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溺れるのは夢の定

再び、
の前に、一度目はあった
霞むほど遠いくせに、
視界の外であり、盲点

あのとき吸い込んだ空気の一部は今も
肺の片隅でせっせと涙を作り続けているから
たったひとりで溺れている、胸が痛い

あまり鮮明でもない君の顔は
鼻の形ばかりよく覚えているせいで
いつも見つめ合えないままの夢を見る
深く吸い込んだ酸素は儀式のように
僕を満たしては、枯らしていく。果てに待つ窒息、
避けられぬ目覚め

再び朝の日は昇る、一度目はもう、こない

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