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【イベント】第25回日本医薬品情報学会総会・学術大会にてharmoの島田さんが講演しました。

harmo株式会社の島田さんが2023年6月11日(日)に行われた「第25回日本医薬品情報学会総会・学術大会」のシンポジウムにて登壇・講演しました。多くの医師や薬剤師の方々にご参加いただきました。
 
「第25回日本医薬品情報学会総会・学術大会」は京都薬科大学 躬行館で行われ、「サステナブルな医療を紡ぐ医薬品情報」をテーマに、2日間で1,300名を超える参加者が集いました。
学会詳細:https://www.c-linkage.co.jp/jasdi25/index.html


■講演情報テーマ:「世界患者安全チャレンジ・ケアの移行期の薬剤安全」を薬薬連携・ICT活用から考える」


<登壇者>
座長:松村 由美先生/畑 武生先生
演者:松村 由美先生/畑 武生先生/島田 昌典さん/深津 祥央先生/中林 保先生

<詳細>
第25回日本医薬品情報学会総会・学術大会
2023年6月10日(土)~11日(日)
※本講演は6月11日(日)に行われました。

■講演内容の要約


全体としては、座長の松村先生よりお話があり、弊社の島田さんからは電子おくすり手帳事業者としての視点で講演いただきました。最後には「総合討論」が実施され、様々な先生方からご意見や期待の声が寄せられました。

松村先生:「ケアの移行期の薬剤安全:おくすり手帳を活用したサステナブルな薬薬連携」

将来的には少子高齢化により、医師や薬剤師の数が減少していくことが予想されています。このような状況下で、医療の質を維持しつつサステナブルな医療を提供することが重要な課題となっています。課題の一つとして、患者さまが複数の医療機関で異なる医師から処方された薬が重複してしまうことで「薬害」が生じてしまいます。そこで、各医療機関で患者さまの情報を連携できる状況を創ることが重要視されています。
 
従来は、医療機関のみが患者情報を保持していましたが、今後は、患者自身がPHR(個人健康情報)を保有し、自身の薬物治療計画を把握することが、「薬害」の問題を減らすことが可能で、人口減少社会にも対応できる政策ではないかと考えています。
 
例えば、電子おくすり手帳を用いて、服薬中の薬の情報や、服薬チェックの機能で服薬状況を確認できるようにします。それにより、他の病院に行ったときや入院時、薬局へ行った際にも、患者自身の薬歴情報を医療機関で、電子的に開示することが可能です。
 
これによって、電子おくすり手帳の存在が、安全な医療の質を担保しつつ、誰も取り残さない医療の実現が可能となるのではないでしょうか。

島田さん:「電子版お薬手帳のこれまでとこれから~薬薬連携に向けて~」

本シンポジウムにおけます薬剤安全を考える上で、薬薬連携に関して、電子おくすり手帳でできることの役割や、描いている未来についてお話します。
 
おくすり手帳の目的
おくすり手帳は、医療関係者に必要な情報を伝えるために記載する手帳のことです。目的は大きく2点あります。
①相互作用や副作用防止のために使う。
②緊急時の処方確認に使う。(←以前、震災時などで活躍しました。)
 
「紙」と「電子」のおくすり手帳の違い
・紙のおくすり手帳
  長所:提示がしやすく、一般的に普及している。
  短所:長年お使いいただく患者さまは情報の継続性が弱い。
・電子おくすり手帳
  長所:一度アプリを入れるだけで生涯管理が可能。家族間単位で使うことも可能。
  短所:医療機関で提示しにくく、預けにくい。
 
電子おくすり手帳の基本機能
現状、一般的に使われているのは医薬品情報提供書のQRコードを読み込むと、すぐ薬剤情報をアプリ内に取り組むことができる仕様です。一部対応していない薬剤やOTC医薬品なども手入力で入れることが可能です。
 
また、服用アラーム機能があり、アドヒアランスを高めるツールの一つとして使える機能です。薬の写真表示もされるため、情報を見やすいというところも特徴の一つです。
 
医療機関への提示は、ワンタイムパスコードという共通規格を用いてることで、提示が可能です。 

今後の展開
薬局から病院、病院の入院中、そして退院に至るまで、あらゆる場面において薬剤情報というのは繋がなければなりません。各医療機関での情報連携を簡単にするツールの一つとして電子おくすり手帳が担えるのではないかと感じています。その結果として薬剤管理、医療安全の実現に繋がっていく社会を目指して、電子おくすり手帳事業者の立場として、尽力していきたいと考えております。

■総合討論

松村先生率いる、各先生の発表が終わった後、総合討論の時間がありました。数多くの医師・薬剤師の方々から、多くの質問や、期待の声が寄せられました。特に印象的だったのは、ある先生のコメントでした。
 
「電子お薬手帳を一般的に普及させるには、マイナポータルのように国が主導してポイント配布など啓発活動をすると、より多くの方が登録する施策があると思います」
 
このコメントに私自身、すごく納得しました。電子おくすり手帳を国民により浸透させるためには、国との連携を通じて圧倒的なメリットを提供する施策が手段の一つだと感じました。

■最後に

今回、この記事を執筆している広報担当の北畠は、人生で初めて学会に参加いたしました。以下は、個人的な見解になりますが、学会での経験から、医療の未来に本気で取り組む医師や薬剤師の方々の姿勢に衝撃を受けました。現状の医療の課題から目を背けず、数十年後に少子高齢化がより進行しても、今の医療の質を将来にも繋いでいこうという、先生方の熱意や将来への取り組みを感じました。同時に、harmoが各医療機関に導入することで、今世の中が抱えている薬害の問題を解決できる存在になりたいと思いました。
 
また、医療の背景を学び、電子おくすり手帳の将来像について考える中で気づいたことは、医療機関側での使いやすさとユーザー目線での使いやすさは全く異なるということです。ユーザーの視点で考えると、医療機関の連携よりも、ユーザーが手軽に利用できるかが重要だと感じました。同様に、ユーザーが使いやすいだけでは医療機関に広まりません。したがって、harmoは医療機関とユーザーの両方にとって使いやすいシステムを構築するために取り組んでいく必要があります。
 
harmoは大切なひとをもっと大切にするために、医療機関や患者さまの声をサービスに反映させていき、誰もが使いやすいサービスにしていきます。

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