千歳くんはラムネ瓶のなかシリーズ感想文

今まで千歳くんはラムネ瓶のなかの私の感想や評価はTwitterの方で書かせていただいていたので満足していたが6巻に少しの違和感があるので言語化するために書かせていただく。

なお、ちゃんとした考察が読みたい方はhttps://twitter.com/umirikokami?s=09さんやhttps://twitter.com/tunawatari_sk?s=09さん、https://twitter.com/hatbigboys?s=09さんのツイートや考察ブログに行っていただきたい。



では、千歳くんはラムネ瓶のなかという1~6を通したシリーズとして私の感想を語らしてもらおう。なおここから先大いに私の主観がまじり、かつ最新6巻までのネタバレを容赦なく含むのはご理解していただきたい。

私の千歳くんはラムネ瓶のなか(以降チラムネ)ライフは1巻発売時にたまたま手に取ったことから始まる。そもそも私はライトノベルを積極的に読むと言うより、好きな本がライトノベルなら読むというタイプで俗に言う異世界転生ものなどはほとんど読まない。そんな中、平坂読先生の「妹さえいればいい」や伊達康先生の「友人キャラは大変ですか」という作品から小学館ガガガ文庫に触れ、その流れで他にいい本を探している時に行き着いたという感じだ。

1巻を買った瞬間そこまで期待はしていなかった。新人賞を取っているがくらいが高い賞ではないし、何より新人賞だ。恋愛や青春ものなら簡単に書ける。買ったあとの瞬間は少し後悔したことだ。

しかし、1巻を読んだ瞬間後悔したことを後悔し、運良くこの本に出会えたことに幸福を覚えた。私は過去にこんな素晴らしい本を読んだことがなかった。まず序盤の擬音を使った高レベルな背景表現技法、さらには芯がしっかりしてるキャラクター達、そしてトドメのベタをベタと思わせないような意外性があるストーリーに度肝を抜かれた。特にストーリーでは、私はいわゆる陽キャ陰キャなどという区別があるなら陰キャに入るが、そこまでそこにこだわりを持ったことがない。そのため、広告的に置いてあったらリア充ラブコメなる一説を読む前は自身が都合がいいように考えてしまっていたが、読んだ後、それは違うと確信できる。  


ここまで1巻について私の感想を語らしてもらったが私にとっての最大の衝撃は二巻である。この巻のテーマは恋愛。この巻によって私の人生は大きく変化したのは事実だろう。

私にとって長年(少なくとも当時で4年以上)考えていた内容が恋愛とは?ということだった。この巻は私にその疑問に対する答えをくれた。無論間違えなく中身も素晴らしい。特に私は考えているように見え、それを踏まえて考えて行動してる女性はとても好きなのでヒロイン像として悠月はとても好きなキャラである。また、特に悠月と朔の掛け合いは読んでいるだけでテンポよく私にとっての理想のシチュエーションだ。

話を戻そう。この巻でポイントとなっている「恋愛」ネタバレであるが千歳くんはラムネ瓶のなかでは悠月が自分が思うものが恋愛だという結論を出しており、私はそれに同調しているのだが、それが最新6巻まで続いているのでこの点をしっかり覚えておきたい。


では、3巻の方に。ただ、3巻4巻共に私が語るべきはずの言葉を持っているのか怪しいところではある。なぜなら、3巻4巻共に1冊の本や千歳くんはラムネ瓶のなかというシリーズとしてクオリティが高く素晴らしい作品であるのは間違いがないが、テーマとなっている「将来」「部活動」というところに私自身の人生から来るものがあまりないからである。ですがこんなもの書いているので前節より薄っぺらくなると思うが書かせていただく。

