近づけば空の色は
届きそうだと伸ばした空は
近づくほどに淡くぼやけて
あれほど輝いた薄縹すら
網膜を揺らす事はなくて
いつか僕が君に 苦しい笑顔で
ついた白々しい嘘に似た温度が
僕を指先から雲のかけらのように
凍らせていくならそれもいいか
透けて通るなら いっそこの身まで
好いて終わるなら いっそこの身まで
濁った雲から降り出した雨が
この世の何より綺麗だというなら
流れていくから
消えていくから
どうかつまらない恋でいさせて
いつか君が僕に 楽しげな声で
伝えたキラキラ眩しい真実に似た痛みが
君を花のように解き放っていく
魔法だと言うならそれもいいか
飽いて悔やむなら いっそ心まで
空いて白むなら いっそ心まで
星が見えそうな街の暗がりで
この愛が何より強いと喚いて
枯れていくから
朽ちていくから
どうか明けない夜にいさせて
どうか罪のない猫でいさせて
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