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【小説】MONKEY A GO-GO!

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#介護施設

【第七話】サルでも作れるシフㇳ表。

【第七話】サルでも作れるシフㇳ表。

「おはようございまーす、センパーイ、何やってんすかー?」

ホームの入口にある大きな木。
そのてっぺんで全身の毛を逆立てた先輩介護士のおサルさんが道行く登校中の小学生たちを威嚇していた。

存分にその野生を丸出しにしたおサルさんに、チビっ子たちはキャッキャと黄色い声をあげながらスマホで写真を撮ったり、落ちている樹の実を投げつけていく。

【第六話】おサルさん介護士、避難訓練で大炎上の巻

【第六話】おサルさん介護士、避難訓練で大炎上の巻

「おはざぁーす、あ痛テテテ…」

「何だよ若者が朝から腰押さえちゃって」
僕の顔をみるなり、あっという間に僕の背中に飛び乗ってくるおサルさん。

「あ、先輩おはようございます。イテテテ、ちょっといったん背中から降りてもらっていいですか」

何だよノリ悪ぃな、
と僕の背中からひょいとテーブルに飛び移る。
腰をおさえて座る僕のちょうど目の前にサルさんの股間がぶらさがっている。

【第三話】おサル介護士、レク企画する

【第三話】おサル介護士、レク企画する

1月10日
遅出に向かう途中、成人式典に向かうヤケに子供っぽい新成人達とすれ違う。
大音量で音楽を流しながらハカマ姿でハコ乗りしたヤンキー達が不愉快さだけを残し走り去っていく。

「おはざぁーす」
制服のポロシャツに着替えてフロアに入ると、先輩介護士のおサルさんが何やら頭をかかえていた─。

【第二話】ダンス・モンキーダンス

【第二話】ダンス・モンキーダンス

1月1日
クリスマスからココで働き始めて一週間、新人の僕を指導する先輩介護士がおサルさんって事を除けば、他の施設と特に変わりはなかった。

大晦日の夕方から何人かの入居者さんたちが自宅に帰っていて、静かな元日を迎えたこの変な小さな老人ホーム、MONKEY A GO-GO。