ハーパーコリンズ・ジャパン

出版社ハーパーコリンズ・ジャパン編集部の公式noteです。ミステリーや文芸、映像化原作…

ハーパーコリンズ・ジャパン

出版社ハーパーコリンズ・ジャパン編集部の公式noteです。ミステリーや文芸、映像化原作からビジネス書、児童書、大型ビジュアル本まで、海外のベストセラー作品を中心にお届けしています。https://linktr.ee/harpercollinsjp

マガジン

  • 試し読み📖

    新刊の試し読みはもちろん、オススメタイトルの試し読みも随時アップ予定です!

  • 無料連載『蒼の略奪者』イローナ・アンドルーズ

    全米でシリーズ累計100万部のロマンス・ファンタジー『蒼の略奪者』をnote限定バージョンで無料公開中!(毎日更新予定)

  • 次世代ミステリーの女王 カリン・スローター試し読み

    120カ国以上で刊行され、世界中の人を魅了するカリン・スローター。ハーパーコリンズ・ジャパンは彼女の魅力をつたえるべく、カリン・スローター作品の試し読みをマガジンにまとめました📖

  • ブックレビューby担当編集

    担当編集自らレビューしちゃいます!

  • あとがき&解説集

    あとがきや解説から読み始めるのも読書の醍醐味ですよね。 出血大サービスライブラリーです!

ウィジェット

  • 商品画像

    頬に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS)

    S・A コスビー
  • 商品画像

    ナビレラ 1

    JIMMY
  • 商品画像

    運命の時計が回るとき ロンドン警視庁未解決殺人事件特別捜査班 (ハーパーBOOKS)

    ジェフリー アーチャー
  • 商品画像

    超訳 古今和歌集 #千年たっても悩んでる

    noritamami
  • 商品画像

    親父と猫 定年後に待っていた猫ライフ (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

    Turi
  • 商品画像

    頬に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS)

    S・A コスビー
  • 商品画像

    ナビレラ 1

    JIMMY
  • 商品画像

    運命の時計が回るとき ロンドン警視庁未解決殺人事件特別捜査班 (ハーパーBOOKS)

    ジェフリー アーチャー
  • 商品画像

    超訳 古今和歌集 #千年たっても悩んでる

    noritamami
  • 商品画像

    親父と猫 定年後に待っていた猫ライフ (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

    Turi

最近の記事

  • 固定された記事

【千代田区の片隅から世界をめくれ。】

はじめまして。 ハーパーコリンズ・ジャパン編集部です。 わたしたちは2015年7月、翻訳ミステリーや映像化原作、ビジネス書から文芸、児童書、大型ビジュアル本まで、海外の本を日本に紹介する出版社として生まれました。 親会社は一般書籍で世界第二位の規模を誇るハーパーコリンズ・パブリッシャーズ。2018年に創業200年を迎えた老舗出版社で、ニューヨークとロンドンに本社を持ち、フランス・ドイツ・イタリア・スペイン・オーストラリア・ブラジル・カナダのほか、東欧や北欧にも支社をもつグロ

    • 【試し読み】アンソニー・ホロヴィッツ絶賛、ダークミステリー! リズ・ニュージェント『サリー・ダイヤモンドの数奇な人生』

      アイルランドで9週連続1位、2023年アイルランド・ブック・アワード(犯罪小説部門)受賞の注目作をお届けします! アイルランドの小さな町で、父と二人で引きこもって暮らす主人公は、周囲から“変わり者(ストレンジ)・サリー・ダイヤモンド”と呼ばれているサリー。 ある日父が病気で亡くなり、生前に言われたとおりに父の遺体を裏庭で燃やしたところ、なぜか叱られ大騒動に。さらに父が遺した手紙から自身の出生の秘密が明らかになり、サリーは世間のいわゆる“普通の人付き合い”を学びながらこの秘

      • イノベーションの巨人、クリステンセン教授の最新作からマイクロソフトのAI本、Z世代マーケティングまで、話題のKindleビジネス書が50%OFF!

