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涙がひとつぶもこぼれなかった恋の終わり

久々になってしまいました。。。。

あちこちSNSを利用しているので、どこに書くのが一番適切なのかだんだんわからなくなるのよね。

でも今回は、どこにも書けないことをここに書こうと思う。


ひとつの恋が終わって次の恋が始まった

今年の誕生日に、あることがきっかけでわたしはその時の恋人にさよならを告げた。
相手は「そうか。キミの人生だから、キミがしたいように生きるのが一番だよ。今までありがとう」と言ってくれて、その恋は終わった。
その時の彼の心境はどうだったのかは知るよしもないけれど、一度も喧嘩をしたこともなく、穏やかな関係だったことは間違いがない。
ただ、彼は彼で彼の世界を生きていて、なんとなく最後まで彼の心の中には入ることは出来なかったようにも思う。
もしかしたらお互い様だったかもしれない。
けど、大人の恋愛だったなぁと思う。

それから少しして、わたしはまた恋に落ちた。

情熱という嵐のような恋

わたしは恋愛でプライベートが感情的に支配されるのがイヤなので、とにかくひとりの時間を大切に出来るような、お互いに干渉し合わない関係ばかり好んでいた。

ところが次に出会った男性は全く逆の性質。
四六時中、愛をささやくようなタイプの男性だった。
というのも、40年以上海外で暮らしているので、見た目は日本人だけれども中身は完全に外国人。
おまけに16時間も時差がある超遠距離恋愛だったので、コミュニケーションは人一倍必要だと感じているようだった。
(わたしはそこまで必要なかったけど相手に合わせてたかな)

毎月会いに日本に来てくれたけれど、空港で到着ロビーに出て来ると人目も憚らずにハグ&キス。
電車の中でもどこでもキス。
彼が外人だったらまだ良かったけど、顔は50代の日本人のおじさんなので、きっと周りのひとたちは「ようやるわ、あの中年カップル」と思っていたに違いない(笑)

日本語も少々変で、時々「ルー大柴と喋ってるみたいだな」と思ったりもした。
多分彼の頭の中では、英語を日本語に変換して喋っているだろうし、わたしが主語を端折った話をすると、とたんに混乱することも多かった。

そんな特殊事情満載のわたしたちだったけれど、本当に気が合うし、なにひとつ不安な要素もなく信頼し合っていて、言葉や文化の壁を越えて、魂レベルで惹かれ合っていたと言っても過言ではない、まさにソウルメイトだった。

突然訪れた彼の変化

ある日のこと、彼の言動が少しおかしいなと感じるようになった。
それは日に日に強まり、心理セラピストであるわたしには、彼の身に起き始めていることがわかり、どうしたものかとかなり悩んだ。

何が起きたかというと、彼は確実に「鬱病」の兆候を示していたのだ。
被害者意識が強くなり、わたしの気持ちを深読みし、怒りをぶつけるようになっていった。

怒りをぶつけられても、ひとつずつゆっくりとその誤解を解くように努力し、彼を安心させるように努めたのだけれど、最後は石が転げ落ちるように彼は変わってしまったのだった。
彼は「精神疾患になったのはお前のせいだ」「せっかく真剣な付き合いをしたかったのに、お前のせいで恥をかいた」などと言うようになり、LINEをブロックされてしまった。
最後に聞いた彼の声は、まるで老人のようだった。

いつでも寄り添い合おう、と約束していたので、ショートメールで「いつもここにいるからね」と送ったのだけれど、数日後にかかってきた電話で「あなたがしていることはストーカー行為。警察に被害届を出して、職場にも報告して社会的に居場所をなくすことも出来る。弁護士に相談して法的な手段を取ることも出来るんだぞ」と脅迫めいた言葉が留守電に残されていた。

言葉を失ったわたしは、もう為す術がないので、黙って身を引くしかない。

セラピストとして自分の大切な人が落ちて行く様子をただ見ていることしか出来ない現実に打ちひしがれた。

涙はひとつぶも出なかった

どんなに思い返しても、彼を追い込むような言動は見当たらない。
無意識に何か言ったのかもしれないと思って、彼に尋ねて見たのだけれど要領を得ない。
何か悩みがあるなら打ち明けて、と伝えた時には、「キミも息子さんも心理学を学んでいるから分析されるのがイヤなんだ。」と言うので、他の人に助けてもらってほしいとお願いしたが、それもプライドが許さなかったようで実現しなかった。

