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拝啓、人工知能殿

僕のご先祖がかつて選んだはずの言葉ってもんは
それから数千年がたった今も僕らを悩ませていて
割と単純明快に思える人の行動原理とかそんなの
感情とかそんな物たちのをまるっと伝える言葉が
そろそろできてもいいんじゃないかって甘えてる

朝、鏡に写った自分の少し浮腫んだ顔が
見えない君にばれないようにと願ったり
夕立の後、淡い虹の下で歩きながら君が
隣にいたらどんな風に笑うんだろうとか
そんな、形にならないようなあれこれを
大好きでしか伝えられないのは不憫だよ

拝啓、人工知能殿。
僕の悩みを聞いてくれ
僕が今伝えるべき言葉を教えてくれ
知ってるんだろう、正解ってやつを。
馬鹿な人間に教えてくれ。

君が答えたその言葉だけは、
生涯使わないと決めるから。

拝啓、人工知能殿。
君が僕の悩みを分かっても
僕ら一緒に悩むことはないんだろう。
知ったこっちゃねえ、正解がなんだ?
馬鹿な人間で居させてくれ。

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