【超短小説】年雄と入れ忘れ。

年雄はハンバーガーセットをテイクアウトで購入した。

家に帰り着き、食べようと袋を開けたら、ポテトが入っていなかった。

年雄は電話した。

店員「申し訳ありません。すぐお作りしますので、取りに来て下さい」

・・・取りに行く?

年雄はポテトを取りに行った。

「申し訳ありませんでした」とポテトを渡す店員。

年雄「取りに来るのめんどくさいので、入れ忘れしないでください」

揉めたい訳ではない。

ただ一言言いたかった。

店員「お電話して頂けたら、こちらから届けました」

帰ろうとする年雄の足が止まった。

年雄「え?取りに来いって言ったのそっちですよ」

店員「当店は入れ忘れがあった場合、ご自宅まで届ける事になっております」

年雄「じゃあ何で届けてくれなかったの?」

店員「電話の対応したのは私ではないので分かりません」

年雄「じゃあ電話に出た人連れてきて」

店員「・・・分かりません」

年雄「何で?ちょっと前に電話したんだよ!」

店員「申し訳ありません」

年雄「お前なあ・・・もういい!帰る!」

年雄はフガフガしながら帰った。

怒りを抑えて帰った理由はただ1つ。

年雄は店員と話している途中で気付いた。

ズボンのチャックが開いてる事に。

浜本年雄40歳。

どうもキマらない人生。

フガフガ。

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