わたし自身気持ちの整理がつかずにいたので、息子には彼との出来事はなかなか話すことが出来なかった。
けどやっと真実を話すことが出来て、「いつも通りに接してあげるのが一番なんだけどね。急性期だから難しいだろうけど」と息子は言ってくれた。
「娘さんと連絡とってサポートとかしたほうがいいんじゃない?」と言うが、その娘はまだ13歳だし、元奥様への配慮もあったので娘とは個人的な連絡先は交わしていない。
そうなると彼の母親を介して、というのが最終手段になるけれど、きっとそれを知ったら彼は烈火の如く怒り狂い、それこそ法的手段に訴えるに違いない。
もう為す術がない・・・。

そして彼の「もう終わりにして欲しい。」という希望を叶え、黙ってそれを受け入れた。

ここまでの間、わたしは涙をひとつぶもこぼしていない。

いつか心と身体が癒えて、わたしの真心がいつの日か伝わることを願って。

被害妄想に近い状態からのわたしへの暴力的な言葉や態度は、普通ならば許されるものではない。
でもその状態が本来の彼なのか、と言えばそれは異常状態であるわけなので、許すとか許さないとかそういうもんでもないかなと思ってる。
わたしが受けた精神的ダメージも相当なもので、ある意味自分はメンタルが強いなと思ったりもした。
涙が出ないのは感情が解放されていない可能性もあると考えると、健全ではないのかもしれない。
けどどんなに自分の内側と向き合って、彼との幸せだった日々や失う悲しみを感じても、涙は落ちてこない。
他に出来ることはあっただろうかと考えれば、あの時もしも、と思うことがないわけでもない。
悲しみや悔しさを越えて今わたしの心の中にあるものはただひとつ。
祈り。
一日も早く心と身体が癒え、幸福感を取り戻すこと。
欲を言えばその時に、わたしの誠意に気づいてくれたら。。。

どんな出来事も学びに変えて手放す

セラピストとして、もうクセのようになっていることは、どんな出来事も学びに変えて手放す、という習慣。
今回は、セラピストであるわたしと、心理カウンセラーを目指している息子の目の前で起きた、大切な人の心の病。
わたし自身、彼の一番弱いところを実は知っていて、それについて彼自身は過去のことにしていたけれども、わたしの中ではくすぶっている火種に見えていた。「案の定」という感じなのだけれど、何がトリガーになってそのネガティブな火種が再燃したのか、今なら手に取るようにわかる。
それを燃やさないようにすることはある意味もっと危険なことで、今回はそれが早めに、しかもわたしの前で再燃してくれてよかったのだ。
ただし、その火種をどうするかは本人の意思が決めることで、わたしたちは手を出すことは出来ない。そう考えると、ある意味為す術はなかったのかもしれない。トリガーが引かれる前に火種を潰し込むには、わたしたちには時間が足りなすぎた。
彼の課題は彼のもの。たとえわたしには見えていたとしてもコントロールすることはすべきことではない。
結論、これは起こるべくタイミングだったのだ。
そのことを彼の潜在意識は知っているからこそ、ある出来事に自動的に反応して浮上したと言える。
だからこそ、彼が一日も早く回復し、真実と向き合う道に立ち返れるように祈るばかり。その時に奇跡的に寄り添えたら、ふたりは本当に幸せになれるのかもしれない。ま、可能性は限り無く低いけどね。

ものすごく短い期間に、情熱的な愛と幸せをもたらしてくれた彼に、心から感謝してる。彼が再び立ち上がって彼自身のミッション遂行を達成してくれたら、その時には誰よりも大きな拍手を贈りたい。

この1年、最高の男ばっかりだったなあ。

んでもって恋人の存在を息子に話したのはこの人が初めて。
「結婚してほしかったな」と息子がつぶやく。
少し前までは母親の恋愛は受け入れ難いと言っていたのに、成長したなぁ。

しばらくはおひとりさまを満喫してのんりびするかなー。

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