見出し画像

つねる

 変な場所に来てしまった。

 たくさんのドレス。
 たくさんのきのこ。
 たくさんの座布団。
 
 どれもピンクや水色なんていう可愛らしい色で、ちぐはぐだ。

 おかしな世界に来てしまったらしい。
 いや、これはきっと夢だ。

 僕は頬をつねってみる。

 びっくり。
 痛い。

 確認のため、手の甲をつねってみた。

 今度は痛くない。 

 頬は現実、手は夢の中。

 なんだか怖くなってしまった。
 目覚めたくて仕方ない。

 僕はいろんなところをつねってみる。

 足から順番に上へ、上へ。

 全然痛くない。

 そして、また、頬に来た。
 
 つねる。
 痛くない。

 どうやら、僕は夢に呑まれてしまったようだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?