本題の3巻である。テーマは前節で触れたように「将来」とくに進路選択である。この巻で朔と明日姉は東京に訪れるが彼らが通ったところがちょうど当時の通学路だったこともあって少し興奮したのを覚えている。この「将来」というテーマだが、先程も語らしてもらったように私に語らる術はないように思う。なぜなら私は周りの反響も踏まえて、「将来」の選択に迷ったことがなかったからだ。多くの青春小説で語られるこのテーマだが私にはピンと来ないものでもある。しかし、それでもこの本が面白かったというのは間違いない事実である。ここで、高一まで北陸の私立中高一貫に通ってた経験から地方の進路選択について語らせてもらおう(興味ない人はこの章を飛ばしてもらって構わない)。基本的に分野が決まってなく、とりあえず大学をめざしている人はその地元の国立や県立の大学を目指す。最大の理由は手に仕事が着くからというのが大きい。また、この理由から高専や工業高校などを中学の時点で目指す人も少なくない。では、他の選択肢はどうなのかというと基本的には関西・関東の有名私立、とてもできるなら東大京大という選択肢になってくる。ここでポイントなのが都市部と違い私立を狙うという人はとても少ないのである。これは地方国立信仰というものもあるがそもそも周り(県内)に私立が多くない(あっても総合大学は1校や2校)そのため考えに入らないのである。無論医学部をめざしていたり、自分で分野を決めて県外の大学を自分から志望する人もいるが実に少数派である。そのため、明日姉の「東京の有名私立を第一志望に」(作中の描写的に恐らく早稲田大学)というのをいくら成績が良くても周りの大人が反対するというのはとても多いのである。

話を戻そう、この巻の別のポイントにページ数が400を超えたというところがあるだろう。読み返してもそんなに長く感じないのだが、前巻より100ページ近く増えている。また、SNS上の反響が多かった巻であるように思う。更に、この巻はもちろん西野明日風の巻でもありつつ千歳朔の巻にもなってきたように感じる。1巻で片鱗を感じつつ、2巻で離婚の話が出た千歳朔だが明確な過去を自分の口だけでなく他者の見方からも語られ、更には彼自身の成長へとつながっている巻であるのは間違いがないことだろう。

あとは個人的にとても好きなのがショッピングモールの帰りの朔と海人のやり取りやアニメイトに行く辺りの健太・和希・朔の絡みがとても好きです。ここら辺の会話は男子高校生感あって人間味がとても出ていて好きです。


次に4巻である。この巻個人的にはとても難しい。私は部活特にスポーツに打ち込んできた経験がないので本当に語るところがない。あえて言うなら実は直前の巻よりページ数が減っている(400ページは超えているが)いまのところ唯一の巻である。ただ、私にとってとても満足感が高かった巻であるのは間違いがない。この巻を読めば天才も努力なくして天才でない、上には上がいる、努力するのも才能、凡人による悪意のない悪意により天才が貶められるなどという風潮など凄まじい現実を見せられる。ただそれを単純なる現実として見せるのではなく綺麗に物語として終わっているという点がとても好きである。


そして波乱の5巻。この巻私にとってはしてやられたという感じの巻でした。正直ページ数だけ見ると3巻と比べて減ってる(微差)ぐらいなんですが威力が半端なかったですね。ヒロインたちの活躍はもちろん、男どもの関わりもあってとても好きですし、まるでこれで終わってしまうような始まり。新宿のアニメイトで買って自宅に帰るまで歩きながら読んでたんですが交差点や電車の中で叫びたくなるほどドーパミンがドバドバ出てる感じがありました。少し話しは変わりますが私は4巻と5巻の間に初めてMADを作らせてもらって、その後5巻発売後に青と夏という曲を使って2作目を作ろうと思っていたのですが5巻を読んだ瞬間全ボツが決定しました。理由はと言うと、あまりにも予想している雰囲気とかけはなれていたからです。4巻までの流れからとても爽やかな話と(発売春だし)思っていたのですがここに来てまさかのドカンと1発食らわされたような感じでもうどうしようかと。この感情をどこにぶつければいいのかと。なんで俺は高校生じゃないんだと(この巻が出るタイミングで大学生になりました)色々ごちゃごちゃになった記憶があります。マジで1~4をただ楽しく読んでた自分的には本当にすごい衝撃だったんです。

ちなみにMAD制作は大学生活などありひと月ほど触れてない期間があったんですがそれ以上に曲選びが難航し、普段あまり音楽(特にjpop)は聞かない僕がこの時は音楽アプリで100曲以上聞いたり、Twitterでこの曲チラムネに合う!などのツイートを見たら聞いたりとかしてどうにかして7月の末に投稿したのですがお陰様で現時点でニコニコ動画にて200回以上の再生となりました。見てくださった方がいたらありがとうございます。



