正社員の賃上げ額は平均9,662円、賃上げ率は3.62%(2024年6月5日、「中小企業の賃上げに関する調査」)
2024年6月5日に発表された日本商工会議所と東京商工会議所との「中小企業の賃上げに関する調査」によると、中小企業が賃上げに対して多くの課題に直面していることが明らかになっています。本ブログでは、調査結果をもとに、社会保険労務士としての視点から中小企業が抱える賃上げの課題と対応について解説します。
1. 調査概要
本調査は全国47都道府県の1,979社を対象に実施されました。回答企業の規模は従業員20人以下が50.3%と最も多く、次いで21~50人が21.8%でした。業種別では、製造業が26.6%、建設業が15.2%を占めています。
2. 賃上げの実施状況
2024年度に「賃上げを実施予定」とする企業は74.3%に上り、前年1月の調査から13ポイント増加しました。しかし、依然として「防衛的な賃上げ」(業績改善が見られないが賃上げを実施予定)の割合が59.1%と高く、業績が好調な企業だけでなく、経営が厳しい中でも賃上げを実施せざるを得ない状況が浮き彫りになっています。
3. 賃上げ額と率
正社員の賃上げ額は平均9,662円、賃上げ率は3.62%でした。従業員20人以下の企業では賃上げ額が8,801円、賃上げ率が3.34%とやや低い傾向にあります。パート・アルバイトの賃上げ額は平均37.6円、賃上げ率は3.43%で、20人以下の企業では43.3円、3.88%とやや高めです。
4. 業種別の賃上げ
業種別では、その他サービス業や小売業で賃上げ率が高く、運輸業や医療・介護・看護業では賃上げ率が低い結果となりました。これにより、業種による賃上げのばらつきが顕著に表れています。
5. 賃上げに対する中小企業の声
調査結果から、中小企業は賃上げに対して以下のような課題を抱えていることが明らかになりました。
原資の確保が困難:最低賃金の上昇や物価高により、賃上げのための原資を確保するのが難しい。
大企業との格差:大企業の賃上げ報道に対して、中小企業は依然として厳しい状況にある。
利益の削減:電気代や人件費の上昇により、利益を削らざるを得ない状況。
人手不足:残業規制や働き方改革の影響で、労働力不足が深刻化している。
6. 社労士が提案する中小企業の賃金改革
中小企業が賃上げを実施し、持続可能な経営を続けるためには、以下の対策が必要です。
コスト削減の工夫:効率的な経営を目指し、無駄なコストを削減する。
政府の支援:賃上げに対する政府の支援策を活用し、経営の安定化を図る。
労働環境の改善:従業員の満足度を高めるため、労働環境の改善に努める。
7・社労士が支援する中小企業の賃金改革
社会保険労務士として、以下のような支援を通じて中小企業の賃上げに関する課題に対応します。
①現状分析での課題把握
②事業戦略との連動した人材戦略(欲しい人材の明確化)からの設計
③賃上げ:今すぐの対応、今後の対応の考え方
④定年延長、継続雇用延長とシニア賃金設計
⑤役職定年制の廃止
⑧同一労働同一賃金の確認
⑨スキルベース評価制度と賃金制度連携
8. その他の対策と支援のポイント
人手不足の対応
働き方改革に対応した労働環境の整備をサポートします。例えば、テレワークや時短勤務の導入支援。
労働市場のトレンドや求人広告の効果的な方法についての情報提供を行います。
モチベーション向上と競争力強化
従業員のスキルアップ: 定期的な研修や教育プログラムを導入し、従業員のスキル向上を図ります。
評価制度の導入: 公正な評価制度を導入し、従業員の努力が正当に評価される仕組みを構築します。
コミュニケーションの強化: 上司と部下のコミュニケーションを強化し、働きやすい職場環境を作ります。
賃上げに関する相談は、ぜひ私たち社会保険労務士にお任せください。
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