番地
番地が欲しい。
僕の家はあるのにない。
ここにあるのに、地図にない。
調べたって出てこない。
番地が欲しい。
誰に言っても困った顔。
僕だって困っているのに。
番地が欲しい。
僕は毎日人の番地を見ている。
七、八、九。
十三、十四、十五。
そこで気づいた。
僕は十三と十四の間にある。
だから、番地を与えてもらえない。
十三点五なんて番地は変だから。
だったら、あとは簡単だ。
僕はマッチを持ち出す。
一つ消せば、僕のもの。
隣の家に火を放つ。
僕は十三の番地をもらった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?