えー脱線が多くて読みずらくてすみません。

本題の6巻です。私はいくつか疑問点があるのですがとりあえず書いていきますね。

まず個人的にすごいなと思った点は序盤の夕湖が告白後のシーンを各キャラクター事に描いたところですね。まぁ優空は分かるんですよ。ってか書かないとえぇとは思います。悠月や陽、更には電話可で聞いた明日姉、もっといえば和希と健太の内心を容赦なく本当に容赦なく描写していて、えぐいなぁと。そのシーンは人間の嫌なところ的なものが滲み出てくる。これはとても人間らしいので私個人は好きなのですが心にくるものがあります。あとは文章の使い方ですね。チラムネは地の文が多いのである恐らく見開き1ページを「」の会話として使ったのは初め手だと思い、ここでこれを持ってくるのは上手いなぁと思いました。あとは健太の成長ですね。あそこかっこよかった。1巻からの彼の進歩が目に見えて僕の朔への違和感を堂々と言ってくれてとても良かった……。チラムネの中でも個人的にはイチオシシーンですね。


逆に違和感を持った点ですね。まず、海人ですね。夕湖は告白した張本人として内心は前巻書かれてますし、この巻の後半でも多く語られてます。ですが海人だけ夕湖が告白した時どうだったみたいな描写が見当たらないんですよ。いや、確かにてめぇの幸せを押し付けてたとかはあるんですけど、夕湖の告白シーンに関しては一切触れられてない。前巻殴ったからそこで……ってことなんすかね……個人的にはイマイチ納得いってないですね。というか書いて欲しかったという感じですかね。

あとはそれこそ夕湖の扱い。ただこれは仕方ない気もするのですが夕湖があまりにも嫌われ者になってる気がするんですよ。いや、分からなくはないんです。夕湖の考えが。なのでSNSでも表立って夕湖を批判してる人を僕は見かけないんですが、ただこれは読者から見れば嫌われ者になってしまう。なんかもう少しどうにかならなかったのかな……と思ってしまいます。


僕はTwitterでもよく言ってますが6巻を単一の本として勧めることはできないです。ただ、シリーズとして今後の展開に繋げ、前半戦の終わりのホイッスルとしてはとてもいい巻だと思います。


ここまで4000文字以上書いてますが、もう少し書かせてください。

千歳くんはラムネ瓶のなかという作品の特色について。 この作品はライトノベルの中でもとても特殊な作品だと思うんですよ。

現在のライトノベルは統計的に読者層の平均年齢は31.8歳なんですが、ガガガ文庫自体のメイン読者層はもっと低いのでは無いかなと思うんですね。特に弱キャラ友崎くんとかそこら辺は10代後半や20代のかなり若い人達が読んでいる投稿をよく見かけます。(実際は知りません)

チラムネに関しても同じことが言えると思っており、特に高校生の現役世代で入った人が読んでいるイメージが強いです。ただ、今後チラムネみたいな本はないかなとライトノベルを漁ってもなかなか出てこない。どちらかと言うとライト文芸作品に近いように感じており、高校生のライト文芸の入門としてとても読みやすい本に感じます。作中にも恩田陸さんなど多数の作品が登場しており、そこからはいる人もいそうなのでとてもいい本だなと。また、類まれな比喩なども文芸作品ならどんどん増えていくのでその入門にぴったりなのではと全く専門ではないことを感じたり。

あとは千歳朔というキャラクターはアメリカのヒーロー映画の主人公のようなキャラを日本版に上手く落とし込んだように感じて、読者にとってかっこいい憧れの存在となっているのではないかと思います。

とりあえずこんなところですかね

とても中途半端な終わりかつとてつもなく長くて(5000超えてました)ここまで読んで下さりありがとうございます。 

ちゃんとした考察読みたい方はやっぱりhttps://twitter.com/umirikokami?s=09さんやhttps://twitter.com/tunawatari_sk?s=09さん、https://twitter.com/hatbigboys?s=09さんのツイートや考察ブログに行ってください。

参考文献置いておきます


参考文献

千歳くんはラムネ瓶のなか 1~6  作 裕夢 

ライトノベルの平均読者年齢は何歳? book☆Walkerほぼ公式(https://www.google.com/amp/s/bookwalkerstaff.tumblr.com/post/128323701752/%25E3%2583%25A9%25E3%2582%25A4%25E3%2583%2588%25E3%2583%258E%25E3%2583%2599%25E3%2583%25AB%25E3%2581%25AE%25E5%25B9%25B3%25E5%259D%2587%25E8%25AA%25AD%25E8%2580%2585%25E5%25B9%25B4%25E9%25BD%25A2%25E3%2581%25AF%25E4%25BD%2595%25E6%25AD%25B3/amp)








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