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旬の食材をいただくことが最高の薬膳効果を生む

食養生しょくようじょう」という言葉を聞いたことはありますか?

自己回復力を整えることを「養生」と言いますが、この養生には「食養生」「体養生」「心養生」と3つに分かれます

その中でも食養生は、食べ物を通して自己回復力を整えようという考え方なんです!

「最近、身体の調子が悪い気がするなー」

そんな気がする方は、食に気を使えば自己回復力が整うかもしれません

特に今回は、「旬の食」をメインにお話していきます!

  1. 気・けつ津液しんえきが身体を形成する

  2. 秋の旬の食材はこれ!

それではまず最初に気・けつ津液しんえきから学んでいきましょう!

漢字は難しく見えますが、内容はとても簡単なので安心してくださいね

気・けつ津液しんえきは身体を形成する東洋医学の考え方

東洋医学は気・けつ津液しんえきという3つが身体を形成しており、一つでも崩れると体調不良になるという考え方があります

「気」は人間の体を動かす根源エネルギー

「気」は生命を維持するには欠かせない要素です

血液や水分、臓器を動かす役割があり、自律神経系や内分泌系の働きに関わっているんですね

目には見えませんが、まずは意識することが大切です

けつ」は体の中を流れる赤い液体

その名の通り、血液です。ヘモグロビンが全身に酸素や栄養を運び、ホルモンバランスを調整します

津液しんえき=水分」は体内にある透明な液体

人間の身体の60%は水です。そのくらい重要な要素で、尿やリンパ液などのあらゆる水分を指し、免疫力に深く関わっています


気・けつ津液しんえき
がどれか一つでも欠けると、体調不良になります

車で例えると、

  • 気は運転手

  • 血はガソリン

  • 津液は熱を冷ますラジエーター

どれも欠かせない存在ですよね。逆に言えばこの要素が正常なら、どこまででも走れる非常に優れた車と言えます

あなたの身体も気・血・津液を整えて、パーフェクトな体調管理をしましょう!

秋の旬の食材はこれだ!果物・魚・野菜

秋の旬の食材はこれです!おいしい食の選び方も説明しますがボリュームがあるのでサラーっと流し読みでOKです

果物

  • ぶどう

    • 全体的に色づいているもの
      粒にシワがなくハリがあるもの
      軸がしっかりしているもの
      白い粉のようなもの(=ブルーム)が出ているもの

    • 全体的に色づいているもの
      ずっしりと重みがあるもの
      皮やヘタにハリ・ツヤがあるもの

    • ふっくらと丸みがあるもの
      表面の鬼皮が固く、ハリ・ツヤがあるもの
      ずっしりと重みがあるもの
      冷蔵または冷凍で流通しているもの

    • 皮にシワがなくハリがあるもの
      ふっくらと丸みがある形のもの
      ずっしりと重みがあるもの

  • サンマ

    • 目にハリがあり、陥没していないもの
      目が赤くなっていたり、白く濁ったりしていないもの
      お腹部分に弾力があり、頭から背中の部分が盛り上がっているもの
      下顎の先端や尾ひれの付け根辺りが黄色くなっているもの

  • 牡蠣

    • 殻に厚みがあってふっくらとしており、重たいもの
      身がふっくらとしていて、少し黄色みがかったもの
      貝柱が大きく、半透明のもの

  • カツオ

    • 皮と身の間に脂肪が多いもの
      切り口が虹色のように光っていないもの
      身が透き通っており、深い赤色のもの
      血合いが付いている場合は、血合いが黒くなく、鮮明な朱色のもの

    • 皮にシワがなく、ハリのある銀色のもの
      身が全体的にふっくらとしていて硬いもの
      身が鮮やかなオレンジ色のもの
      切り口に艶があるもの

野菜


  • きのこ類

    • 表面が乾燥していないもの
      軸の部分が丸くて短く、固いもの
      白と茶色のコントラストが鮮明なもの
      かさの部分に弾力があり、裏側のひだが黒ずんでいないもの

  • れんこん

    • 太くてふっくらとしているもの
      ずっしりと重みのあるもの
      表面にツヤがあり、傷や茶色いシミのないもの
      切り口が紫色になっていたり、穴の中が黒ずんでいないもの

  • さつまいも

    • 皮にシワや傷、凹凸、黒い斑点がなく、ハリのあるもの
      ずっしりと重いもの
      色づきが均一で鮮やかな紅色のもの

  • じゃがいも

    • 皮が薄く、シワがなくてなめらかなもの
      芽が出ていないもの
      ふっくらとしていて、重みのあるもの
      緑がかっていないもの

  • かぼちゃ

    • 皮が固く、表面にツヤがあるもの
      丸みがあり、左右対称なもの
      ずっしりと重いもの
      軸が太く、切り口が乾燥しているもの
      軸の周りが少し凹んでいるもの
      果肉が肉厚で濃いオレンジ色のもの
      種が膨らんでいるもの(熟しているもの)

