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7・5・3

新卒(大卒)が会社を辞めるのは、3年で3割、ということが言われています。
これは、最近の若手が良く辞める…という訳ではなく、昔から変わらず「3年3割」なのです。

厚生労働省のデータから明らかです。

また、「7・5・3」ということも言われています。
これは、入社後3年間で離職する割合は中卒7割高卒5割大卒3割という意味です。

下記は離職率の推移のグラフです。



厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況を公表します」令和3年10月22日https://www.mhlw.go.jp/content/11652000/000845624.pdf
(令和4年7月14日アクセス)

中・高卒は離職率が下がり傾向ですが、大卒はあまり大きな変化はなく3割がずっと続いているのが分かります。

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今回は大卒に焦点を当てます。
大卒の3割が3年以内に離職すると言っても、3年目に一気に辞めるという訳ではありません。1年目の離職率が、過去30年のデータでみても最も高いのです。
入社後数か月3か月~6か月くらいで辞めることを決意し、1年以内のいずれかのタイミングで辞めていきます。

どんな理由・きっかけで辞めてしまうのでしょうか。

会社側に調査をしたデータでは、業務の不一致、人間関係などが上位に来ているものが多いのですが、本当でしょうか。
「辞めるときに本人がそう言ったから」
「(理由を聞かずに退職してしまい)周囲がそう判断したから」
そのようなデータになっているのでは、と私は考えます。
上司や先輩が見落としてしまっていること、今一度見直してみましょう。

多くの先輩社会人が実感としてあると思いますが、連休明けに来なくなる新人が多い
連休になり自分を見直したり、考えたり、相談をしたりする時間が増えるからかもしれません。

下記は私が同じ職場で見た新人の例です。
・Aさん ゴールデンウイーク明け、暗い顔で出社、休みがちになり退職
・Bさん 入社2か月目くらいから元気がなくなり、ミスが多くなり退職
・Cさん 夏休み前に体調不良、しばらくして退職
・Dさん 夏休み前と秋休み前に行方不明になる、体調不良、退職

それぞれ別の会社の新人です。
4人には共通点があります。

周りの新人に比べて、期待されていたという点です。

Aさんは見るからに元気、声が大きい体育会男子。営業部配属で部長や課長に気に入られていました。
辞めた理由は、構ってもらえなかったから。
この「構って」は、新人としていじって欲しかったということだったらしいのです。
期待されて、大人のような扱いを受けることが辛かったと本人は感じていたようです。

Bさんは有名大学を出て、自己主張が強い女性でした。仕事だけではなく、会社の宴会準備なども頑張ってやっていました。
配属先の上司から生意気だ、と言われその配下の先輩社員がこぞっていじめをし、そのうち会社に来なくなり、産業医面談の上、退職しました。

Cさんは数十人の新人の中でも目立つ女性で、新人研修で物まねを大勢の前で披露したり、プレゼンも堂々としていて素晴らしく、配属後も上司や先輩から期待され業務に取り組んでいました。その分、早くから業務を任されましたが、結局は新人です。「何やってんだ!!」「おまえ!」と強い言葉で指示されたり怒られることに耐えられず、パワハラと感じて退職していきました。

Dさんは役員肝いりで入社した女性でした。インターンシップでも良い意味で学生らしくないビジネス感覚を発揮していたように思います。社会人との人脈を学生のころから築き、頭の良い子だという印象でした。ただ、現場社員には煙たがられて、自分の力が発揮できなくなり、自信を無くして体調も崩し、焦燥して辞めていきました。

私が人材会社の営業や、企業人事として見てきた新人なので、全体ではありませんがこの4人以外にも、好スタートを切った新人がどんどん辞める印象を受けます。

勝手に上司や先輩が期待して、新人に過度にプレッシャーを掛けたり、「新人のくせに生意気だ」と叩いてつぶすことが多いのではないでしょうか。

逆に「大丈夫か?こいつ…」というような人は周りがケアをするので、意外と辞めないのです。
一見強そう、ハキハキ、自分の意見を言う…のような子が叩かれます。

これ、とてもおかしなことです。
「会社」「配属先(上司や先輩)」「新人」三方にとってマイナスしかありません。

会社→採用難の中、苦労して採用した人材が短期間で辞める
配属先→人手が足りないまま
新人→何も得られず心を傷つけられて退職

だれも望んでいない展開です。

おそらく、多くの会社では経営陣が好ましい人物像を話し合って、人事に採用を指示し、人事は条件に合致した人物を採用しているのですが、それが現場に伝わっていない、もしくは受け入れ態勢を整えられていないのですよね。

先輩社員にもマネジメントをさせるには、1年目の研修からハラスメント研修を受けさせて、何が相手を追い詰めるのか、仲間がそのような扱いを受けていたらどうフォローするのがいいのかなど刷り込んでいくことが大切ではないかと思います。

いじめ文化が根付いてしまうと、なかなか抜けられません。
テレビを見ていても、何度も事件や事故を起こしている「またか」企業がいくつか思い浮かびませんか。
辞めさせた部署の人間には「鼻っ柱を折ってやった」「根性のないやつは今のうちに辞めて正解」のようなことを言う輩もいます。
新入社員は、つい最近大人になった、初めて社会に出た新人です。仕事ができないのは当然、まだ失敗していないのだから、できると思って発言する時期があって当然です。それらを理解・許容できない上司や先輩の方が問題です。

優しくするのが良いという訳ではなく、まだ新人・まだ社会人としては未熟であることを踏まえて指導しなくてはなりません。
その方法が分からないのであれば、本を読む、研修を受けに行くなど学ぶ必要があります。
いじめ文化の会社で、先輩や上司に指導方法を訪ねても、良い答えが返ってくるとは思えません。

新人は、どんなにしっかりしているように見えても新人として許容する。
頑張っている、やる気がある人材にはチャンスをあげつつ適度なフォローをする。
分からなければ、本人に今の状況がキツくないか確認する(大丈夫です、と言いがちなので、他の業務に支障が出ていないか、持ち帰り仕事していないかなどを具体的に質問してみる)。

新しい人を受け入れたのなら、責任をもって指導育成することです。
決して芽を摘むようなことがあってはならないと考えます。

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