        2024年9月1日(日)までの期間限定で、ハーパーコリンズ・ジャパンの特選ビジネス書、Kindle特別セールを実施中! ベストセラーから話題の1冊まで、よりすぐりの12タイトルが全て50%OFFのチャンスです。 各タイトルの内容紹介とリンクは下記からチェック👇 ぜひお見逃しなく📚 ①イノベーションの経済学 「繁栄のパラドクス」に学ぶ巨大市場の創り方クレイトン・M・クリステンセン他[著] 依田光江[訳] 貧困×ジョブ理論=眠れる巨大市場。これからの時代、真に成長が見込めるの

        • 死体なき奇妙な殺人事件─―ラスト1 0 頁であなたも驚愕する。話題のコニャック・ミステリー大賞受賞作スペシャル試し読み!

          『あんたを殺したかった』――タイトルからドキッとさせられる本作は、オリンピックの記憶も新しいフランス・パリから届いた傑作ミステリー。 被疑者ローラはなぜ自ら出頭してきたのか? 死体はどこにあるのか? 彼女の真の目的はいったい何なのか?  ヴェルサイユ警察犯罪捜査課を率いるドゥギール警視とともに、読書はのっけから「死体なき殺人事件」の渦中に引き込まれます。 事件現場からは物的証拠が何ひとつ見つからなかった一方、ローラの家宅捜索では血痕のついたスニーカーが発見されます。その血痕

        • 固定された記事

        【千代田区の片隅から世界をめくれ。】

        マガジン

        • 試し読み📖
          106本
        • 無料連載『蒼の略奪者』イローナ・アンドルーズ
          24本
        • 次世代ミステリーの女王 カリン・スローター試し読み
          17本
        • ブックレビューby担当編集
          14本
        • あとがき&解説集
          12本
        • 連載的中の編集部ブログ
          15本

        記事

          #24

           バーンとわたしは暗転した画面を見つめた。ショックのあまり、次に何をすべきなのかわからなかった。これまで“超一流”レベルの者を大勢調べたことがある。でもこんなことができる人は初めてだ。人間の域を超えている。 「かかわるのは考え直したほうがいいと思う」バーンが言った。 「もう手遅れよ」自分の声が無気力に響いた。「仕事を受けたんだから」  わたしたちはただ画面を見つめた。 「ママには話せないわ」わたしは言った。 「ああ、話すなんてとんでもないことだ」バーンは映像を止め、ブラウザ

          #23

          「時間よ」女性の声が言った。「ここは全区画避難が終わっているわ。損害は建物だけよ。心配しないで、コナー。あなたは正しいことをしようとしているんだから」  そのとおりだ。おそらく大学で誰かに声をかけられたのだろう。肩章をたくさんつけた軍の誰かに言われたことを聞き入れたに違いない。だから軍は彼の力をたしかめるためにチェトゥマルに送り込んだ。  ローガンは歩き出した。灰色のフードつきのスウェットを着た孤独な姿が、黄色の線に沿って高層ビルに向かって歩いていく。30メートル。60メー

          #22

           この70年間、アメリカは正式には宣戦布告していない。けれども武力衝突や平和維持活動や武力介入はおこなっている。それは恐ろしげな名前がついていないだけで、戦争に変わりない。  ヨーロッパ、中東、そして南米での数々の戦い。ベリーズで強い魔力を持つ鉱床が発見され、近隣地域が不安定になったときに起きた戦いがそれだ。  すでに強大だったメキシコは小国ベリーズに侵入した。その侵入に対抗するため、ホンジュラス、ニカラグア、ブラジルが同盟を結んだ。  アメリカと先住民連合はこの反メキシコ同

          #21

           わたしはファイルをスクロールした。アダムは報奨型の信託財産を持っている。大学で修士号取得のために勉強している間、そして取得したあとに受け取れる財産だ。ファイルによると一族は彼を切り捨てたらしい。おそらくオーガスティンのものと思われるメモ書きがあった。  “家族に確認済み。彼を引き戻す手段として、金の重要性を見逃してはならない”  わたしはバーンに電話した。「ピアースの記録は見つかった?」 「ぼくを誰だと思ってる?」バーンの声には落ち着いたリズムがあった。話しながらコンピュー

          #20

           わたしは携帯電話を取り出してアダムの経歴ファイルをダウンロードし、開いた。一般人は個人情報を示すものをたくさん持っている。生年月日、社会保障番号、最新の住所、運転免許証番号、就職先。これらがあれば比較的簡単に本人を追跡できる。“当局の追跡をかわす”という行動の75パーセントは、いとこの家に身をひそめる程度でしかない。そして9割までがどんなにごまかしても母親のところにいて、すぐに捕まえることができるものだ。  アダムのファイルから、誕生日と誕生地、社会保障番号、両親の名前と

