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コーヒーの歴史 2つの起源説


コーヒーの歴史 2つの起源説

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コーヒーの発見には様々な言い伝えがありますが、その中でも代表的な伝説が2つあります。どちらの伝説もいつ頃のことかはっきりしたことはわかっていませんが、最も古いコーヒーについての文献は、900年頃 アラビアの医師ラーゼズによって『古来、エチオピアに原生していた灌木バンの種実(コーヒー豆)を砕いて煎じ出した樹液バンカムは、一種の薬として胃の消化に良く、強心、利尿作用がある』と書き残しており、当時は薬としてとても珍重していたことが分かっています。
その後、イスラム教徒の医師 アヴィセンナによって『コーヒーには温性の働きがあり、利尿作用をもたらす。また、興奮作用や覚醒作用を表し、美肌効果、アロマ効果がある』と、コーヒーの医学的効能が書き残されています。

ヤギ飼いカルディの伝説【キリスト圏に伝来する話】

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6世紀頃、イスラム勢力が隆盛を極めていたアフリカで、唯一のキリスト教国だったエチオピア南部のアビシニア高原には、野生のコーヒー樹林が長いこと人目に触れることなく育っていました。
ある日、ヤギ飼いのカルディは、放し飼いにしていたヤギが赤い実を食べて興奮しているのを見て、修道院の僧侶に相談しその実を食べてみました。
すると全身に勢力がみなぎり、気分がスッキリしたのです。
それ以降、僧侶たちが徹夜の宗教行事の際に眠気ざましとしてこの赤い実を煎じて飲むようになり、『眠りを知らぬ修道僧』とまで言われるようになったと云われています。

イスラム教の僧侶 シェーク・オマールの伝説【イスラム圏に伝来する話】

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13世紀の中頃、イスラム教の僧侶シェーク・オマールは罪に問われ、アラビアのモカから追放されイエメンのオーサバという土地を食べるものもなく彷徨っていました。
ある時、小鳥が赤い実をついばんで陽気にさえずっているのをみたシェーク・オマールは、この実を採って煮込んでみました。
すると素晴らしい香りのスープができ、飲んでみると心身に活力が湧いてきました。
その後、彼はこの赤い実を用いて多くの病人を救い、国王に罪を許されて、モカへ帰ることが出来ました。
そこでも多くの人を助け、後には聖者として崇められるようになりました。

コーヒーが飲料として広まった起源

1454年頃、イエメンの首都 アデンのイスラム教師 シーク・ゲマレディンがエチオピアのアビシニアに旅で訪れた際に、コーヒーの効能について知る事になりました。
帰国後、体調を崩したゲマレディンは現地からコーヒーを取り寄せて飲んでみたところ、病気が治ったばかりか眠気が覚める効能を知り、修道僧たちにもコーヒーを勧めました。すると、学者や職人、芸術家などに広まり、旅人や商人など日中の暑さを避けて夜働く人々はよくコーヒーを飲んだとされています。
以前にもコーヒーは飲料として知られていましたが、ゲマレディンの宣伝活動がコーヒーが飲料として広まったきっかけとなりました。


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