灯りの詩
何と言葉を重ねても、多分これから生きていく中でどれだけ時が重なり合っても、伝えきれることなど無いのだから、決して触れ合わない手を、まるでアザラシのように小さく振り合って、生きているよ、ここにいるよと、信号
今日この場所に来るまでの道のりは、ほとんど君のいない時間だったくせして、それさえも君に出会うために用意されていたみたいに、誇らしげに振り返るのも照れくさいほどに、でなければ生きている意味なんてある?と、露ほども痛まない、過去
例え君とこの先ずっと、顔さえ合わせることすらなく、ただ生きていることの証明と毎日のすり減った心を通わせるだけの、星間連絡であったとしても、この広いばかりで役に立たない夜の中ではそれだけが導くように射抜く、灯台
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