星をみる約束
君はいつも、なにかと戦っていた
昨日の自分と、
夕立ちと、
コンビニの自動ドアと、
寝ぐせと。(そして君は寝ぐせに勝ったことがない)
僕らには須らく万有引力が備わっている
僕らだけがこの星に引き付けられるのは理不尽だ
そう言って君は
この星を出た
夜の空に、手をかざしてごらん
君の万有引力を、僕は宇宙から証明しよう
約束だ、と言って
君は大気圏を超えていく
手をかざした夜空から
溢れる様に、星は指をすり抜ける
私の万有引力に従って
心にクレーターをつけながら
君から見える私はきっと星にすらなれなくて
君には見えない流星で頬を濡らして
かざした掌をぐっと伸ばす、君に向けて
痛いほど押し上げて
どこかで光る君に見えるように
無重力な寝ぐせを押さえつけるように
だから
いつか帰ってきた君に、思いきりハグをして
君の万有引力を私はここから証明しよう
約束だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?