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オランダ デルフト①フェルメールの故郷へ
今年の2月から6月まで、アムステルダム国立美術館に於いて、フェルメール大展覧会が開催された。
全37作中、28作が集められ、空前絶後の展覧会と謳われた。
私は開催から2日目に、この展覧会を訪れた。
こんなきっかけがあり、今年は私にとってのフェルメールイヤーにしようと思い立ち、再度オランダに足を運んだ。
次の行き先は、アムステルダムではなく、彼の故郷デルフトだ。
街には、彼がここで暮らした軌跡が、あちこちに残っている。
彼はこの街に住み続けたので、その出生から亡くなるまでを振り返りながら、縁ある場所を訪れる事にした。
新教会 Nieuwe Kerk 洗礼を受けた教会
旧教会に対し、新しく建てられたのでこの名前が付けられているそうだ。
建築年は1496年。
教会の高さは108mで、オランダで2番目の高さを誇る。
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コンビチケットを購入すると、新旧教会の見学と新教会の塔に登ることができる。
(通常チケットは、新旧教会の入場のみ)
まずは、塔から登るのがコースとなっており、一方通行ではないので、誰かとすれ違う時は、かなりきつい。
擦り減った木の階段。
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376段を登り切ると、この景色!
眼下には、市役所と旧教会。
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街を縦横に走る運河も、はっきりと分かる。
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遠くには、デルフトの眺望を描いたとされる場所も。(写真中央、川が曲がっている辺り)
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この教会は、オランダ王家のお墓として使用されており、中でもオランダ独立の父、オラニエ公ウィレム1世のお墓は大変立派だ。
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彼は、スペインからの独立を導いた英雄。
オラニエ公のOranjeは、オレンジの意味があり、そのためオランダでは、オレンジ色が国を表す色となったそうだ。
教会前方には、お墓の位置と、そのお名前が刻まれているオレンジ色のシートが敷かれており、順番にその歴史を学ぶことができる。
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パイプオルガンとステンドグラスも、とても美しい。
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教会裏手の庭には、フェルメール作品、牛乳を注ぐ女の像が。
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空飛ぶキツネ亭 Fliegende Fox 生家
元々はレストランだったそうだが、今はカフェに変わっていた。
建物に、フェルメールが生まれた家と書かれている。
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メッヘレン亭 居住地
こちらは、House of Vermeerという名前のお土産屋さんになっている。
広場の目の前なので、見つけやすい。
しかし、よりによってメッヘレンという名前とは、思わず苦笑してしまう。
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アトリエ
この場所は、新教会のすぐ隣、マリア・ファン・イェッセ教会敷地の一部のようだが、Oude Langendijk通りに面している。
建物に表示された看板で、フェルメールについて紹介されていた。
看板の案内によると、こちらの3階部分を、アトリエとして使用していたようだ。
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結婚後の居住地
サブウェイの隣の場所。Markt 59
こちらも広場に面した場所で、居住地だった家のほぼ反対側なので、すぐに見つけられる。
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絵画『小路』の場所
小さなドアが付けられているこの場所が、あの小路の場所。
かつての納税記録などから、ここには彼の親戚が住んでいたそうで、彼がよく知る場所であった事に間違いはないそうだ。
Vlamingstraat 40-42
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右側の建物の特徴的な凹凸は、フェルメールの想像で描かれたものだという。
(当時、この地方では、このような建築はされていなかったそうだ)
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絵画『デルフトの眺望』の場所
私はこの景色を見るために、この街にやって来た。
大火事で教会が焼けた後に、ここに立ったフェルメール。
彼の心の目にはまだ、教会が街の中心に高く聳えていたのだ。
そして、私の目の前にも、彼の描きたかったデルフトの街並みが、ぼんやりと浮かび上がった。
実はこの場所は、滞在中に2度訪れた。
一度目は、低い雲が重なり、今にも雨が降りそうな空だった。
翌朝にはすっかり晴れたので、朝食前にお散歩がてら、もう一度この場所に足を運んでみた。
その時の写真が、こちら。
実際の絵より、随分明るい雰囲気になってしまったが、前日にはなかった大型の船が、絵と同じような場所に停泊しており、一層絵に近づいた気がする。
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大きな空
大きな雲
丁寧に描き込まれた建物
水面に反射する建物
川辺を歩く人々
白い点で表現される光の粒
この一枚の絵は、まるでタイムマシンのように、私を1660年へと、そして彼の心の中にまでも、連れて行ってくれる。
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旧教会 Oude Kerk お墓
デルフトのピザの斜塔とも言われるほど、この建物はかなり傾いている。
この街で一番古い教会で、1246年に建てられたそうだ。
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中は、高く白く、とても明るい造り。
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教会の前方左手に、フェルメールのお墓がある。
フェルメールの母が、家族葬のためにこの場所にお墓を買ったそうだ。
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そして、この旧教会には、アントニ・ファン・レーウェンフックのお墓もあった。
初めて顕微鏡を使い、微生物を観察した微生物学の父と呼ばれるかただ。
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フェルメールが描いた天文学者や地理学者は、彼がモデルとも言われている。
後に、彼の遺産管財人も務めた、彼とゆかりの深い人でもある。
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2023年は、私にとってフェルメールイヤー。
訪れてみたかった街を、ようやく訪れることができた。
この街でフェルメールが見た景色、そしてフェルメールが私達に見せたかった景色を、そっとなぞる。
デルフト焼きのブルー。
フェルメールの好んだラピスラズリのブルー。
私が見たデルフトの青い空。
この街は、どこも青で包まれていた。
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アムステルダムのフェルメール展
オランダ・フランドル画家繋がりで、ルーベンスの生まれた街ジーゲン
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