          #19

           私立探偵は専門分野を持つことが多い。財務分析を得意として資産の調査を扱う人もいれば、監視を専門にする人、経歴調査を専門とする人もいる。うちはさまざまな分野を少しずつ扱う事務所で、行方不明者の捜索もやったことがある。今回も同じだ。ただ不明者を発見したとき肉を焼かれるという点だけが違う。それでも、オーガスティンの会社に家を取り上げられたら家族は路頭に迷ってしまう。事務所の名前が取り戻せることになったのがせめてもの幸いだ。  こういう考え方をしていても仕事のプラスにはならない。

          #18

           わたしはビルの外に出るまで足を止めなかった。風が吹きつけ、服を引っ張った。わたしはポケットから携帯電話を取り出し、バーンに電話した。 「今とりかかっている仕事をストップして。アダム・ピアースを追うのに全力を注ぎたいの」 「アダム・ピアースを追う? それ本気?」 「メールを見て」 「信じられないな」 「親戚関係、全経歴、犯罪歴、学校の同級生――すべてを調べないと。どんな情報も必要よ。情報は多ければ多いほどいい」 「ペンおばさんに言ったほうがいい?」  ああ、こういうことになっ

          #17

           オーガスティンはキーボードをたたき、コンピュータのモニタをこちらに向けた。一部に黄色で線を引いた書類が画面いっぱいに表示されている。 「これはきみの契約書だ。下線部分には、モンゴメリー国際調査会社からの仕事を断ると契約違反とみなされ、ローンの全額を支払わなくてはならない、とある」  わたしは歯を食いしばった。 「ローンの残額を一括で支払うことはできるのか?」  この男の首を絞め上げられればどんなにいいだろう。 「ミズ・ベイラー」オーガスティンは、わたしの耳に問題があるかのよ

          #16

           事務所のオーナーになって5年、モンゴメリー一族がうちに仕事を頼んだことは一度もない。どうかたいした仕事ではありませんように……。 「この男を捕まえてほしい」彼はデスクの上に一枚の写真をすべらせた。わたしは身を乗り出した。  アダム・ピアースの狂気の目がこちらを見返していた。 「何かの冗談ですか?」 「いや」  わたしはオーガスティンを見つめた。 「このところの数々の事件で、ピアース一族はアダムの身の上を心配している。彼を連れ戻してほしいとのことだ。無傷で。子会社であるきみの

          #15

          2  モンゴメリー国際調査会社の左右非対称のビルは、青いガラスでできた鮫のひれのようにあたりのビル群を圧倒してそびえ立っていた。数百のコバルトブルーの窓が太陽にきらめいている。それは、モンゴメリー一族の栄華を思い知らせ、その前にひれ伏させるための建物だ。わたしは畏怖の念を呼び起こそうとしたが、不安しかこみ上げてこなかった。  わたしは中に入って金属探知機を通り、輝くエレベーターへと向かった。オーガスティン・モンゴメリーからの伝言では17階となっている。ドアが開いたので中に乗り

          #14

           わたしは胃がひっくり返りそうになった。モンゴメリー一族はうちの事務所のオーナーだ。父の治療費が必要になったとき、自宅を売ったお金と貯金だけでは足りなかったために事務所をモンゴメリー一族に売った。厳密には抵当に入れたというのが正しい。ローンは30年で、毎月最低額の支払いをなんとかこなしている。抵当の条件により、うちの事務所はモンゴメリー国際調査会社の傘下に入ることになった。これまで、一族はうちの事務所になんの関心も示さなかった。小さすぎて親会社の役には立たないし、小切手が現金

          #13

           企業は普通元軍人を好む。時間に正確で訓練されており、礼儀正しく、求められればすばやい判断を下せる。しかし人事部の部長は軍レベルの魔力を毛嫌いする。地獄を呼び出す能力のある男が職場でストレスにさらされるのは困るというわけだ。こういった事態を回避するために、国防総省は軍レベルの魔力を持つ者たちの一部の記録を閲覧不可にした。記録が閲覧不可だからといって軍レベルの魔力の持ち主だとは限らないが、それを知っていれば心の準備ができただろう。ラトガーの件に対し、まったく別の方向から解決を図