【超短小説】年雄と確率
鳥のフンに当たる確認ってどのくらいなんだろう?
腕に鳥のフンが付いた年雄は思った。
数センチほどの小さいフンが年雄の腕に落ちる。
道路に落ちる確率の方がよっぽど高く感じる。
上を見ると、電線に一羽の鳥。
多くの鳥が一斉にフンを落として、それに当たるのはまだ分かる。
一羽の鳥の小さなフン。
たまたまフンをしたタイミングで、偶然下を歩いていた年雄に当たる。
狙ってなきゃ当たらない。・・・はず。
おい。鳥よ。
狙ったな?
俺がお前に何をした?
当たった時、「よし!」って思ったか?
思ったんだな!?
じゃないとこんな偶然起きないでしょ!
浜本年雄40歳。
心で揉める。
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