【超短小説】年雄と勉強

大人になって気付いた事だが、人生の大半は勉強していると思う。
それは仕事に繋がる事だったり、社会に繋がる事だったり、色々あるが基本は勉強だと思う。
年雄は小学生の頃、勉強から距離を置いた。
理由というか、言い訳みたいなのはある。
小学校2年生の時、担任の先生が登校拒否をした。理由は、生徒が嫌いだと言ったらしい。
「お前らが悪い」と他の先生に怒られた。
ショックだった。
小学校3年生の時、友達に家族でファミレスに行った話をしていたら、それを聞いた担任の先生から「そんな金があったら、塾にでも行け」と言われた。
ショックだった。ファミレスのお金では、塾には行けない。
小学校4年生の時、馴染みの友達と遊んでいたら、担任の先生に「金魚のフン」と言われた。
よく分からなかったが、ムカついた。
年雄は、勉強して"先生"というものになったら、"みっともない大人になる"と小学生の時に思った。
5年生になる時には、先生がやれという事はやらないようにしていた。
大人になった年雄は、毎日勉強不足と格闘している。
浜本年雄40歳。
居酒屋で5人以上で飲むと、会計の時割り勘が出来ないので、少し多めに払って先に出る。
勉強できれば、釣りが欲しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?