実際は綱渡りのようなものなの。シリーズを追いかけている読者のためには、何か新しくておもしろいことを書かないといけない。

一方で新しい読者のためには、何が起きているのかを伝える方法を見つけなくちゃならない。行きづまったり、それまでの読者を退屈させたりせずにね。全然簡単じゃないの!

ノンシリーズの作品については、誰が生きのびて誰が死ぬのかがわからないから危険度はもっと高い。登場人物ひとりひとりがミステリーであり、未知の人物ね。物語の最後にたどりつくまでに彼らが何者なのかという答えを得られることもあるし、はっきりしないまま終わることもある。でもいい物語は、少なくともその質問を問いかけないといけないの。

Q:自身の作品でいちばん好きな登場人物は誰ですか?

アンジーとレナを書くのはすごく好きよ。ふたりは信じられないほどひどい人になれるから。アンジーのことは意図的にそう書いているけど、レナのほうはたいてい偶然そうなってしまうの。レナは手を貸したい、正しいことをしたいと思って、誠実に状況に臨んでいるのに、結局すべてをめちゃめちゃにしてしまう。

フェイスを書くのもとても楽しい。フェイスはすごく気難しいから。頭に浮かんだことをなんでもすぐ口にしてしまうんだけど、そこがわたしとは正反対ね。わたしは何か言う前に必ずじっくり考えてから言葉にするのよ。


Q:あなたにいちばん似ている登場人物は誰ですか?

サラと言いたいところだけど、わたしはあんなに背が高くないわね!でもサラの気質はいちばん自分に近いと思う。特にシリーズが進むにつれて、そうなってきている。初めはかけ離れた存在だったけど、今はうまが合う感じ。

まわりはあまり認めてくれないけど、サラは自分が間違っているときはきちんと謝るの。そういうときに謝らない人はたくさんいる。責任を認めることは、人間としてもっとも大切なことだとわたしは長年かけて学んだの。

Q:猫は大好きなようですが、犬は好きではありませんよね。猫は作品にほとんど登場しませんが、偶然でしょうか、それとも理由があるのでしょうか?

猫がすることはすべて内面的だから、書くのがとても難しいの。 犬はすべて外向きに表現する。それに散歩に連れていってほしいとか、うんちがしたいとか、要求を持っているでしょ。でも――誰も、サラでさえ知らないけど、ウィルは何年も前から裏庭で野良猫たちにこっそり餌をやり続けているのよ。

Q:『破滅のループ』を楽しんだ読者に、どんな本をおすすめしますか?

過去のわたしの作品を全部読んでほしい(笑)
リサ・ガードナーやリー・チャイルドはおすすめの作家よ。それから、アラフェア・バークの『償いは、今』と『The Better Sister』 もすばらしいわ!

数字で見るカリン・スローター

作品について
Q:これまでにカリンが生みだしたキャラクターの人数は?
A:485人

Q:カリンが作品内で書いてきた文字数は?
A:約222万1,040語

舞台裏について
Q:ジョージア州捜査局との調査にカリンが費やした時間は?
A:100時間以上

Q:カリンが訪れたことのある犯行現場の数は?
A:ひとつもない。

Q:カリンが執筆中に自分のために設けている個人的なルールは?
A:カップケーキは野菜。

Q:カリンは作品を書くのに平均何時間費やしているでしょう?1冊につき1,000時間以上

カリン・スローターの世界の内側

Q:カリンが飼っている猫の数は?
A:現在は2匹。これまでに6匹。

Q:カリンがメジャーリーグ(MLB)に主賓として招かれた試合の数は?
A:2試合

Q:カリンの好きな食べ物は?
A:執筆中のお気に入りの“ごちそう”は、凍らせたコカ・コーラ

Q: ブックツアーでカリンが回ったアメリカ本土の州の数 は?
A:アラスカを除く全50州


いかがでしたか?
カリン作品の意義、そして多くの読者を虜にしてきた理由が改めてよくわかりますよね。

カリンってとってもダンスが上手でお茶目で個人的にも大好きなんです。(笑)ご本人のFacebookページにその魅力がぎゅぎゅっと詰まっているので見てみてくださいね。

6月17日発売の最新刊『破滅のループ』、是非チェックしてください📖

2020.07.17 RK

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