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最近あったショックな出来事

最近超ショックな出来事があったので聞いてください。

私は研究の仕事をしていて、最終製品に近いものの研究をしています。

研究っていうと、
「最先端のまだ誰もやっていないことをやっている」
というイメージがあるかもしれませんが、研究にもいろいろあって、聞いたこともないような最先端の研究もあれば、業界の人であれば割と誰でも思いつきそうなことを実現する研究もあります。

調理に例えると、低温調理やエスプーマ※などが前者で、フライパンとか包丁の改良が後者のイメージです。
本筋とは関係ない参考ですが、エスプーマの説明↓

エスプーマ※とは、スペイン語で「泡」のこと。
世界一予約のとれないレストランとして有名であったスペイン「エル・ブリ」(現在閉業)のシェフ、フェラン・アドリア氏が、サイフォンを使い、食品に亜酸化窒素ガス(N₂O)を添加することで「空気のように軽い泡」の料理を作り話題となりました。それが“エスプーマ”です。この画期的な発想は、すぐにスペイン各地に、そしてヨーロッパ、アメリカ、日本にも伝わり、そのレシピが世界中を駆け巡りました。

エスプーマとは
エスプーマとは

自分の研究はどっちかというと後者で、革新的なものを作るというよりは今の製品の改良をしていく感じなんですね。

本題なんですが、最近中国の企業が力をつけてきていて、安かろう悪かろうではなく、そこそこ良くて安いものを出してきています。

性能自体はこっちの方が優れているんですが、性能はそこそこでいいよっていうお客さんにとっては安い中国製でいいわってなるんですね。

なんでも切れるスーパー包丁(高額)ではなく、それなりに切れる格安包丁の方が消費者にとってそっちの方が良いって感じです。

そして、ショックだったことが、競合の中国企業がものすごくコストダウンできる製品を販売してきたんです。技術自体は大したことが無くて我々でも思いつくような技術なんですが、品質にムラが出たり、トラブルが起こる可能性がある技術で、それを粗削りではありながらも形にしてきたんです。

これの何がショックかっていうと、うちの会社ではやろうとしても社内で却下されただろうなということが容易に想像が付くことです。というか過去に同じようなことを検討していたそうです。

うちの会社は企業規模が大きめなので、品質にこだわりすぎて粗削りの物は出せないし、スピード感も全然ありません。市場に投入してみて様子を見るということもなかなかできません。

高品質のものを目指すのは良いことなんですが、そこそこの廉価版を出せないと競争力が低下してしまい、このまま中国企業に淘汰されていくのではないかと思って、無力感に包まれてしまいました。

言語化がしにくいんですが、技術的に負けたというより、ことなかれ主義に負けた感があって、それがすごくショックでした。上層部も危機感はなく、「確かに安いけど性能は全然でしょ。今後の動向は見るけど気にしなくてよし」ということでした。
呑気すぎやしないか。

何が辛いかって、新製品を開発しようとすると、技術部署が「あれはダメだこれはダメだ」と文句をつけてきて、良いものを作ろうという気概が全然感じられないんです。性能は良くても今の生産装置で作れないものはダメと。とにかくこれ以上仕事を増やさないでほしいというのが伝わってきて、いくら提案しても暖簾に腕押し感があります。

まあ、愚痴を言っても仕方がないので、事業部と仲良くなってそこから攻めていこうと画策中です。社内政治が大事とよくいいますが、本当に重要なんだなと最近特に感じます。

誰に話を持っていくか、どこから話を詰めていくかで仕事のやりやすさが大きく変わります。結局いつになってもコミュニケーション能力が一番求められるんだなとヒシヒシと実感しました。

正直、研究と関係ない社内政治みたいなことはあんまりやりたくないなぁとモヤモヤしています。

というわけで最近ショックだったこと(ただの愚痴)の話でした。

おわり


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