見出し画像

結局自分のことばかり

こんにちは晴光です。前回書いたときからかなり間があいてしまいました。書くモチベーションを保つのって難しいですね。

前回はAIDを受けるために必要なことについてを記事にしました。いざAIDの実施になる時に病院と手続きの行き違いになり、奥さんは僕にAIDを受けたくないと伝えてきました。今回は奥さんがAIDを受けたくない理由についての話になります。

↓↓↓↓↓前回の話↓↓↓↓↓

奥さんがAIDを受けたくないと僕に伝えてくれた後、話を聞きました。

まずなぜこのタイミングでAIDの中止を言い出したかというと、前からAIDには不安があったそうなのですが、僕があまりにも必死になって不妊問題を解決しようとしていたので言い出せずにいたということでした。不安は消えずもやもやしていたところで今回の病院とのもめごとがあり、奥さんの気持ちが切れてしまったということでした。

奥さんがAIDに抵抗感を持つのには大きく分けて2つの理由がありました。

1つ目は見ず知らずの人の精子を体に入れることに抵抗があるということです。言われてみれば納得できる感覚です。僕は子どもを授かるための手段としてしかAIDを考えていませんでした。しかし奥さんからしてみると知らない人と性行為をするような感覚なわけで、どんな顔、体、性格かも分からない人の体液が自分の体に入ってくるのは受け入れ難かったようです。


2つ目はAIDで生まれた子どもへの対応についてでした。最も憂慮する点はAIDのことを将来子どもに告知するのかしないのかということでした。どちらも相当な覚悟が必要であり、周りにそういった悩みを持つ人もいないだろうし、かといって気軽に相談できる内容でもない。そんな未来への不安があったようです。

僕は自分に生殖能力がなく、子どもを授かる選択肢が限られている分、上記のような不安にも向き合う覚悟をとることができました。でも奥さんの立場で考えると、僕以外の男性とだったらもっと普通に子どもを授かることができるわけで、迷いや不安が出てしまうことは共感できます。


AIDへの抵抗感とともに、奥さんは精神的に限界がきてしまったということも話してくれました。奥さんは今までいろいろな病院と先生に関わってきました。何度も自分の性器を見せ、時には検査のために痛い思いもしてきました。先生の中には対応が良い先生もいれば対応に納得できない先生もいて、それでも不妊治療をするためには我慢して病院に通って・・・病院に行くといつも憂鬱な気持ちになっていたそうです。

それとは対照的に周りの友だちはどんどん妊娠、出産、子育てと進んでいく。久しぶりに友だちで集まると子育ての苦労話に花が咲いて、自分だってそういう話をしたいのに、ただ聞くだけしかできない状況がとても居心地悪く「なんで自分ばっかりがこんなに辛い目にあうのだろう」とずっと思っていたそうです。

そうやって心をすり減らしながら進んできたのに、ここにきてまたトラブルが起きてしまいました。そして病院側の不手際だったはずなのに、納得いく対応をとってもらえないことへの悔しさから気持が切れてしまったということでした。

奥さんの話を聞いて僕は改めて自分のことしか考えてなかったなと思いました。思い返してみると、無精子症が分かった時は自分ばかり凹んで奥さんへの気遣いもができていなかったし、TESEの手術をしようとしていた時も、TESE後に行う顕微授精について奥さんの気持ちをきちんと確認しなかった。今回のAIDも話はしたけど、「自分はこう思う」ということばかりで、奥さんの不安をゆっくり聞き出す姿勢が欠けていたと思います。

自分のせいで子どもができない状況が申し訳なくて何とかしてあげたい。今の苦しい状況をなんとかしてあげたいと思っていましたが、結局自分に引け目を感じてはいる状況が嫌で早くなんとかしたいと思っていたんだと気づきました。自己嫌悪に陥りつつ、じゃあどうすればいいのか悩みました。


奥さんが話してくれたことを整理してみた。奥さんは子どもが欲しい。でも僕には子どもを作る力がない。奥さんは自分の子を産みたいと思っている。でも奥さんはAIDを受けたくないと言っている。

矛盾だらけで解決方法がないように思えたましたが、奥さんの幸せを考えてみたら矛盾を解決するための方法が浮かんでしまいました。

僕と奥さんが離婚すれば解決じゃない?

気づいてしまった時にはがっかりしましたが、一度気づくとこれ以外には答えがないなと思うくらい最適解でした。

1週間ほど他の道を考えてみましたけど、やはり他のいい方法は思いつかなったので、奥さんに話すことにしました。

次回は離婚の話を切り出した時のことを書く予定です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?