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【気象予報士試験】学科専門はどんな内容が出るのか

ここでわかること
ここでは「予報業務に関する専門知識」の試験で、どんな内容の問題が出るのか説明します。


気象予報士試験には学科試験と実技試験があり、学科試験は次の2つに分かれています。

 ▶︎予報業務に関する一般知識
 ▶︎予報業務に関する専門知識

予報業務に関する一般知識の試験ではどんな内容がでるのかは、こちらでお伝えしています。 →→→ ▶︎予報業務に関する一般知識

では予報業務に関する専門知識では、どんな問題が出るのか?

気象業務支援センターのHPで試験科目が掲載されていますが、初めて見る人にとっても受験生にとっても、ちょっとわかり難い・・・。

そこでもう少しわかりやすい説明があったらいいのに!と自分で思ったのでこのnoteを書きました。

これから気象予報士試験を受験する方のお役にたちますように。(*´꒳`*)

気象業務支援センターに掲載された試験範囲

気象予報士試験を行ってくれる気象業務支援センターのページには、学科・専門知識の試験範囲の科目は以下のように書かれています。

↓ ↓ ↓

   ・観測の成果の利用
   ・数値予報
   ・短期予報・中期予報
   ・長期予報
   ・局地予報
   ・短時間予報
   ・気象災害
   ・予想の精度の評価
   ・気象の予想の応用

なんてザックリした科目なんだ〜

それに過去問と照らし合わせても「この問題はどの科目になる?」と悩む問題が多くてピンときません!

じゃあどうすれば、わかりやすく説明できるかなぁ・・・と思ったので

学科試験・予報業務に関する専門知識で何が出題されているのかを、第54回気象予報士試験から10回分(5年分)の過去問を見て、一枚絵っぽくまとめてみました!(≧∇≦)(面積は出題頻度や問題数にやや比例)

↓ ↓ ↓

学科専門出題科目

名付けて、「心の地図〜学科・専門知識の問題」とでも言いましょうか。

ではもう少し踏み込んだ話をしましょう!


学科・専門知識の全体像

まず、気象予報士試験の学科・専門知識の全体像を俯瞰できるようにしました。

【学科・専門知識】の全体像

1.気象観測

 目視と気象測器での観測

  ・地上気象観測
  ・海上気象観測
  ・航空気象観測
  ・高層気象観測
  ・気象衛星観測

2.予報技術

 短時間予想(降水短時間予想)

 数値予報
  ガイダンス ・短期予報
        ・中期予報
               アンサンブル予報
        ・長期予報  季節予報

3.予報精度評価

4.気象災害

5.注意報・警報

6.気象現象

7.高層天気図解析

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でももうちょっと掘り下げて、実際にどんな問題が出るのかを説明します!


1.気象観測

気象観測の科目では、目視での観測から

・アメダス
・レーダー
・船の上やブイでの海上気象観測
・飛行機での航空気象観測
・気球を使ったゾンデ
・気象衛星を使う宇宙からの観測

などなど・・・かなり広範囲に出題されます。

・観測項目
・観測される単位
・観測時刻
・観測場所
・観測データ送信方法

など!

それぞれの観測測器のマニアになるレベルで覚えましょう!

大丈夫、君ならできる!


2.予報技術

天気予報の予報技術についての科目です。

パターンで予測する短時間予想から、大量の初期値から数式を使ってスパコンで計算して予報する数値予報まで。

・数値予報の仕組み
・数値予報が苦手なこと・得意なこと
・ガイダンスについて
・アンサンブル予報について

隅から隅まで勉強しておきましょう。

それぞれについての詳細は、また別のところでお話ししますね。


3.予報精度評価

予報の精度をあげるために必要なのは、精度評価です。

天気予報は
①カテゴリー予報(降水ある・なしなど)
②量的予報(気温や降水量など)
③確率予報(降水確率など)

に分けられます。

それぞれの適中率の求め方をしっかり覚えて、試験本番は問題をサクサク時たいですね!(о´∀`о)


4.気象災害

毎年のように発生する大雨などが原因の気象災害についての問題の出題頻度は、毎試験につき1問〜2問。

雨・風・雪・氷・雷などの気象災害そのものについてや、防災気象情報、

気象災害の原因となる気象現象についても、一般知識の知識を応用させたような問題が出題されてきました。

・台風によってどのような災害が起きる可能性があるのか
・竜巻について
・温帯低気圧による大雪について

などなど・・・。
一般知識で学んだ内容より、ずっと具体的な知識が求められます。

テキストだけではなく過去の災害の資料を読んだり、過去問をしっかり解いて力をつけましょう!


5.注意報・警報

注意報・警報の科目は
・洪水注意報・警報
・高温注意報
・海上警報
などなど・・・

想定される災害についてや、天気図上の海上警報の表示の意味についても、幅広く出題されます。

ただ…毎試験出題されるということはないです。
(第53回と第54回は出題されてないので、次は出題されるかも?)


6.気象現象

専門知識の試験では、一般知識よりも限定した気象現象についての問題をよく見ます。

例えば
・台風
・温帯低気圧
・高気圧
・梅雨前線
・ダウンバースト
・ポーラーロウ
・寒冷低気圧
・竜巻

のような気象現象についてです。

一般知識では現象の原理を問われますが、専門知識では「発生パターン」や「それのよってどんなことが想定されるのか?」を問われます。

ここまでくると気象予報士試験勉強のバイブル「一般気象学」では歯が立たず、日頃からの気象オタク度や読書量,情報収拾の力が問われるのかもしれません。

ちなみに私は気象オタク度が足りず、ひたすら本を読んだりネットで検索したりという受験生活でした。( ˊᵕˋ ; )


7.高層天気図解析

実技試験でガッツリ必要にになる知識ですが、学科試験(専門知識)でも必要になります!

高層天気図と気象衛星画像を用いて答えるパターンもあります。

そして長期予報とも重なりますが、北半球の500hPa高度平年偏差を見て、「この年の〇〇はどうなる?」という問題も頻出問題です。
(第49回〜第54回で15問中1問)


さいごに

気象予報士試験の学科・予報業務に関する専門知識の内容をざっくりまとめました。

実際の試験問題は
・観測結果の応用
・数値予報
・ガイダンス(短期予報・中期予報)
などの情報を全てモリモリに盛り込んでる問題もあるので、過去問を綺麗に科目分けできるわけではありません。

今後はもっと詳しく、感覚で理解できるような記事を増やすことを考えています。

まず試験勉強全体を俯瞰して、何をインプットすべきなのかを知ることが、合格への近道です。

この記事があなたの勉強の役に立つと幸いです。m(*_ _)m


気象予報士試験・学科試験・予報業務に関する専門知識の過去問を、私(はれの)流の解き方で解説しています。

↓ ↓ ↓

第52回気象予報士試験 (5)


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