参考:https://haraheri.net/article/1044/japanese_autumn_food

おいしい食の選び方も説明していますが、これは参考程度でOKです

とにかく旬の食を取り入れることで、食養生の効果が高まります

旬の食材を取り入れる意味を考える



旬の食材は季節によって移り変わり、

  • 旬の初めに出てくるものは「走り」

  • 真っ只中に採れるものは「盛り」

  • 終わりに出てくるものは「名残」

といいます

「走り」はその季節に初めて収穫されたり、出回りはじめたりした食材のことです

新しいものや初めてのものをとうとぶ習慣から、走りものは縁起がよいとされています

「初物は西(東)に向かって食べなさい」と言われますが、東日本では西に向かって食べる。西日本では東に向かって食べると東西で違うようです

しかしながら、大きな意味合いは同じで、

西に向くのは「仏教で極楽浄土のある方角である仏様に感謝しましょう」という説があり、

東に向くのは「収穫は太陽の恵みがあってこそのもの。その太陽に感謝しましょう」

という意味が込められています

その季節の食材を初めて食べるときに感謝をするというのは、とても日本らしくて良い習慣だと私は感じます

出会いもので食を楽しみ相乗効果を生む

そして、旬のもの同士を合わせて食をいただくと「出会いもの」になります

秋刀魚であれば、すだちとの組み合わせをよく見かけますが、これが秋の旬同士の代表的な「出会いもの」なんですね

他の季節では、

・冬:ぶりと大根、さばと大根
・春:鯛とかぶ、たけのことワカメ
・夏:鰻ときゅうり、はもと松茸

などがあります

食材は、その季節の旬に食べるのが一番おいしく、薬膳的な効果も高くなります。

そして、走りや名残より、盛りものが特に薬膳効果が高いです

同じ旬の盛り同士を出会いもので食べることで、相乗効果でより食養生を整えることができるんですね

季節から季節へと身体の状態を上手にバトンタッチするには、旬の食を取り入れることはちょうど良い効果を発揮するので、今後の人生で旬の食を意識することはオススメです!

「旬の食材」と検索すれば情報が沢山出てきますので、調べてみてくださいね

外食でおすすめしたいのは、「本日のおすすめ」を食べることです

良いお店であればあるほど、旬の食材が並び、季節の食材の栄養素をとてもおいしく摂り入れることができます

旬の食材には、その季節の不調を予防し治してくれる力があるため、意識して楽しみながら食事の選択をしてみて下さい

日本料理屋さんにも足を運んでみてくださいね

私は師匠から教えてもらったのですが、日本料理屋さんがとってもオススメです

少し値段が高いところも多いですが、自分へのご褒美にもなるので足を運んでみてください

日本料理屋さんは、そのとき一番おいしい旬の組み合わせを出してくれます

「和食」はユネスコの無形文化遺産にも登録されるほどのもので、

食事はもとより、お皿や器、お花などで日本の文化そのものを体感することができるのでとても心が豊かになります

旬を感じながら食べると身体に良いのはもちろんのこと、美味しさで心も幸せに満たされ、更には旬がわかって勉強にもなる一石三鳥です!

初物四天王

初物の話をもう少し紹介します

初物は古くから日本人が何よりも好んで食べた食材ですが、その初物の代表を「初物四天王」と呼んでいます

初物四天王とは「初カツオ」「初シャケ」「初ナス」「初キノコ」の4つの食材です

なかでも江戸っ子が特に好んだのが「初カツオ」や「初ナス」、「初キノコ」といわれています。特に初カツオは1匹1両という並外れた値段でも躊躇せず買い求め食べていたそうですよ

ちなみに1両とは今の金額に換算すると、江戸の時期によって差がありますが、初期の頃では10万円前後、中~後期で3~5万円にもなります

江戸っ子の潔さいさぎよが伺えますね

初キノコとは、言うまでもなく『松茸』のことです

江戸時代も今と変わらず非常に高価だったようですが、今の松茸よりも大きく、傘は握りこぶしほどもあり香りも良かったそうですよ

初ナスは、「一富士二鷹三茄子」ということわざが駿河の国にあり、睡眠中に見ると縁起が良いとされていました。これは今でも初夢で見ると縁起がいいものとして良く知られていますね

縁起の良い理由は富士山は「不死」、鷹は「高い」、茄子は「成す」が由来といわれています

三番目の茄子も昔の人にとっては大変縁起の良い食材とされ、江戸時代に献上品として重宝されたそうです。そのため茄子農家は栽培方法を研究し、より付加価値を高めようと必死だったということです

まとめ

いかがでしたでしょうか?

近年、農作物や漁業の分野も科学技術が進歩し、多くの食材が季節に関係なく手に入る様になりました。それでも「初物」と呼ばれるものは店頭に並び、私たちはその「初物」を目にすることによって改めてその季節の到来に気づかされたりします

そして、昔から「初物を食べると寿命が延びる」ともいわれる縁起担ぎや、ことわざを思い起こしながら、この限られた期間の自然の恵みを喜んで食べてください

日本の素晴らしい食文化の風習を大切にし、季節の食材を食べて健康な毎日を過ごして行きましょう


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