宿木
誓ったわけでもないけれど
明日を未来とよんでいた
宿木は知らずに枝を伸ばした
違う色の花がきれいと笑った
美しくなんてないけれど
涙すらこの日のためと信じられた
毒をすすんで飲み下した
鈍い痛みが光って消えた
置いていかれないように探したのはいつも
長く誇張された影のままで
眩しくて逸したスキに影は
焦げ付いてもう動きやしないや
珍しく泣いてはいないけれど
両手が乾いて届かないや
宿ったはずの魂がここで
根を張って吸い上げた いつかの夢まで
遅すぎるなんてことはないけれど
縋るにはもう 少し遠すぎて
憧れだけでこの葉を彩って
悔やんで 咲いて 生きて
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?