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コンサルが最近読んだもの・観たもの9

こんにちは。
外資コンサルタントのあるぱかです。
ここでは、自分に刺さったinputを備忘代わりに書きなぐっています。
趣味嗜好が似ていると感じた方はぜひオススメの記事や本、
podcastなどなど、なんでもご紹介ください。
それでは今週の読んだ・観たです。


読んだ/読んでいる(記事)


■三月のライオンの考察がすごい

以前私も書いた将棋漫画「三月のライオン」に関する考察記事。登場人物が他人を頼るとき、他人に頼られたいとき、モチーフとして必ず甘いものが登場するというもの。

気付かなかったぁぁぁ~~~~~~。こういうのを考察っていうんよなぁ。読みが浅い私が何年かけても届かぬ境地よ。

てか、今更ながら主人公の高校の恩師が3巻でだれにも頼ろうとしない主人公に言った言葉はこの漫画のテーマの一つなのではと思い始めた。

「一人じゃどうにもならなくなったら誰かに頼れ。でないと実は誰もお前にも頼れないんだ」

一人で生きていくのが強さです。誰にも寄りかからず生きていくのが成熟した大人ですと。なんとなくそんな雰囲気を感じ取ってここまで生きてきたのですが、実はそんなことはないようです。他社と頼る-頼られるの関係を結ぶこと。頼ったら拒絶されるかもしれない、自分のキャパ以上に頼られて期待に応えられないかもしれない。でもそんな不安を乗り越えて、個の自立・独立の更にその先にある関係を結ぶこと。これこそが本当の成熟した大人の姿なのかもしれない。そんなことを考えました。


■切り捨てない、長く付き合う

個人的に推しているベンチャー10Xの社長のブログ。「長く付き合う」という技術について。冒頭から自分に近いものをを感じる。

自分は今よりずっと断定的な人間でした。どういうことかというと、以下のような特性が(今よりもはるかに)強かったと考えています。
-自分の価値観をはっきりさせ、対象とのFit&Gapを明確にする
-自分と価値観が合わない場合は第一に距離を取る
-もしくは自分か相手に「すぐ」変化を促す

誇ることでもないけど、自分に合わない人はすぐに分かる。仲良くなれない人間は初見でわかる。立ち振る舞い、表情、言葉使いなどなど、どこかに強めの自意識を感じると自分の中でシャッターが降りる。第一印象苦手だったけど、話していくうちに意気投合したよ!なんてことはあまりない。バイアスかかってるよねって指摘を受けたことがある気もするが、自分を守るうえではこの直観に従うことがとても重要だったりする。

ただし、自分との差異を素早く知覚し、修正を促すこのスタンスは浅い人間関係では一定機能するけども、深い人間関係を築くにはきっと有効じゃない。このスタンスだと「深い人間関係=深いところ・細かなところまで差異がない人間関係」なんだけど、そうなるともうちょっとのずれも許せなくなってくる。でも自分と完全一致する他人なんているわけもない。
まさにLOVE FANTOM(B'z)

ふたりでひとつになれちゃうことを気持ちいいと思ううちに
すこしのズレも許せないせこい人間になってたよ

だから、記事にもある通り、たぶん大事なのは差異を感じたときにその差異をあるがまま受け止めること。

これらを繰り返す中で事象に対するパートナーのスタンスは明確に違うことに気づきました。彼女は「ズレに対してその場で答えを出すことを急がず、長く付き合う」という技術を使っていたのです。

修正もしない、切り捨てもしない、今すぐに答えを出そうとしない。一生付き合うことを前提に。こういうのを愛というんですかね。


読んだ/読んでいる(本)

■What is 因果関係

統計勉強していくうえで、因果関係に関する入門としてご紹介いただいた本。本気で因果関係を検証するなら、比較グループと介入グループをランダムに振り分けたランダム化比較試験が最強だけど、それ以外にもやりようはあるよねということで、RDデザインや集積分析の例がいくつか書かれてる。

自動車重量が重いと燃費規制が緩和される制度を利用して、燃費規制ボーダーに近い重量の車は各メーカー重めに作りがちなことが分かった。だから本来軽かった車も緩めの燃費規制を狙って重めに作られてしまうそうで、燃費規制は思いのほかエコに貢献してないとのこと。

一方、対照的なのは累進課税制の国のサラリーマン。日本でも採用されている累進課税制は燃費規制とは逆。ボーダーとなる年収を超えると、より高い所得税率が適用されてしまう。年収をある程度コントロールできる自営業の方はボーダーとなる年収の手前に集中するけど、サラリーマンはそこまでコントロールできないから、ボーダー手前に留まることができない。

こういった研究結果踏まえて、ifの世界線を観測できない我々が「因果を証明するには」を丁寧に書いてくれている。ゆるゆるロジックで相関関係に過ぎない何かを因果があるかのようにしゃべっているのが申し訳なくなってくる…


というわけで今日はここまで。最近どんどん紹介しているコンテンツが減ってきてる…

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